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2018-10-08

創業1年目の老舗??下総中山と共に歩む系譜「4代目 松屋食堂」

 

不安定な天気が続きますね。

自称日本一ラーメンを食べているアスリート(自分調べ)こと一場治之進です。

秋雨前線の影響やら台風の季節やら、春雨前菜だか何だか良く分かりませんが・・とりあえず一つだけ分かっている事は天気が悪い時は外でラーメン食べるしかないですね!

そんな毎日の趣味と言う名のライフワークを生かして、これからも鎌ヶ谷・船橋・白井あたりのラーメン屋を取材し、イチバ的な視点でお店の魅力を皆さんに伝えていきたいと思います。

第9回は下総中山駅北口の「4代目 松屋食堂」に取材に行ってきました。

 

場所

最寄り駅はJR総武線の「下総中山駅」から約100m。改札を出て右側の北口に向かうと目の前に商店街が広がります。そのままマクドナルドの横の商店街の通りを直進すると、左側にお店があります。商店街は昔から営業してそうな赴きあるお店が多く並んでいて、歴史を感じながら歩く事が出来ます。

JR総武線の下総中山駅にお店はある

改札右手に出ると商店街が広がる。マクドナルドの横を直進

駅からすぐ。商店街を直進すると左手に見える。黄色い看板が目印だ。

記憶だと以前は「中華料理 松屋」と言う地域を代表する老舗の中華料理店でしたが、現在は「松屋食堂」になっています。斜め向かいに「牛めし」で御馴染みのチェーン店「松屋」がありますが、もちろん無関係です。

「香麺」ってなんだ???入る前から「こだわり」を感じる

 

ちなみに「4代目 松屋食堂」は2017年11月25日オープンなので、1周年記念を待つ比較的新しいお店ですね。でも、「4代目」と言う響きに期待も肋間筋も膨らみます。

いつだってお店のレポは入口から始まるんだ・・・9回目でも緊張する。

 

店内

店内は入口から見て奥に厨房。右側にカウンター6席・左側に4人テーブル×2(8席)で合計14席になります。

入口から見た内観。老舗中華料理店の面影は無い

以前の中華料理店を全面改装したそうで、老舗中華料理店の面影は全くなく、古さを全く感じさせない雰囲気と作りです。

演歌といえばキングレコード!エネルギーが満ち溢れている・・・

店内に貼ってあるポスターがふと目に入りました。

「ラブユー・アゲイン」・・・「笹 あかり」か。

「渋い趣味ですね」と、奥にいる松谷店主に言うと

「友達のお母さんなんですよ。50歳過ぎてからデビューしたみたいで、地元発のスタートいうことで応援してるんです。」と照れ臭そうに笑う松谷さん。よく見ると手書きで小さく説明書きが貼ってありました。

店主の松谷さんの手書きの応援メッセージ

「鎌ヶ谷・船橋あたり」で取材する日は来るのか・・・ここはイヨリ編集長に丸投げしつつ乞うご期待ということで!

ともあれ、鎌ヶ谷・船橋あたりで頑張る人は超個人的にイチバがマッスルを惜しげもなく使って応援します!

メニュー

券売機には「しょうゆ」から「みそ」・「しお」も・・迷うなぁ~

券売機を見ると「魚介しょうゆ」「魚介しお」「白湯みそ」、それに「たんたんめん」「辛みそ」と辛いメニューに全部乗せの「特製」があります。

サイドメニューもサラダもあるし・・・・あっ!「TKG」もある!

イチバのRMYK(ラーメン用語解説)
説明しよう!TKGとは「Tamago Kake Gohan」つまり「卵かけご飯」の略だ!すでに「ラーメン用語解説」ではないかも知れないが、一応知っておくと良いかもしれない。ちなみに舞浜のテーマパーク「TDL」「TDS」とは関係ない。家でTKGを食べなくても、有名ラーメン屋でTKGがあると非常に魅力あるメニューに見えて、ついつい特別な気持ちになり券売機ポチをしてしまうのはイチバだけじゃないだろう。その辺の夢と魔法は「TDL」と似ている。

「左上の法則(※レポ2泰山参照)だと「特製4代目しょうゆ」ですが、基本3味に辛味もあるので迷います。松谷店主が「人気№1は魚介しょうゆで、№2は白湯みそです」とアドバイスをくれます。

 

松谷店主のオススメは「しょうゆ」「みそ」だ。でも、どちらが良いのか・・・。

そうなると「しょうゆ」「みそ」に絞られますが、もう一つハードルが・・・・細麺と平打ち麺も選べるだと!

