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2019-10-04

【塩尻あたり】料理人であり醸造家。2つの顔を持つ新進気鋭のワイナリー「いにしえの里葡萄酒」

というわけで始まりました出張企画「塩尻あたり」

What’s happen?という人はこちらをご覧ください。

 

塩尻にはワイナリーが数多くあります。創業100年を超える老舗もあれば、2015年にワイン特区に認定されたことで少量でもワイン製造ができるようになり新しいワイナリーも増えて来ています。

今回ご紹介するのはそんな新しいワイナリー「いにしえの里葡萄酒」です。

 

北小野という地域

「いにしえの里葡萄酒」外観

塩尻の市内から少し離れた北小野という地域にあります。多くのワイナリーが集まっている桔梗ヶ原地域に比べて、山の方にあり標高が高いのでぶどうの生育も2週間ほど遅いそうです。

民家が軒を連ねている中にワイナリーがあります。ワインレッドのお洒落な外観が目印です。

代表の稲垣さんは畑で作業中とのことで、ワイナリーの奥にある畑へ行ってみます。

ワイナリーの奥には畑が広がる

代表の稲垣雅洋さん

 

ワインとの出会い

稲垣さんは塩尻の出身で、この畑もご実家の畑で元々は蕎麦を栽培してたそうです。

高校を卒業して、上京し東京の調理師学校を出て飲食の道へ。都内のフレンチ、イタリアン、創作料理のお店などで働きました。

元々30歳くらいで地元に帰ろうと思っていた稲垣さんは、東京で10年働き、自分のお店を開くつもりで塩尻へ戻って来ます。

開店資金が足りなかったので、地元のハローワークへ行ってみると塩尻のワイナリー「信濃ワイン」収穫期のアルバイトを募集していました。考えてみれば自分の地元である塩尻はワインが有名ですが、どうやって作られているのか知らなかったので興味が湧き、アルバイトとして手伝うことになりました。

信濃ワインでは人出も足りなかったことも幸いして、ぶどうの収穫だけでなく、様々な作業を手伝わせてもらうことができました。そうしてワイン造りの奥深さに魅せられていきました。

さらにご縁があって、個人ワイナリーのパイオニア的な存在である「城戸ワイナリー」でも半年間ワイン造りに携わらせてもらうことができました。そこでは大きなワイナリーとは違い、個人で小さな場所だからこそ作れるワインがあるのだということを学びました。

こうして塩尻には大小様々なワイナリーがあり、それぞれ想いを込めてワインを作っている事を知りますが、そのワインが飲める飲食店が当時はまだほとんどありませんでした。

 

ブラッスリーのでvinをオープン

元々お店をやるために帰ってきた稲垣さん。「塩尻のワインをもっと多くの人に飲んでもらいたい」と2006年3月にブラッスリー ので ヴァンをオープンしました。

店名はブラッスリー=フランスの酒場、ヴァン(Vin)=ワインで、「ワイン酒場の出番(のでvin)」という意味が込められているそうです。

ブラッスリーのでヴァン店内

メニューは仕入れによって変わります。ワインにあう料理がメイン

魚介系は松本の魚屋へ仕入れに、野菜はもちろん地元産。東京で10年間腕を磨いてきた稲垣さんの作る料理はすぐに評判となりました。地元の人のみならず遠方からもお客さんが詰めかけるお店になりました。

自家製ふわふわレバームース

鳥レバーを使ったムース。これ絶品でした!

 

いにしえの里葡萄酒をオープン

ブラッスリーのでヴァンも軌道に乗り、やはりどうしても自分のワインが作りたくなった稲垣さんは2016年にワイナリー「いにしえの里葡萄酒」をオープンしました。

畑の広さは6反。約6000本のワインができるそうです

現在栽培している品種は8種類、中でもやはりメルローはここ塩尻の気候に合っているそうで、安定感とバランスが良く一番収穫量も多いと言います。

6反とはいえこの広さを一人で管理するのはかなりの労力では?と聞くと

「畑を徹底的に管理して、手をかけた分に比例してぶどうの味も良くなり、ワインの味も良くなるんです。だからワインって面白いんですよね。本当にワインは農業だと思います」と語る稲垣さん。

実際取材時の作業も、日光を遮る余分な葉を切ったり、実のダメな部分をとったりとても地道な作業でした。この手間がワインの味にダイレクトに出るからこそ、情熱をかけれるのでしょうね。

発酵中の白ワイン

樽に使われる木も色々な種類があり、毎年試行錯誤しているという

いにしえの里葡萄酒のワインは会員への直売、契約酒屋での販売、そしてブラッスリーのでヴァンでも稲垣さんの作る料理とともに味わえます。

いにしえの里インスパイア(北小野)シャルドネ2018

信州サーモンの香草マリネサラダと一緒にいただきました

「料理はずっとやってきたので仕込みや運営は慣れてますけど、ワイナリーの方はまだ始めたばかりで日々勉強ですね。でも自分で作ったワインと、自分で作った料理を合わせて提供できるのは僕にしかできないことなので、そのメリットを生かしながら今後も両方頑張っていきたいですね」と最後に語ってくれた稲垣さん。

かたや料理人として仕込みをし、お店に立ち調理をし、かたや醸造家として畑の手入れにワインの醸造まで、まさに一人二役を楽しそうにこなしている姿はとても輝いていました。そんな稲垣さんに憧れて、新しくワイナリーや飲食店を始める人が今後も増えていくのではないでしょうか。

 

いにしえの里葡萄酒のワインも飲める!

 

今回ご紹介した「いにしえの里葡萄酒」のワインも今回の塩尻ワインイベント「SHIOJIRI GRAND WINE PARTY 2019」で飲むことができます!

他にも15ワイナリー+1高校、約90種のワインを一度に味わえるので、是非会場へ足を運んでみてはいかがでしょうか?

「SHIOJIRI GRAND WINE PARTY 2019」公式サイト

 

いにしえの里葡萄酒

住所/塩尻市大字北小野2954

公式Facebookページ

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ブラッスリー ので ヴァン

住所/長野県塩尻市大門8番町9-39 田中ビル2F

TEL/0263-53-8780

営業時間/18:00〜深夜

定休日/水曜

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