あたり座談会〜第4回〜【鎌ケ谷・船橋で音楽に関係する人々座談会<完全版>】
(インタビュアー:榎本美紅)
〜皆さんはじめましてということで、まずは自己紹介とそれぞれの活動を教えてください。
ヒトヨシノビタ(以下ヒ):鎌ケ谷で音楽教室をしていますヒトヨシノビタです。ピアノとボイストレーニングを教えて、街の寺子屋のような教室を目指しています。また、昔はNHKの「ハッチポッチステーション」の曲を作っていました。
河内夏美(以下夏):鎌ケ谷市出身の河内夏美です。声楽をやっており、クラシックを専門に勉強しております。自分の活動以外にも子どもたちに楽しんでもらえるように「親子でオペラに親しむ会」を主催しております。子どもたちにも参加してもらって一緒にオペラのステージを作っています。
小松優一(以下優):船橋市出身の小松優一です。シンガーソングライターです。昔はメジャーデビューをして映画の主題歌を歌ったりもしていました。今は千葉や船橋でボイストレーナーや、サポート校で音楽講師をしていたり、市民ミュージカルの音楽監督などもしています。また船橋のミュージックストリートというイベントの実行委員長をしています。
夏:私、出たことありますよ。
優:おー!ありがとうございます!
〜皆さんは音楽活動を通じて「嬉しい、気持ちがいい」と思うのはどんなときですか?
ヒ:そうですね、昔と今では変わりましたね。昔は自分が主に音楽をしていたのですが、今は教える立場になり、生徒が変わっていくのがとても嬉しく感じますね。
優:それ分かります!昔は出したい音が出せた時とか、作りたい曲が作れた時が快感でしたが、今はこの人がこの歌を歌ったらどうなるかなぁ?と考えて実際に歌ってもらい自分の想像を超えていたりすると、昔とは全く違う快感があります。エネルギーが重なり合った時って凄いですよね。
夏:私は今でも歌う側なのですが、子どもたちが初めて聞くクラシック体験が自分だと思うと、とても感動しますね。
優:子供たちがオペラを聞いたときってどんな反応なのですか?
夏:いきなり『Ah—』って歌いだすので、そりゃもうビックリですよね。泣き出す子もいます(笑)
(一同爆笑)
夏:でも、最終的には一緒に手拍子したり、歌ったり。帰るときには皆『Ah—』って真似して歌っているんですよ。これは凄く嬉しいですよね。
優:いいですね〜!
夏:将来音楽を目指す子と一緒にステージを踏める機会が増えてきたのですが、段取りで動くのではなく、気持ちで動くということがわかってきた子どもを見ると嬉しいですね。
他にも嬉しい事は沢山ありますよ。例えば自分の歌を聞いて子どもたちが将来音楽やりたいと言ってくれた時や、私がイタリアから帰ってきた時に発音がキレイになったと違いを分かってもらえた時とかetc…
優:そうですよね。音楽をやっていると、嬉しいことだらけなので、1つに絞れないですよね!その都度その瞬間、「嬉しい」を感じているんです。もちろん、つらい壁を超えることにより感じる嬉しさもありますけどね。
〜なるほど楽しいこともつらいことも含めて「嬉しさ」がたくさんある音楽って本当に素晴らしいですね。音楽を仕事にしている皆さまですが、日常は音楽に溢れているのでしょうか?それとも仕事で音楽が溢れているので、あえて無音を好むとかありますか?
優:鳥のさえずりがリズムになって聞こえたり、葉っぱのカサカサがシェイカーに聞こえたり、足音とか…勝手に1人でミュージカルしている(笑)子どものころからそんな感じでした。
夏:私は歌詞ありきの音楽なので、言葉の大切さが音楽には欠かせないなと日々思います。だから音も大事ですが言葉にも特に注目しますね。春夏秋冬とか季節の移り変わりとか、たまらないですよね。ほんとにもう素晴らしすぎて。
〜音楽を仕事にするには、国語の勉強も必要なのですね。
夏:いや、逆に音楽をしていることで言葉が好きになるのだと思いますよ。
〜ヒトヨシノビタさんはいかがでしょうか?
ヒ:締め切りがある仕事ばかりしていた頃に比べたら、今は余裕が生まれて音楽を聞くようになりました。こういった音楽を作って欲しいって言われて、打ち込んで形にして、を繰り返して音を聞くのが怖くなった時期もありました。4日間に150曲とか作っていたので、聞く余裕もなかったですね。
優・夏:ええ〜!150曲…!
ヒ:4日間寝ないとかざらにありました。もう職人の世界ですよね(笑)だから今は自分の作りたい音が作れることに幸せを感じます。
夏:音楽を作り出す側の人は大変ですよね。私は歌う側ですが、なるべくノンキにするようにしています。
優:ノンキにするために努力をしているってことですか?