「細麺は山田食品さんと石山さんがコラボした特注の香麺、平打ち麺は茨城の松屋製麺所から取り寄せています。」(ちなみに同じ”松屋”でも関係はないみたいです)

平打ち麺は「七彩」出身の名店「松屋製麺所」から仕入れているらしい。

「ま・・松屋製麺所??名店の七彩出身でつくば山の麓で営業しているあのお店ですか??」イチバの脳裏には朝早くから車を跳ばして、取り憑かれたようにつくば山の麓の松屋製麺所へ向かった時の事が蘇りました。

そして、そこの麺と言ったら・・・・ヤバイさらにヤバイ、バリヤバイですね。

それに山田食品の香麺も気になります。頭を抱えながら迷っていると、イヨリ編集長が「You、W完(ダブカン)いっちゃいなよ(※レポ3一芯参照)と天の声が!アザス!お言葉に甘えて「しょうゆ」と「みそ」をポチっとな。

そうそう・・迷った時はW完!!(良い子は真似しないようにね)

松谷さんのアドバイスを聞いて「醤油」は細麺を。「味噌」は平打ち麺を。(実際にはどちらも合うように作られているそうです)

 

調理

と、言う訳で長々と迷いましたが無事注文完了したので、調理風景を見せていただきました。

店主の松谷さんに調理を見せて頂きました!

以前の中華料理店の時の厨房機器は全て入れ替えたので、厨房の中は整頓されています。

「魚介醤油:細麺」は和出汁である魚介系動物系の割合でブレンドします。魚介系は主に節系(鰹節・鯖節など)を中心に、少しだけ煮干しが入っています。香味油に鰹が効いた鶏油を使用し、かなり節系にこだわった作りになっています。仕上がりは醤油の色が映えた深く黒みがかった色です。細麺はやや黒みがかった素朴な灰色に見えます。

これが山田食品の「香麺」だ!!

節系をしっかり使った「しょうゆ」。やや黒みがかったスープの色が特徴だ。

 

「白湯みそ:平打ち」は豚白湯など動物系100%のガツンなスープを北海道の白・赤味噌と信州の赤味噌をブレンドした味噌ダレと合わせて挽肉・野菜・背脂と共に炒めます。これは、札幌ラーメンの技法に近いですね。炒めた野菜の香ばしい香りに食欲が倍増します。

「みそ」は札幌ラーメンの技法に似て鍋の中で野菜とスープと味噌を混ぜる!

平打ち麺は、茹でる前に手で揉み・潰す事で手打ちの様な不揃いな食感になります。ちなみに今回未食の塩は魚介スープ100%だそうです。

「松屋製麺所」の平打ち麺。しっかりと揉む事で不揃いになり食感が変わる

どちらの麺も茹で上がるとテボをリズム良く振り、ダイナミックに湯切りをします。

リズムよくダイナミックな湯切りが特徴的だ!

 

実食①魚介しょうゆ

まずは人気№1と言う「魚介しょうゆ」今回は細麺を頂きます!

これが「魚介しょうゆ:細麺」。黒みがかったスープが美しい。

スープは熱々で、節系の旨味と酸味がファーストインパクトで襲いかかります。動物系の旨味は骨組み程度で、かえし(※レポ6しばちゃん参照)と節系の味が主導権を握っています。かと言って、蕎麦の様な和テイスト1色でなくどこか中華らしさが残っています。ありそうで無いスタイルですね。かなりレベルの高いスープです。

酸味のある節系のファーストインパクトが中々効いている!旨い!

山田食品とラーメン評論家の石山氏のコラボで出来た「香麺」※全粒粉使用の中細ストレート麺

で、見た目やや黒みがかっているのは全粒粉使用の麺の特徴です。

これが山田食品の「香麺」だ!全粒粉使用らしくよく見ると黒い点が見える。

啜った後にリズム良い反発がある「跳ねる」麺です。「※全粒粉」と言うとワシワシ食べる食感の印象がありますが、コシとは違う独特な反発と粉っぽい香りが印象的です。

啜った時に反発があり跳ねると言う独特の食感

イチバのRMYK(ラーメン用語解説)
説明しよう!「全粒粉」とは一言で言うと小麦の全部を挽いて作る麺だ。通常であれば小麦の外皮や胚芽と言った外側を取り除いて中心部の「胚乳」と言う部分のみを挽いて作る。全粒粉はその全てを使うのだ。ちなみに全粒粉の麺はマッスルに重要なビタミン・ミネラル・カルシウムも豊富なのでお得なのだが、製麺後にザラザラ感が残ったりと製法が難しいらしい。加水率や配合など製麺所でのハイレベルな技術を要する。

は炙ったバラのチャーシューに青菜、ネギ、それにコリコリ感の強いメンマと麩。スープ・麺の印象が強いのですが、具の味付けや食感がやや主張が強いので負けていません。

珍しい「麩」入り。具は食感や味付けがしっかりしている。

全体を通して作りたい味のビジョンとコンセプトがはっきりした1杯と言う印象があります。正直、かなり完成度の高い1杯です。

何はともあれ「汁完」!

