なんだろう? 船橋港にある謎の水車
先日、船橋港にある直売所「三番瀬みなとや」に行った時のこと。
お店の隣のスペースに、水車のようなものが置かれていました。
いつ行ってもこの状態で、何か作業をしているのも見たことがないです。
一体何をする道具なのでしょうか? というわけで早速調べて見ました。
「海苔の種付け作業」に使う機械だった
ところで、皆さんは海苔ってどうやって作るか知ってますか?
古くは流木や岩など天然に生えていたものを採っていました。
江戸時代になると魚の養殖をする生け簀の支柱に生えているのを発見した漁師が、ソダヒビという支柱を立てて海苔を採る養殖技術を生みだしました。
しかしこの養殖も確かな理論に裏打ちされたものではなく、採れる量もマチマチでした。
昭和24年にイギリスのドリュー女史が海苔のライフサイクルを発見、それまで謎だった海苔の胞子が夏の間どこにいるのかを突き止めたのです。
海苔の胞子は夏の間、貝の殻の中にいたのです。
その後研究が進み、人工的に貝殻に海苔の胞子を付着させることに成功し、海苔の生産数は劇的に増えました。
話は戻って、↑この水車は海苔網を巻きつけて、海苔の胞子を付着させる機械だったという訳です。
↑このように海苔の胞子が付いた牡蠣殻を海水の入った水槽に入れ、水温を胞子が殻から出て行く温度にすることで胞子を放出させ、ノリ網につけていきます。
水車式になっているのは、水車を回転させることで胞子と海水が混ざり合い、まんべんなくノリ網に胞子を付着させるためなのです。
胞子のつき具合は網の一部を切り取って顕微鏡で調べます。
胞子がついた網はその日のうちに三番瀬沖に張られます。
また全ての網を張るわけではなく一部は冷凍しておき、その後の網の張替え時に使用します。
海苔の胞子は冷凍しても死なないので、船橋ではこのように冷凍して漁期の途中で網の張替えを行いますが、他県の養殖場では通期で張りっぱなしのところが多いそうです。
種付け作業は1年に1週間だけ
この海苔の種付け作業は1年に1度、しかも初秋の1週間だけしか行われません。
我々が取材できたのも運良くこの1週間の1日でした。
それ以外は基本的に最初に乗せた写真のように、水車と水槽枠の骨組みしかないので、知らない人には何の設備だか全くわかりませんね。
船橋の海苔漁家は現在4軒
かつては800軒ほどあった船橋の海苔漁家も、現在では4軒。生産量も少ないですが、漁師の皆さんは「三番瀬で採れる海苔は全国でも引けを取らない美味しさだよ」と胸を張ります。
海苔なんて味変わらないでしょ?というそこのあなた。
是非一度食べ比べてみてください。三番瀬の海苔がとても香りが良いことに気がつくでしょう。
かくいう私も以前、船橋市場で「船福」さんを取材した時に食べ比べてびっくりした一人です。
ちなみに初海苔が出るのは12月初旬ごろからです。今から楽しみですね。
皆さんも機会があれば是非、三番瀬の海苔をお試しください。
↓三番瀬の海苔はこちらで買えます。
船福本店
住所/千葉県船橋市本町6-21-1
TEL/047-425-2729
営業時間/9:30~18:00
定休日/毎週水曜日(年末は除く)、1/1~1/3
ホームページ/ https://2729.jp/
*他にも東武店、ヨーカドー店など直営店や取扱店舗があります。詳しくはホームページをご覧ください。
↓地図はこちら
三番瀬みなとや
住所/船橋市日の出1-22-1 船橋漁港内
TEL/047-434-0668
営業時間/10:00〜15:00
定休日/火曜、水曜日(*シケ等により臨時休業の場合があります)
駐車場/あり
ホームページ/ http://www.funabashi-gyokyou.jp/minatoya
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