蕎麦打ち歴40年の職人技が光る香り高き蕎麦と“そばがき”「手打ちそば あや竹」@白井
読者の方から情報提供がありました。
<情報>
国道16号線沿い、白井交差点近くにある蕎麦屋さん「あや竹」をお勧めします。蕎麦の風味をしっかりと感じられる美味しい本格的な手打ちそばです。“そばがき”もあるので蕎麦好きにはたまりません。
がじまるさん情報提供ありがとうございます。
皆さんも新店、閉店、気になるお店、オススメのお店、街の疑問などなどありましたら「情報提供フォーム」よりどしどしお寄せください!
16号線は日頃あまり通らないので情報助かります。メニューに“そばがき”もあるのは珍しいですね〜。蕎麦好きの私はワクワクしながら取材に行ってきたのでした。
お店の名前は「手打ちそば あや竹」です。
場所
国道16号線沿い、木下街道と交差する“白井交差点”から小室方面へ走るとすぐ左手にあります。

白井交差点方面から

小室方面から

「手打ちそば あや竹」外観

店舗前に駐車場6台あります
店内
店内は広々としていて、和の落ち着いた雰囲気。テーブル16席、小上がりのお座敷12席という構成。

店内(入り口側から)

店内(奥から)

小上がりのお座敷席
メニュー
メニューは手打ちそば、手打ちうどん、お通しというシンプルな構成。焼きのり、板わさ、玉子焼きでお酒をいただく粋な蕎麦屋飲みもできる、これぞ蕎麦屋という潔いメニューです。
せいろそばをいただく
ここは迷うことなく蕎麦をいただきましょう、ということで「せいろそば」を注文。調理風景を見せてもらいました。

毎日手打ちで仕込む蕎麦

店主の平井さん。流れるような職人技に思わず見とれてしまう
茹で時間は1分強と非常に短くあっという間です。北海道蘭越町産の蕎麦をお店で石臼で挽き蕎麦粉にします。割合は蕎麦粉10:つなぎ1=「外一(ソトイチ)」で、限りなく10割に近いため茹で時間も短めなのだそうです。
蕎麦はほんのり茶色みがかっていて、通常よりも若干太めに打たれています。
しっかりと感じる蕎麦粉の香り!口当たり、喉越しの滑らかさ!
一口目から蕎麦粉の香りがしっかりと口の中一杯に広がります。しかも口当たりがとっても滑らかでツルツルっとした喉越しの良い蕎麦なんです。これは水回しがしっかりできている職人技あってこそ。美味い蕎麦ってやっぱり食べた瞬間に本能的にわかるもので、全然違いますね。このクオリティでこのお値段はかなりリーズナブルだと思います。

蕎麦はお店で石臼で挽く
口当たりの滑らかさのもう一つのポイントは蕎麦の挽き方も関係しているそうで、粒子が細かいからこそ出せるのだと言います。石臼の回転速度、蕎麦の身を落とす量など微妙な調整をしながら挽いていくのだそうです。
また特筆すべきはそばつゆ。本節と荒節を約1kg使って出汁を取っているというツユは、そば湯を入れて飲むと花開くようにブワ〜っと鰹節の豊かな香りが広がります。しかし不思議なことに、蕎麦をつけて食べている時には鰹節の香りは前面には出ないで、蕎麦の風味を邪魔せず脇役として引き立てているという秀逸なそばつゆです。
そばがきも凄い!
あや竹にはメニューに“そばがき”があるんですね。店主の石井産曰く「蕎麦粉の味がダイレクトに出るからやっぱり自信がなければ出せないですよ」という自慢のそばがきもいただくことにします。

蕎麦粉を熱湯でこねていく
“そばがき”とは蕎麦粉を熱湯でこねて餅状にしたもので、蕎麦粉を使った原始的な料理です。江戸時代中期に麺状になった“蕎麦切り”が出る前には主流だった蕎麦料理です。なかなかこのそばがきが食べられるお店も少ないのであると思わず「おっ!そばがきだ」と蕎麦好きはテンションが上がるとか。

こね終わった塊を熱いうちに整形

茶巾で絞って、椀に入れて完成
蕎麦の香りがダイレクト!食感つるっつる!プリップリ!
まずはその食感にびっくりしました。そばがきってどうしても粉っぽかったりにちゃにちゃしているイメージがあったのですが、ツルツルプリプリの食感です。そして蕎麦の香りがせいろそばよりもさらにダイレクトに感じることができます。
このニシン強烈に美味いです!それもそのはず、大阪の老舗料亭の料理長から教わった炊き方で、正味5日間かけて手間暇かけてお店で炊いています。出来合いのものとは全然味が違います。正直こんなに美味しいニシンを食べたのは初めてでした。ニシンそばも必食ですね〜!
お店のこと
店主の平井さんにお話を伺いました。

店主の平井文男さん
あや竹は1991年10月にオープンして今年で28年になります。
当初は船橋そごう(ららぽーと)にオープンしましたが、2000年に白井に移転しました。
平井さんは流山の出身で高校卒業後に柏のトンカツ屋で働き始めます。実は当時東京都の水道局に就職が決まっていたのですが、親戚がやっていたトンカツ屋をアルバイトで手伝ったところ料理に目覚め、水道局を蹴って料理の道へ入りました。
トンカツ屋で10年働きましたが閉店に伴い、同じ商店街にあった柏の蕎麦屋「竹やぶ」に声をかけてもらい移りました。そこで蕎麦打ちのイロハを学び、やがて船橋そごうへ「竹やぶ」が出店することになり平井さんが船橋そごう店を切り盛りしました。10年勤めて「竹やぶ」が船橋そごうから撤退する時に、「あや竹」として独立しそのまま船橋そごうでお店を開くことになりました。
「トンカツ屋でバイトしていなければ今頃は公務員としての人生だったでしょうね。でもやっぱり料理は自分の性に合っていたと思います。蕎麦は竹やぶで教えてもらったことがベースになっています。蕎麦粉は色々な産地を試しながら今の蘭越町産の蕎麦粉に出会いました。これからも蕎麦を打ち続けていきたいです」と語ってくれた平井さん。
聞けばたまたま自動車の免許を取るために通った教習所が柏にあったことで、アルバイトを始めたのがきっかけだったそう。運命のイタズラかはたまた偶然か、いや考えてみればそれは必然だったのかもしれませんね。以降料理の道にはまり、そば打ちを続けて40年近く。そば打ちを、料理を心から楽しんでいるその笑顔がとても印象的でした。
まだ食べたことがないという人は是非一度食べに行ってみてはいかがでしょうか?
手打ちそば あや竹
住所/白井市復1457-2
TEL/047-492-6025
営業時間/11:00〜19:30
定休日/木曜
備考/P6台、禁煙
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