実食②白湯みそ

「魚介しょうゆ」でかなり満足したものの、「みそ」も気になります。いや、調理方法が「しょうゆ」と違う上に札幌ラーメンに近い方向で作られているので、期待と筋肉がパンプしまくりです。

出てきた「白湯みそ」を見てイチバはニヤリと笑みがこぼれます。昔の札幌ラーメンを思わせるかなりレトロなビジュアルです。

札幌ラーメンの老舗を思わせるレトロなビジュアルにオーラを感じる。

実はラーメン業界で「醤油」「塩」のレベルの向上は目を見張る物がありますが、「味噌」はいまだに地方の老舗名店の味を越えられない事が多く見られます。それだけに新店が味噌ラーメンで美味いと言わせるのは中々ハードルが高いと思います。そして、ここに来てレトロなスタイルで勝負をかけて来るとは・・・イチバの大胸筋も期待でパンプアップです。

スープ動物系1本でとった地力のある白湯。それにブレンドした味噌ダレですが、かなりバランス良く作られています。味噌の鼻に抜ける上品な風味がしっかりと生きていて、動物系の出汁感が力強い「まろやかさ」を出しています。

地力があるスープに味噌のアロマが効いている!

背脂で炒めた挽肉と野菜が炒め物特有の香ばしさが丼全体に覆っています。コーンの甘さも良いですね。かなり技術的に高い事をやっているだけでなく、計算されていますが・・・着地地点をレトロなスタイルに設定しているのが凄い。

計算の上に成り立っている「レトロ」。この世界観は「食堂」の看板に合っている。

「最新の技術が埋め込まれたアンティーク」なスープに脱帽です。白髪ネギ・モヤシもレトロ感が出ていて良いですね。

意外かもしれないが、モヤシが良い仕事をしている

は茨城県の「松屋製麺所」から取り寄せている平打ち麺です。しっかりと揉み・潰されていて手打ち風に仕上げています。加水率が高くプリプリと不揃いなピロピロ感が上品な味噌の香りを持ち上げます。

「松屋製麺所」の平打ち麺。揉んでいるので手打ち風に見える。

こちらも「白湯みそ」作りたい1杯と言う着地地点がしっかりと見えている印象を受けました。

お世辞を抜きに、どちらもハイレベルな1杯です。個人的には「白湯みそ」を推しますが、これは好き好きですね。

W汁完は生涯初めてかも・・・。美味かったぁ~

 

お店の歴史(初代〜3代目)

店主の松谷さんにお話をお伺いしました。

前述の通り2017年11月25日オープンですが・・・まず、気になったのは「4代目」と言う文字ですね。

<初代>

「初代は昭和の一桁に東京の日本橋浜町で中華料理屋をやってたんですよ。でも、戦前の不景気で1日1杯しか出ない日もあったみたいで、1年足らずで親戚頼って船橋に来たみたいです。確か昭和6年だったとか・・・・。それで松谷さんと結婚して初代は松谷さんになったみたいですよ」と、松谷さん。

昭和6年と言えばまさに戦前!その時から下総中山の地に…そう考えると凄いですね。そこで初代の「松屋」が下総中山に誕生したそうです。

初代から2代目は「松屋」激動の時代だったそうです!

<2代目>

「2代目、つまり僕の爺さんは僕が生まれる前に割と若くして亡くなったそうです。商才に長けていてやり手だったみたいです。同族経営で”松屋”を市内に3、4店舗構えてたみたいで。爺さんが作り方を教えていたみたいなんですが。不景気で本店以外撤退することに。」聞くと、この2代目の時期が「松屋」のターニングポイントになったのかもしれませんね。

3代目からは下総中山の地で文字通り「地に根を張る」お店作りをしていたそうだ!

<3代目>

「3代目・・つまり僕の親父は学生時代から2代目の仕事を手伝っていたんです。高校卒業と同時に一緒に仕事をしていたんですが、親父が20歳の時に爺さん(2代目)が亡くなって後を継いだんです。」

その歴史、聞いてビックリ初代から現在まで約90年!

