築地魚河岸出身が手掛ける鶏100%の純鶏スープ!?五香駅前の「魚魚Dining」
自称日本一ラーメンを食べているアスリート(自分調べ)こと一場治之進です。
そろそろ忘年会シーズンに突入ですね!
忘年会と言えば「〆のラーメン」!!私はラーメン屋をハシゴして、最後に〆のラーメンを食べる年末を過ごしています・・・今回は、そんな忘年会にもピッタリな、極上のラーメン屋に来てみました。
場所
新京成電鉄「五香駅」の改札を出て左の東口の階段を下りて100m程直進した右側にお店はあります。ラーメン屋ではなく、いわゆる「居酒屋」です。以前ここは月形の「むつみ屋」・香月系の涌井出身の「めんや れれ」とラーメン屋が続いていた店舗ですね。
のぼり旗には「ラーメン」と書かれています。実はラーメン専門店以外で出すラーメンはラーメンフリークに発掘されていない事が多いんです。
そんなニッチな所にも常にアンテナを張っているイチバが発見したこのお店。
果たしてどんなラーメンをだすのか・・・・期待で広背筋がコンセントリック収縮します。
店内・メニュー
店内は座敷4席×3・カウンター10席の計23席です。和風の落ち着いた雰囲気で、ゆっくりとお酒が飲めそうですね。
居酒屋担当の伊從編集長曰く、「このメニューを見れば、まず鮮魚へのこだわりと自信が伺えます。真ハタ、アオリイカ、一本釣りの真鯵など釣り人の立場から見ても“ほほう”と唸るポイントが多々あります。家に近くにあったら間違いなく常連になっていますね」と熱く語ってくれた。
「ラーメンは15杯限定なんですね!!伊東さん・・まだ残っていますか??」
「安心してください!ありますよ!」と店主の伊東さんの言葉に“とにかくラーメン食べたい一場”は安心して、悩みまくりながらもオススメの「鶏塩そば」を注文しました。
調理
店主の伊東さんに頼んで「鶏塩そば」の調理を見学させて頂きました。
「塩ダレのベースはアンデスのピンク岩塩に昆布・鰹です。スープの出汁は鶏ガラ100%で少量ずつ継ぎ足しながら作っています。居酒屋なので他のメニューの仕込みを行いながら、随時煮込んでいる感じですね。ちなみにこのスープはお店のメニューの”無限豆腐”でも使います。」
「店内のメニューには魚系が多いと思いましたが、魚介系のスープは考えなかったんですか??」と伺うと
「考えなかったなぁ~笑。元々、両国にあるラーメン屋の”まる玉”が好きだったんだよね。だからラーメンやるときも鶏しか浮かばなかった。でもお店で出す“鍋”は鯛やクエで出汁とったりしますね。」
「まる玉」と言えば両国の鶏白湯のお店で、首都圏における鶏白湯系の先駆けのお店ですね。その味に惚れ込んで週5ペースで通っていたこともあったそうです。それにしても鯛やクエと言う高級魚で出汁をとる鍋・・・・美味そうですね〜。
とても落ち着いた丁寧で無駄のない調理姿に経験値の高さを感じました。
実食
いや~美しいビジュアルですね。すでにラーメン専門店顔負けです。
黄金色のスープの中に緑と赤が映えまさに芸術。この時点で相当なセンスを感じます。
スープは一口目に鶏油と鶏のピュアな旨味が一気に口の中に広がり、驚きました。所謂「白湯」と「清湯」の中間ではありますが、味や口当たりもその中間を上手く走っています。「どっちつかず」と言うより「いいとこどり」な印象。
はっきり言ってうまいです。
100%ピュアな鶏スープだから出る純粋なコクと旨味と甘みは中毒性がありますね。あおさが溶け出しているのもスープに合います。
麺は大正10年創業の老舗で神奈川県横浜市にある八角製麺の加水率高めの中縮れを使用しています。
ズルズルとすする口当たりとプリプリ食感が好印象。また、茹で加減が丁度良くスープの持ち上げも良いのが特徴ですね。鶏油と鶏スープをしっかりと絡め上げます。
具はスープに馴染む物は最初からスープの上に、スープの温度を下げてしまう物は別皿に盛られています。もっとも一緒に盛りつけもOKだそうですが。別皿の具はメンマ・味玉・低温調理チャーシュー・キクラゲと、他店で言えば特製(トッピング全乗せ)に相当するこの内容で¥790は奇跡と言えます。
味の染みている味玉も黄身がトロッとしていて極上ですし、低温調理チャーシューは口の中に入れた瞬間に肉の旨味がジュワっと広がります。これは旨い!!キクラゲやメンマも箸休めとして良い仕事をしています。
「これ(別皿の具)をつまみながら飲む人もいるんですよ」と伊東さん。確かに、別皿ならばおつまみにも出来ますね。まさに居酒屋らしいスタイルです。ラーメンの新たな楽しみ方を聞いた気がしました。
伊東さんの不意打ちに舌鼓
編集長と二人で鶏塩そばに満足していると・・・
「よかったら味噌も味見てください!」と伊東さんのご厚意でW完決定!(大感謝)
味噌は京都の合わせ味噌を使用し、マー油(焦がしニンニク油)をかけた逸品。味噌のガツンな風味を楽しめますね。
先程は出汁と油の鶏が主役でしたが、こちらは味噌が主役になっています。同じ出汁でも全く印象が違うのが分かります。もちろんこちらもハイレベルです。
旨過ぎて気づいたらW汁完!!!こんな〆のラーメンは贅沢すぎる!!
