「今昔物語」鎌ケ谷 〜精工舎通り〜
本誌人気連載コーナーの「今昔物語」〜鎌ケ谷・船橋・白井の写真で見るいまむかし〜バックナンバーから、鎌ケ谷の「精工舎通り」についてご紹介します。
鎌ケ谷駅西口を出て右手に進み、かのこや薬局の曲がり角を左折した所から、東中沢へと伸びる道を「精工舎通り」という。呼ばれているだけではなくて、実際に東中沢側の交差点の信号には「精工舎通り入口」と表記もされている。
精工舎でピンと来る人は、時計好きの方でしょう。そう精工舎はセイコー(SEIKO)の昔の社名です。
しかしこの道沿いにはセイコー関連のお店や会社は無く謎は深まります…という訳で調べてみました。
ご存知の方も多いかとは思いますが、その昔、第二精工舎 鎌ケ谷工場がこの地にありました。
昭和32年4月に第二精工舎(現セイコーインスツル株式会社)の鎌ケ谷工場が東中沢2丁目に設立されました。
精工舎(現セイコークロック株式会社、セイコープレシジョン株式会社)がクロック=掛時計を作っていたのに対し、第二精工舎はウオッチ=腕時計を作っていました。
腕時計の需要拡大に伴い、鎌ケ谷の他にも近隣の松戸市高塚、市川市大野にも工場が建ち大量生産に応えられる生産体制を確立していきました。
昔の写真と今の写真を見比べてみましょう。
昭和45年のもので工場開設から13年経っていますが、道の両脇にはまだ水田が残っておりのどかな風景が広がります。坂を降りて少し上った右手に第二精工舎鎌ケ谷工場がありました。
この道の形状は今も変わっていないですね。当時本社勤務だった方のお話でも「鎌ケ谷駅から工場へ歩いて行く道で長い下り坂が印象に残っている」とのことです。
工場の敷地はとても広く、グラウンドや保養所もあり、社内の事業で野球大会等も開催されたそうです。
鎌ケ谷工場は平成3年12月に閉鎖され、現在跡地には「パークサイド鎌ケ谷」というマンション群が建っています。
パークサイド鎌ケ谷の広さから、当時の第二精工舎鎌ケ谷工場の広大さを感じる事が出来ますね。
今回の事を調べるにあたり、セイコーミュージアム様に取材をさせていただき色々お話を聞きました。
鎌ケ谷工場の事を知る上で、セイコーの歴史を教えていただき、その歴史の深さに時計好きの筆者としてはとても興奮しました。
時計そのものの歴史も学べるので、お子さまと一緒に行くのもオススメです。
興味のある方は是非一度セイコーミュージアムへ足を運んでみてはいかがでしょうか?
*見学は事前予約制です。詳しくはホームページよりご確認ください。
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