その間に下総中山駅周辺も色々と変わりました。中山競馬場の最寄り駅だった頃は客足が伸び、船橋法典駅や西船橋駅が出来ると客足は遠のき。下総中山駅付近の変化と共に「松屋」は共存していったそうです。

「3代目までは初代のレシピを使っていたんですよ。勿論オリジナルも出していたみたいですが。本格中華でなく街の中華料理屋だったんで、炒め物やラーメン。ラーメンはチャーシューの煮汁にゲンコツ・野菜だけのTHEノスラーメン(ノスタルジックラーメン)だったり。それに、実は炒飯や野菜炒めやポークソテーなど、うちは醤油とかでなくソースを使っていたんですよ。だから他のお店で中華食べた時は、“ん?何か味が変”って逆に違和感を感じてました」と笑いながら松谷さんは言います。

「へえ〜味付けがソースは珍しいですね」と、言いながら※「船橋ソースラーメン」を思い出しました

 

イチバのRMYK(ラーメン用語解説)
説明しよう!「船橋ソースラーメン」とは千葉県の地ラーメンの一つで、「竹岡式」「勝浦式タンタン」「アリランラーメン」の後に近年発掘されたスタイルだ。ソース味のスープと言う男気溢れた味のラーメン。元祖は閉店した「花蝶」と言われており、船橋駅付近でソースラーメンを出すお店は多かった。近年、「船橋ソースラーメン」のレジェンド店(浜町一番・利平など)が相次いで閉店して「大輦」を残すのみとなった。イチバは「船橋ソースラーメン」がユネスコの世界遺産に登録されないか一日千秋の想いで待ち望んでいる。

 

お店のこと ~そして4代目へ~

そして、「松屋」は4代目の時代へ。

「もともと会社員(飲食業)をやってたんです。店を継ぐ気はなかったんですけど、30歳の時に父に話があるって呼ばたんです。俺もそろそろ引退を考えてるからお前“ここで何かやらないか?”って言われたんですよ。それで色々考えて未経験からラーメン屋(千葉県発祥の大手チェーン)と中華料理の修業に出たんです。そろそろ引退と言いながらなんやかんやで父が引退したのは昨年で(笑)結局私は10年以上修行して戻ってきました。」ちなみに、4代目の松谷さんは3代目、つまり父親の厨房は手伝った事はなかったそうです。では何故ラーメン屋を??

父との話が人生の分岐点になった。選んだのは中華でなく「ラーメン」。

「一人でやることが前提で考えた時に、中華だと仕込がキツいですが、ラーメンなら出来るなと。またラーメンは何でもアリなので面白いですしね。よく食べ歩きもしています。」と語る松谷さん。

確かにラーメン狂のイチバとラーメン話をしていて意気投合。後ろにいるイヨリ編集長の頭の上に「?」がいくつも出る場面もありました。

好きなラーメン屋は横浜の「鶏喰」など、イチバ的にフリークとしての経験値が高い事も感じました。県内では市川市の「バリバリジョニー」の店主などとも交流があるそうです。好きなラーメン屋のラインナップを聞いていると、「出汁に1本筋が通った」又は「出汁の主役がはっきりした」系統のお店と言う印象があります。その趣向が実際に作るラーメンの色を出しています。

ラーメンも多様化していて人によって好みも色々あるので、なるべくミスマッチをなくしたいという思いからメニュー名の前に「魚介」「白湯」などをつけているのだそうです。

一つ一つを大切に・・すでにラーメンフリークが多く来ている注目店になった。

地元の人に愛されるお店を

そんな4代目のラーメンは、新しい技術や試みをしながらも、着地点がレトロに寄っているように思えたのはやはり、この地で代々続いてきた歴史があるからなのでしょうか?聞いてみると

「自分でもノスタルジックな感じは意識はしていないんですけど、結果的にそうなっているのかもしれませんね。もっとも下総中山は目的がないと降りない駅なので、やっぱり地元の人に愛されるお店にならないと続けていけないと思ってます。そうなると自然とシンプルな方向になってくるのかな」と語る松谷さん。

実際お客様はご高齢の方も多いそうで、やはりこの土地で長く商売を続けてきた父(3代目)の後ろ姿を見て自然と体に染み付いた感覚を持っている4代目ならではのラーメンなのかもしれませんね。

3代目にお話を聞こうと思いましたが、残念ながらこの日は不在でお会いできませんでした。

「今は引退して映画見にいったり悠々自適に暮らしてます。たまに友達を店に呼んで飲みながら、私のラーメンを食べて”俺の作るラーメンの方が美味い”とか言ってます(笑)」とのこと。

今度はタンメン・煮干しをやりたいと仰っていたので「ソース味のタンメンはやらないんですか?」と聞きました。満更でもない顔をされました。

4代に渡って受け継がれてきた伝統と、新しい物への挑戦。まさに船橋の宝の様な歴史でした!松谷さん、ありがとうございました!!是非100年を越えて下さい!

 

マッスルコメント

90年続いた老舗の新しいスタートを応援して・・・・アームレスリングマッスル!!!!(友情出演:鎌ヶ谷市在住 NPCJフィジークマスターズ 元チャンピオン 北山氏)

 

 

4代目 松屋食堂

住所/船橋市本中山2-18-5

TEL/047-334-0537

営業時間/11:00~15:00 17:30~22:30

定休日/水曜

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