壮大な北の大地が変えた人生!札幌の空まで届け!!松戸の花風!「札幌味噌らーめん 風」
いきなりですが、ラーメン好きですか???
かれこれ2年の付き合いになる編集長が不意に「イチバさんは何でマッスルラーメンレポを書こうと思ったのですか?」と言う。
ただの(?)自称日本一ラーメンを食べているアスリート(自分調べ)だった一場治之進がマッスルラーメンレポを書こうと思った理由・・・。あるお店の店主と知り合って「ラーメン屋さんってドラマがあるんだ~」と思ったのがきっかけだったんですね。
場所
2020年7月・・・イチバはJR常磐線・新京成電鉄の松戸駅西口にいました。・・え?もはや「鎌ケ谷・船橋あたり」じゃないって???まぁ、そこは大目にマッスルしてください。
松戸駅西口から約300ⅿの場所に味噌ラーメン専門店「風」はあります。
店内
店内はカウンターのみ5席(通常6席)で、厨房と席が近いのが特徴です。
するとすかさず、店主の安本さんが厨房から出てきて・・・
「あっ!イチバさんお久しぶり!新しく作った”昆布水つけ麺 黒味噌”も食べてみてよ!」
W完決定!!!
調理
店主の安本さんにお願いして調理を見学させて頂きました。
実は、このお店の調理・・・・札幌を代表する味噌ラーメンの特殊技術が詰まっているので見せては頂きましたが全部は書く事は出来ません(残念!!)
「スープのベースはゲンコツと野菜(玉葱・長葱・生姜・ニンニク)を6時間ほど煮込んで出来ます。味噌は北海道産の味噌だけど、銘柄は秘密(笑)。札幌のある有名店と同じのを使っているんだ。」
実食
スープは一口目に強烈なインパクトを感じます。香ばしい味噌の香り・・・初めて食べた人は間違いなく唸る極上スープですね。もう、何回も食べたイチバですら「やっぱり美味い!!」と唸ります。味噌ラーメンの概念を覆させる焼けた味噌の香ばしさ・・・この技術があるからこそ札幌は味噌ラーメン王国なのです。
麺はカネジン食品の加水率高めの中縮れで、黄色がかった・・所謂「札幌麺」ですね。ややパキパキした食感もスープに合います。これぞ「札幌系」とも言える麺で、美味しいですね。時間が経っても伸び辛いのも特徴です。
具はバラチャーシュー・味玉半分・メンマ・葱で、特にバラチャーシューの肉質が良いですね。口の中でトロけます!!!
札幌系の中でもある系統だけが使う技術の味噌ラーメンで、何度食べても美味しいですね。何でこんな味が出せるんだろう??って思ってしまいます。
「昆布水つけ麺 黒味噌」は、昆布出汁の冷たい水の中に泳ぐ京都の「麺屋棣鄂(ていがく)」 の中細ストレート麺と、イカ墨の香りが上品に効いた味噌のタレが絡みます。
これは完全に安本さんのオリジナルレシピで、かなりの完成度ですね!!極上です!!
お店のこと
店主の安本さんにお話を伺いました。
安本さんは東京都東久留米市出身で、中学以降は茨城県取手市に引っ越したそうです。高校卒業後に建築関係の仕事に就きました。
「18歳の時に就職して東京都の北区に引っ越しました。25歳の時に会社に異動願を出して、札幌に行く事になりました。異動願を出したのはバイクが好きで、北海道が好きだったから(笑)。そこで札幌のラーメン屋”空”の高田社長に出会ったんですよ。それからラーメンに興味を持って、食べ歩くようになりましたね。」安本さんが言います。
「ラーメン空」と言えば本店は”すすきの”で、新千歳空港や札幌駅のラーメン集合施設・・さらにはラスベガスにも出店している札幌を代表するお店です。
「41歳で仕事を辞めてね。それからバイクで北海道1週して、自転車で日本縦断しました。最後は海外(アメリカ)も旅して回りました。流浪の旅を終えた後に、再び”空”の高田社長に会って、お願いして”空”に修行に入ることになりました。」
でも、飲食店経験なくて大変じゃなかったのですか??
