ふなばしお店グランプリ2017受賞店「米のまきの」に行ってきた
先日発表になった「第2回ふなばしお店グランプリ」で、商品・サービス部門のグランプリを受賞した「米のまきの」に行ってお店のことや、お米の事など色々聞いてきました。
↓ふなばしお店グランプリの記事はこちら
お店のこと
「米のまきの」は昭和24年にオープンし、約70年近く続くお米屋さんです。
場所はJR下総中山駅から高架沿いを西船橋方面に歩いて2分ほどのところにあります。
地域に根ざした米屋として、現在3代目の牧野基明さんがお店を切り盛りしています。
基明さんは10歳の頃からお店を手伝っていて、お米の仕入れ〜販売まで一連の商売の流れ、仕組みを学んできたそうです。
「自分で仕入れたものをどうやって売っていくのか、自分なりに考えてやってみろ」と子供の頃から任されきたので、単純に家の手伝いをしてきたというよりも、商売を肌で感じて勉強できる環境を先代が作ってくれたと言います。
店内には、先代から築き上げてきた全国の栽培方法にこだわった生産者の銘柄米を常時40種以上玄米で陳列、販売しています。
注文ごとに玄米を精米し、つきたてのお米を販売しています。
生産者と消費者を繋ぐ役割に
「安心・安全」という言葉は今から20年前に「食の安全」が問題視された時に社会的に大きなブームとなりました。そんな中で、有機農法など栽培方法にこだわった生産者を先代が見つけてきました。
しかし「安心・安全」なお米を生産者が作り続けていくには「安定」という、もう1つのキーワードが大事だということに基明さんは気がついたと言います。
いくら「安心・安全」なお米を作ってもそれを常に安定して販売することができなければ、生産者は米を作りすぎて売れ残り、結果薄利多売になって疲弊していく。
そういった負のスパイラルをなくすために、基明さんは「米びつ管理」というシステムを考えました。
40種ある銘柄の中から、お客さんの好みに合うお米を提案し、その産地銘柄のお米を年間で契約してしまうというもの。1日に消費する量から年間の量を算定し、それを定期的に配送するというシステム。
これによりお客さんは常に新鮮なお米を、同じ価格で、安定して購入することができます。
生産者は年間で販売できる量がわかっているので、作りすぎることも、売れ残ることもない。
まさに生産者にとっても消費者にとっても「安心・安全・安定」のシステムなんですね。
実際に東日本大震災の時も、米びつ管理しているお客さんは、いつものお米をいつもの価格でいつもの量安定して購入できたのだそうです。
1年契約といっても、1つの銘柄だけではなく何種類も指定することができるそうで、多い人は5種類くらいの銘柄を交互に配送している人もいるとか。
五つ星お米マイスターって何?
お米の博士号とも言える資格で、お米に関する専門職経験のある人のみに受験資格があり、お米に関する様々な知識や経験がないと取れません。
基明さんは船橋市で初めてこの5つ星お米マイスターの資格を取得しました。
この資格を取る前から、小学校にバケツ稲、稲刈り体験などの出張授業を行いお米のことを子供達に知ってもらう活動をしていたので、農林水産省の食育推進事業の一つとして行われた、全国の小学校にお米の出前授業をする事業のモデルとして牧野さんの意見やアイデアが参考にされたのだそうです。
ちなみにまきのでは、従業員全員お米マイスターの資格を持っているそうです。
美味しいお米の炊き方
さて、そんなお米のプロに是非とも聞いておきたいのが、美味しいお米の炊き方ですね。
皆さん刮目せよ!
①まず水を多めに張ってください(ミネラルウォーターならなお良い)
②張った水の中に計量カップで計ってお米を入れてください
③上部の水を捨てる(米の上1cmくらいの水量まで)
④20〜30回ほどさっと洗う(ゴシゴシしない!)
⑤白く濁った水の上から新しい水を足してすすぎ、水を流す
⑥⑤を残り2回くらい素早く行う(炊き上がりをすぐに食べない場合は+2回)
⑦水を全て捨てる
⑧水を吸ったお米をもう一度計量カップに入れて米の体積を計ります(2合なら2合+半くらいになっています)
⑨⑧で計ったお米の体積と同じ量の水を入れて炊きます。
*炊飯器の水量の目盛りを気にしない
どうですか?私は目からウロコというか初めて聞いた炊き方でした。
何故計量カップで洗ったお米を計るのか?
・実は計量カップの大きさというのは炊飯器によって微妙に違うのだそうです。
つまり今使っているカップが、古い炊飯器のカップだったり、無くなって買ってきたカップだと、炊飯器の水の目盛りと体積の量があっていない可能性がある。
・さらにお米の産地や銘柄によって、お米一粒の大きさが違うのだそうで、微妙な体積の差が出てくるのだとか。
いやあ深いですね。確かに私も家で使っている計量カップが、いつどこの炊飯器のものか不明です…
保管方法は?
昔の土間の台所のような涼しくて暗い場所があればいいですが、現在の住環境だと同等の場所はないので、ジップロックに入れて冷蔵庫で保管するのがベストだそうです。
生産者と消費者をつなぎ、安心安全なお米を安定して提供する。それがお米の消費拡大にも繋がっていく。
「商品をどう販売していくのか?」小さな頃からそれを商売を通じて考えてきたからこそ、生まれたアイデアなのだと思います。業種は違えども、物を販売するにあたっての考え方がとても素晴らしく勉強になりました。
(有)まきの
住所/船橋市本中山3丁目1−5
TEL/047-334-1915
営業時間/9:00〜20:00
定休日/日曜日
↓地図はこちら