お店のこと
店主の伊東さんにお話をお伺いしました。
伊東さんは生まれも育ちも松戸市で、ここ五香が実家だったそうです。
高校は流山で、その後にスポーツの専門学校に進学しましました。
スポーツの専門学校と言えば、イチバも通っていたのでまさかと思って聞いて見たら・・・なんと!イチバの2年先輩でした(汗)
スポーツ専門学校を卒業した伊東さん。しかしスポーツ系の仕事には進みませんでした。
「スポーツで食べていくのは難しいかな~と思って、違う業種を目指したんですよ。まずは親の家業の手伝いで電気工事の職人を3年間。家業が軌道に乗ったから、24歳の時にやりたかった和食の飲食業に就いたんです。弁当屋の日本亭が母体の創作和食のお店です。今はありませんが、亀有と柏の店舗に4~5年いました。」
この頃から和食での独立のビジョンが見え始めてきたと言われました。
「そのうちに自分でお店をやりたいと思うようになって。まずは仕入れと目利きを覚えなきゃダメだと思って、日本一の市場である築地の仲卸に飛び込んだんですよ。」
「1~2年ぐらいで仕事を覚えられると思っていたら・・とんでもない!!1~2年じゃ何も覚えられなかったです。築地ではマグロを”大物業界”と言って、他はどんなに大きい魚でも全て”小物業界”って呼ぶんです。マグロの競りは花形です。マグロは尾の切り口と、エラの内側の2箇所でしか身質を確認できないんです。例えば尾の切り口に1mmにも満たない小さな点があると、捌いた時に身に血線がブワッと広がって売り物にならないなんてこともある。」
「その目利きはやはり会社によってエースとかいるんですか??」と伺うと
「やっぱり親方は凄かったですね。マグロをノコで切っている時の音で脂のりが分かるんです。水っぽいとか脂が噛んでいるとかね。でもどんなに目が肥えた人でも間違えたりすることはあります。だから”マグロはギャンブル”と呼ばれていて、みんな真剣勝負ですよ。んで競りから出荷までがスピード勝負。なんせ出荷時間に遅れたら大変だからね。ピリピリした雰囲気なのはそのせいもあるよね」
日本中で釣れた魚は一度築地に集まり再び各地へ配送されていく。その物量たるや想像を絶するものがあるだろう。職人と言うより達人の戦いの場ですね。
「始めはキツかったですね。朝2時に出て、帰ってくるのは20時過ぎ。冷凍マグロは重いし力仕事ですよ。マグロの身も細かく部位が分かれていて、”背の上(背中の上の方のブロック)持ってこい!”って言われても最初はわかりませんでした。切った冷凍マグロなんて全部同じ“積み木”にしか見えませんでした(笑)。結局部位が見てわかるようになったのは5年勤めてやっとでしたね。おかげで今では解凍したマグロはどこの部位で何日目の物かは分かるようになりました。」
こうして、築地で5年間の経験を経て2011年8月8日に五香駅前に「魚魚Dining」をオープン。すでに9年目を迎えています。
「ラーメンは元々好きだったんです。2年ぐらい前に“外に食べにいくより、自分好みのラーメンを作ってみよう”と思ってはじめました。作り方は完全に独学です。私好みの味に仕上がったなと自分では満足しています。飲んだ後の〆ラーメンとしても好評ですが、ラーメンだけ食べに来る人もいますよ。それはそれで嬉しいですね。」
もちろんラーメンだけのお客さんも大歓迎とのことでした。
ちなみにメニューではマグロは乗せていませんが、刺盛りにはマグロが入っています。築地で鍛えた目利きのマグロもぜひ食べてみたいところですね。
マッスルコメント
マグロのように、イチバも動き続けマッスル!!
魚魚Dining
住所/松戸市金ケ作408-381
TEL/047-385-3030
営業時間/18:00~24:00(昼営業は2019年11月現在休止中)
定休日/日曜(祝日は要問合せ)
備考/Pなし、
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