巨大建造物「船橋高架水槽」のこと
船橋市行田。
行田と言えば無線電信所跡が残る円形の道路が有名だが、その道路を走っていると突如として現れる巨大な建造物をご存知でしょうか?
巨大な円筒形の構造物のまわりを取り囲むように神殿を彷彿とさせる支柱が立ち並び、あたかも宇宙から飛来したUFO、または空想特撮シリーズに出てくる怪獣、あるいはロボットのような、そんな圧倒的なスケールで目の前に現れる(少々大げさですかね…)
それが「船橋高架水槽」です。
そもそも高架水槽って何だか知ってますか?
一言でいうと巨大なタンクです。我々の日々の暮らしに欠かせないお水は、川→浄水場→給水場→家庭へと地面の下にある水道管を通して配水されています。
現在は給水場から直接ポンプ制御で配水されるケースが多いですが、昔はポンプの制御技術が発達していなかったので、大量の水を使うエリアに安定的に配水するために水をためておける大きなタンクが必要でした。それが高架水槽なのです。ポンプの技術が発展した現在でも、停電時には貯水しているタンクから自然に配水ができ、非常時のメリットもあるので現在も稼働しています。
船橋高架水槽について
昭和36年に建設され、貯水量は当時の船橋市の配水量の約3時間分である5000㎥となりました(タンク内径は直径28.2m×高さ31m)。上部タンクを支える16本の柱は支柱で水は流れていません。水は中央の太い柱内部を流れています。ここから配水されるエリアは国道14号線から海側の船橋市〜市川市の市川インターあたりまでに地域になります(二子町、湊町、原木、田尻など)。
てっきり行田の水を配水しているのかと思ったのですが、船橋市役所の方だったのですね。
他にもある!高架水槽のデザイン多様性
船橋高架水槽はその圧倒的な大きさとデザインで全国的にも珍しく、高架水槽マニアが地方から写真を撮りにくることもあるそうです。
気になって近隣の高架水槽を色々調べていると色々な形の高架水槽がある事がわかりました。
いくつかご紹介していきます。
坂月高架水槽
特撮ヒーロー作品に出てきそうな風景
北習志野高架水槽
巨大なタコのよう
白井高架水槽
螺旋階段が地中に刺さるドリルに見える
千葉高架水槽
平成19年に登録有形文化財に登録された。
北総複合調圧水槽
巨大エリンギ?
栗山配水塔
さながら教会のよう
羽鳥調圧塔
山奥に現れた巨大ロボットのよう(工業用水道施設です)
全国には大小様々な高架水槽があるので、お出かけの際に少し意識していると見つけられますよ。
コメント2件
昭和50年代の話です。
行田団地付近に円盤形の高架水槽(坂月高架水槽をスリムにしたような形)を見かけたのですが、現在は無いようです。
どなたか詳細ご存知ありませんか?
随分、大昔から行田の高架水道施設はあったような気がしてました。
昭和36年建設なら思ったよりも新しいなぁ。施設のすぐ脇に小さなおやしろがあり周囲を何本かの大木で囲まれてます。
水道とブロッコリー型の巨木、このふたつのセットは以前は相当遠方からも見えましたし、遠くの人たちも案外と知ってました。市役所のロビーでやってた船橋の昔の写真展に、この施設の写真があって、年配の男性が見学していました。
ご存知か聞いてみたところ「八坂神社」のお祭りによく行ったから知ってる、との事でした。
現在では水道施設はマンション群に埋没しようとしてます。