夏:そうですね、美味しいものを食べるとか旅行に行くとか。旅行から帰ってくると、歌も変わったりしますよ。
優:いいですね〜。
〜今日は新鎌ケ谷にある素敵なライブハウスでの座談会なのですが、皆さんは普段どのようなところで活動されているのでしょうか?
ヒ:昔は都内で主に活動していましたが、鎌ケ谷で教室を開いてからは周辺のライブハウスにも行きますね。オープンマイクにも参加しました!
〜えー!NHKなどで活躍されていた方がオープンマイクに参加されるのですか!
ヒ:はい。交流目的もありますし、とても楽しいですよ。
夏:私は基本的に生歌なので、ホールやホテル、教会などが多いです。
優:僕はライブハウスや路上ばかりでしたね。いろいろな音楽に触れたくてライブハウスで働いたこともありました。
〜皆さん音楽を通じて地域活動もされていますが、地域活動を始めたキッカケを教えてください
ヒ:船橋や柏、松戸、市川など周辺の地域は素晴らしいミュージシャンがいて、音楽のイベントもあったり、音を聞く機会が多いんですよね。鎌ヶ谷の人たちにももっと音楽に触れてほしいし、もっともっと聞いてほしいんです。都内で音楽をやっていたから、鎌ケ谷との違いに驚きました。そういったことがキッカケで「鎌ケ谷を音楽の街に」という想いが強くなりました。
夏:私は鎌ケ谷でオペラをやっているのを見たことがなくて、ならば私がやっちゃおう!と始めました。東武学習センターレインボーホールで「椿姫」を日本語にアレンジして、オペラに触れたことがない人でも分かりやすくしてやってみました。その時にとても喜んでくださる方が多くて、あぁ鎌ケ谷でもオペラを見たい人がいるのだなーと実感しました。私は「鎌ヶ谷で文化の風を吹かせたい」です。
優:すごいですねー!最初に始めるって大変なことですよね。
夏:やっているうちに少しずつ認めていただいて、今はきらり市民会館の事業として子どもたちと一緒に作ることもできるようになりました。
優:僕は自分が生まれ育っている地元だからっていうのが、一番大きなキッカケですね。僕自身が路上LIVEから始まったのですが、最近は路上で歌うのがNG…では夢をもった子たちはどうしたらいいのでしょう?と行政の方に話をしたら、公認の路上LIVEスペースを作ってくれました。でも時間も場所も決められている…もっともっと街が音楽で溢れてほしいなって思ったら、どんどん欲がでてきて、結局街ぐるみの音楽イベントを作ってしまいました(笑)
昔は路上でいろいろな人に聞いてもらうことで勉強にもなるし、自分のファンとして応援してくれる人と出会えて、それからライブハウスとかに歌いに行ったのですが、今はなかなかそういった出会いの場所も少ないですよね。自分が教えている生徒たちが活躍できる場所がたくさんできてほしいなぁと思いますね。
〜そういった場所がたくさんできるといいですね。街全体で取り組むには地域の方はもちろん、行政や民間企業と協力することも大切ですよね。最後に皆様の今後の野望というか、やりたいことがあれば教えてください。
ヒ:鎌ケ谷の歌を作る!今は鎌ケ谷大仏の歌は作りましたが、なんだかとってもコメディちっくになってしまっています(笑)
一同:いいじゃないですかー!楽しい曲!聞きたいー!
ヒ:みんなが知っている鎌ケ谷の歌を作って、全国的にその歌で鎌ケ谷を有名にしたいです。
〜楽しみです!ぜひ鎌ケ谷の曲を作って鎌ケ谷をアピールしましょう!
優:僕は船橋が音楽の登竜門の街にしたいです。音楽をやるなら船橋で!みたいな。
ヒ:うわー!いいなぁそれ!
優:やりましょうよー!船橋も鎌ケ谷も音楽の街に!口に出していたら叶うから!
夏:ホントですね。口に出したら叶いますよね。私は気軽に音楽を聴きにいける場所がほしいです。お母さんってコンサートとか気軽に行けなかったりするんですよ。小学生以下は入れなかったり。子育て中の人も子どもと気軽に聴ける場所がいっぱいできてきれたらいいなって思います。子どもの頃ってどんな音楽も受け入れるんですよね。たくさんの音楽に子どもの頃からたくさん触れてほしいです。学校、保育園、幼稚園でオペラを日常で聞けるような場所がほしいです。
〜今日はたくさんお話しを聞かせていただきまして、ありがとうございました。街を音楽で溢れさせて、世代や地域を超えた交流を期待しています。
取材場所
MT Millys
住所/鎌ケ谷市新鎌ケ谷1-16-1 MoisTour2F
TEL/047-401-6605
HP/http://www.mumill.com/mtmillys/
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