「サラリーマンだったし、家で料理なんてほとんどしてこなかったからもちろん大変でしたよ(笑)。最初は葱切りから始まって、よく手を切りました。キツかったけど、”この野郎!!意地でもやってやるぞ!”って思いましたね。」
空や同僚の店の手伝いを行う事5年程・・・安本さんは「あの」スープの技術を覚えたと言います。
「味噌を焼くのは“センス”なんですよ。調理の技術はあっても“センス”がないと出来ないんですね。同僚で一緒に働いていたカナダ人はセンスがあってすぐに技術を習得してました。彼は今将来カナダ自分のお店を開くために、オランダのラーメン店で頑張っていますよ。」
センスとは具体的にどんな事なんでしょうか?
「味噌は発酵食品だから状態が常に一定じゃなく、変化しているんです。その時の味噌の状態によって焼き具合を変えないといけない。これが味噌を扱う難しさであり、センスが問われる部分。お店に来たら味噌の状態を見るんだけど・・”面倒臭い状態”ってあるんだよね。その辺の見極めが出来ないと味噌は焼けないんです。」
修行を終えて、2年間は独立の為の店舗探しを行っていたそうです。
「地元の茨城より千葉の方が人が多いと思って常磐線沿線の松戸に店を見つけられたんです。それで、2017年6月にオープンしました。オープン数日後に札幌の”空”で食べてきたばかりという人が店に来たのはビックリしました(笑)」
それがイチバでした。
札幌の「空」に感動したイチバが千葉県に戻ってきて、「空」出身のお店が松戸に出来たと聞くやいなや・・すでに車を松戸に向けて走らせていました。そして、数日前に食べた「空」の味がそのまま松戸の地で食べられた時は感動しました。
そう言えば・・・初めて聞きますが店名の由来は??
「やっぱり”空”に似た漢字にしたかったんだよね。漢字1文字で・・・それで”翼”か”風”かで悩んで”風”にね。”空”が好きなんだよね・・今があるのも”空”のおかげだから。」
2017年にオープンして約3年・・・オープンしてからはどうでした??
「大変だったよ・・・色々な事あったし最初の1年は長く感じたなぁ~。1年経つと当たり前の生活・・でも、毎日が試行錯誤だし・・結局は周りのお陰だよね。メニューも”昆布水”は同業の店主からヒントもらったし、”黒味噌”は頑張ってくれていたパートさんが考えてくれたんだ。とても感謝しているよ。」
オープンしてからは「ラーメン界のミシュラン」とも比喩される「2017-18 東京ラーメン オブ・ザ・イヤー(通称:TRY)」で「味噌部門の新人賞2位」を取得する快挙を成し遂げました。その頃より更に磨きがかかった味噌ラーメン・・・一気に首都圏で知名度が上がりました。
今後も目が離せない味噌の名店!!!!また来ます!!!
風
住所/松戸市根本6-4
営業時間/11:30~14:30(LO14:00) 18:00~21:30(LO21:00)
定休日/月曜
↓地図はこちら
ラストマッスルコメント
今回の記事をもちまして、鎌ケ谷船橋あたりでの「マッスルラーメンレポ」は終了となります。
2017年の7月から連載を開始して2年間、65回も続けてこれたのは、取材にご協力いただいたお店の方々、そして読者の皆さんのおかげです。
改めてこの場を借りてお礼申し上げます。
本当にありがとうございました。
マッスルラーメンレポの連載は一旦終わりますが、イチバはこれからも変わらずラーメン屋さんの券売機で迷っていると思います。もしそんな優柔不断なマッスルを見かけたら「左上の法則だろ!」って気軽に声かけて下さい!
丼の数だけ笑顔がある!
丼の種類だけドラマがある!!
またいつかお会いしましょう!!!