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2018-09-14

鎌ヶ谷在住の中学生、福田 瑛君がけん玉世界チャンピオンに!

2018年7月に東京都台東区で行われた「世界けん玉道選手権大会〜藤原一世杯〜」において、鎌ケ谷市立第二中学校2年の福田瑛(あきら)君(13歳)が見事優勝し世界チャンピオンとなりましたました。

 

けん玉に世界選手権があったのか!

とびっくりしているあなた、あるんです。

そもそもけん玉は日本の伝統的な玩具ですが、今や世界中のスケーターやスノーボーダーなどのアスリート達の間で大ブレイクしているクールなアイテムになってるんですね。

諸説ありますが、有名なプロスキーヤーが日本に来た時にけん玉にはまりそれを持ち帰ったところから火がつき、やがてはスケーターなどストリートシーンの人たちに波及していったと言われています。

 

けん玉競技も大きく分けると2種類あり、

一つは日本けん玉協会の主催する『けん玉道選手権』で1対1の真剣勝負で決められた種類の技をクジ引きで決めて技にチャレンジします。

1発勝負の戦いなので、難易度の高い技をミスをせずに1回で決められるかが勝負のポイントになります。まさに武道のような大会ですね。

もう一つは一般社団法人グローバルけん玉ネットワーク(通称グロけん)主催のストリートけん玉の大会『けん玉ワールドカップ(KWC)』で、こちらは決められた制限時間にレベルの高い技をどれだけ成功できるか点数によって順位を競い合う大会です。成功すれば点数になり時間内なら何回でもやり直せるというものです。

今回、福田君が優勝したのは1発勝負の「けん玉道選手権」の世界大会で、5カ国から54人が出場しました。

まさに一発勝負の戦い。それはさながら武道のようだ

そんな福田君に、けん玉を始めたきっかけや大会のことなどお話を聞いて来ました。

取材に答えてくれた福田瑛君

けん玉を始めたきっかけ

きっかけは小学校3年生の時に、祖母が買ってくれた「おもちゃのけん玉」だったそうです。プラスチック製で玉が皿に乗ると効果音が鳴るというもので、福田君はこの玩具で夢中になって遊んだそうです。

その後地元の「六実けん玉教室」、「鎌ヶ谷けん玉道場」に通うようになり、本格的にけん玉を始めてみると3万種類あると言われている技、そ奥深さにはまっていきました。

もっと上手くなりたいと思い、小学校4年生から東京都日野市にあるけん玉名人のいる教室「Touch塾(詳しくはホームページまで http://kendama.top月に2回片道2時間弱をかけて通うようになります。

そのけん玉教室は全国大会で日本一の選手を出す強豪のクラブで、けん玉で日本一になりたい小学生が集まることで有名な塾です。そのTouch塾で教わったことを、生徒は自宅で毎日最低でも2〜3時間は練習をしているという環境の中で福田君も練習に励みました。

 

日本一を目標に

小学生6年生の時に「全日本少年少女けん玉道選手権大会〜文部科学大臣杯〜」で日本一を目指し練習に励んで来ましたが、関東の出場枠(1枠)をかけた関東予選で3位に終わり全国大会への出場はできませんでした

その後はさらに練習に励み、もう一つの小学生の全国大会である「日本けん玉協会ジュニア争奪戦」でけん玉強豪エリアが上位を独占する中、6位に食い込み自信をつけました。

ちなみに全日本選手権予選で福田君に勝ち全国へ出場したのは同じ塾に通う酒井君でした。この年の全国大会では負けてしまいましたが、翌年酒井君は全国大会で優勝し日本一になりました。

この時の気持ちを「同じ塾に通う仲間が優勝したことはとても嬉しかったです。でも同時に羨ましく、そして悔しい気持ちが湧いて来て、自分も早く日本一になりたいという気持ちでいっぱいになりました」と語ってくれた福田君。

 

骨折を乗り越えて

中学生になり、全日本大会に出場しますが、極度の緊張で予選敗退してしまいます。メンタル面の課題を克服すべく反復練習に励み世界大会へ挑戦しようとしますが、直前で左手(利き手)を骨折してしまい出場を断念しました。

けん玉は1日でも練習を休むと感覚が戻ってしまうというシビアな側面を持っていると言います。利き手を使えない絶望的な状況の中で、福田君は逆手となる右手でけん玉の練習を始めました。

福田君はすでに利き手では未成年で取れる最高段位五段の持ち主ですが、けん玉をより上手くなる為にけん玉塾のTouch
先生の勧めで逆手でも五段を目指しました。

「少しでも感覚を保つために右手でやってみたのですが、これもいい経験になったと思います。けん玉は腕だけじゃなくて姿勢、膝の使い方など全身で行うものなので、左手でやっている時にはわからなかった部分の動きが意識できました」と福田君。

プロ野球選手でもキャッチボールやバッティングで、利き手と逆の投げ方や打ち方で左右のバランスを調整する人がいますがそれに近いですね。そもそも逆手でもできてしまうのがすごいです。

 

そして世界一へ

授賞式の様子

骨折も完治し、再び日本一を目指し練習をかさね中学2年生になり迎えた「関東けん玉選手権大会」で優勝

良い感じで波に乗って挑めると思った「全日本けん玉選手権大会」はまさかの学校行事と重なってしまい欠場…。

こうなったら日本一を飛び越えて世界一に!と気持ちを切り替えて挑んだ7月の「世界けん玉道選手権大会」で見事優勝したのです。世界大会の技はとても難しく覚えるのが大変だったそうですが、たくさん頑張って来た練習の成果を遺憾なく発揮できたそうです。

優勝報告会で清水聖士鎌ケ谷市長と

市長の目の前でも技を披露した

 

世界一の技見せて!

というわけでせっかくなので私も目の前で技を見せていただきました。

世界一となった福田君の華麗なけん玉技を動画でご覧ください!

最初の技が『スーパーフラミンゴ宇宙遊泳』で次の技が『灯台返し〜1.5回転スワップけん』です。

いやはやアクロバティックで何が起こっているのか一瞬わかりませんでしたが、すごいですね〜。

今後の抱負はやっぱり「日本一」とのことで、まずは来年の「全日本けん玉選手権大会」優勝を目指してまた日々練習に励むそうです。

今後の福田君の活躍から目が離せませんね。我々編集部も応援しています!

 

余談

 

最後に福田瑛君は、実は以前も記事にした切り絵作家 福田理代さんの息子さんだったんです。

ちなみに上の切り絵は瑛くんをモチーフにした作品です。

昨年取材した時に、ちらっと瑛君のお話は聞いていたのですが、こうして今回取材できてとても嬉しく思います。

↓切り絵作家の福田理代さんの記事はこちらからどうぞ

鎌ケ谷在住の切り絵作家“福田理代”さんの「美しすぎる切り絵」が凄すぎる!

 

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