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2018-08-02

研究と探究心!理系が挑む「アナログ」な昭和の中華そば「一芯」

 

マッスルしてますか?

自称日本一ラーメンを食べているアスリート(自分調べ)こと一場治之進です。

プロローグの記事と過去2回の記事でキャラが濃すぎて編集長から「NG」が出ないかビクビクしていましたが、逆にアクセスも好調とのことで「OK」サインを頂きました。

読んでくれている読者の皆様のおかげです!ありがとうございます

 

なので、プロテインを得た一場・・いや、水を得た魚の様に生き生きと3回目の取材にやってきました。

「一場治之進のマッスルラーメンレポ」。
鎌ケ谷・船橋・白井あたりのラーメン屋を取材し、イチバ的な視点でお店の魅力を皆さんに伝えていきたいと思います。

第三回は白井市役所近くにある「らーめん 一芯」に取材に行ってきました。

 

場所

最寄り駅は北総公団線「白井駅」から約1.1kmと離れているので、「白井市役所」又は「白井市立白井第一小学校」を目指して行くことをオススメします。白井市役所方面からは白井第一小を左手に見ながら国道16号線に向かって歩いた右側。

白井市役所方面から

国道16号線からは「白井」交差点を白井市役所方面に曲がり約200m程進んだ左側。になります。

国道16号方面から

店の前に駐車場があるので車での来店が良いと思います。「一芯」は2002年12月にオープンしました。

               「らーめん 一芯」外観

実は2002年のオープン時に当時大学生だった(年齢バレるな)一場はいそいそと食べに来ていました。

と、言うのも・・・今でこそラーメン都市となった千葉県ではありますが、当時はラーメン発展途上でした。

昔ながらのローカルなお店が多い白井市においてラーメン専門店のオーラが漂う店構えに驚いた記憶があります。一場の思い出話は置いといて、1~3年で閉店する事の多いラーメン業界において15年以上続いている時点で名店であることは疑いようがありません。

えぇ、間違いなく匂いますよ・・・・煮干しの匂いも店主のドラマの匂いも・・・。

何度目でも一番緊張する瞬間・・どんなドラマが待ち受けているのか・・・。

店内

店内は1段下がった厨房にL字型に席が配置されています。正面のカウンターは8席で、奥にテーブルが8席あります。全体的に清潔感のある「和」な雰囲気で、カウンターから見上げる短冊形のメニューの文字も「こだわり」を感じます。

店内(入り口側から)

店内(奥から)

上に飾られた短冊形メニュー

店内の木の短冊に書かれた「健康第一のお店」の文字。

オープンの際に、看板やメニューの短冊を書いてくれた知り合いの大学教授から送られた言葉「良い素材を使う」「化学調味料は極力使わない」と言うメニューに根付いているのだそうです。

 

メニュー

メニューは煮干し系を基調とした煮干醤油以外に、黒醤油・塩・辛味系・つけめん・限定と言ったラインナップです。また、メニューによっては背脂が効いた「こってり」バージョンもあるそうです。

*画像クリックで拡大

これだけ種類が豊富だと何を食べるかとても迷う。

煮干し醤油はもちろん食べたいし、でも冷やし味噌も気になるし…あーどうすればいいんだ!

「体でかいんだから、2つ食えばいいんじゃない?」と店主の寺内さん。

そうだ!なんのためのマッスルなんだ!俺としたことが…

と言う訳で「煮干醤油らーめん」と2018年新作の夏季限定「冷し味噌らーめん」W完(ダブカン)でいただくことに。

イチバのRMYK(ラーメン用語解説)
説明しよう!!W完とは「ダブカン」。つまり「ダブル完食」の略だ!メニューで決めかねた時に1店のお店で2杯食べる事でお店の魅力隅々まで楽しむ事が出来る禁断の技の1つ。混雑時は極力控えよう。
類義語:ハシゴ(2店以上連続で食べる事)

2杯いただくということは、もちろん期待値もダブルマッスルだ。

 

無駄な動きがない

厨房での寺内さんの動きはまさに職人技。

ちなみに麺が太麺・細麺から選べるそうなので、冷し味噌が細麺のみということで、煮干醤油を太麺でお願いしました。

寺内さんのキビキビした動きに見とれてしまう・・・。

厨房では店主の寺内さんが手早くラーメンを作り上げて行きます。見ると、「煮干醤油らーめん」2種類のスープを同時に丼に入れる「Wスープ」(ダブルスープ)で作っています。

「煮干」は丼で2種類のスープを合わせるWスープ。

イチバのRMYK(ラーメン用語解説)
説明しよう!Wスープとは「ダブルスープ」。つまり別々にとった2種類のスープを丼に入れる瞬間に混ぜる手法で、魚介系と動物系の2種類の組み合わせが一般的だ。それにより味がボヤける事無く、それぞれの長所が生きたスープになる。中野区の「青葉」が元祖と言われる事が多いが、実はずっと前に旭川の名店「蜂屋」が使っていたとも言われている。類義語:トリプルスープ 

 

実食①煮干醤油らーめん

 

これが一芯のエース「煮干らーめん(太麺)」。う、美味そう!!

まさに完成されたビジュアル

オープン時より明らかに洗練された印象があります。店内の雰囲気同様に「和」テイストなビジュアルで、おとなしいスープかと思いきや一口目のファーストインパクトで不意打ちを喰らいます

「熱っ!!」カメリアラードと鶏油のミックス油の層が厚く、スープが蓋をされているので、熱々の温度に驚きますラードのコクと鶏油の力強い甘味も相まって、食欲が加速します

スープは動物系がベースになり、煮干しの旨味がギュッと詰まったもの。と、言ってもエグ味や煮干し特有の臭みは皆無で旨味だけが抽出されています。エグ味がない所から「煮干しの頭を丁寧に取ったのかなぁ」と思いきや、あえてほんのりエグ味を残す為に、小さ目の煮干しを頭付きで使う事でエグ味を抑えているそうです

う~ん、奥が深いですね。醤油は「天然醸造のちば醤油」を使用しているとのこと。しかし、このスープだけで経験値の高さを感じました。

火傷しそうな熱々のスープはコクと旨味の宝石箱!!これは惹かれる!!

は日本有数のラーメン処である新潟県の製麺所から取り寄せている太縮れで、モチモチ感が強いです

縮れがスープの油の層と煮干しの旨味を持ち上げるので、麺の太さにスープが負けていないのが嬉しいですね。「細麺」が良く出るとの事でしたが、この「太麺」の「旨味を持ち上げて、噛む」流れには強い魅力を感じました。かなり完成度が高いと思います。

「太麺」はモチモチ感が前面に出ていて、縮れ具合がスープの旨味を持ち上げる。

チャーシューはバラロールで、水菜・メンマ・ネギ・味玉半分と、具も多めです。

スープと麺の存在感がしっかりしているので、具もリズム良く食べられる印象があります。メンマの味付けもしっかりしていて箸休めに一役買っています。

バラロールチャーシューは基本。やはり美味い!

 

実食②冷し味噌らーめん

2018年夏の限定!完全オリジナルの「冷し味噌らーめん」

1杯目のレベルが高く余韻に浸っているところで、次に出されたのは「冷し味噌らーめん」です。

2018年夏の新作です。「冷やしらーめん」と言えば山形県が有名ですが、「味噌」で冷やしというのは聞いた事がありません

着丼したラーメンを見て、一瞬で完全オリジナルだとわかりました。

と、言うのも「汁なし」ならともかく「冷やし」で挽肉が乗るラーメンを初めて見たからです。

スープはもちろん冷やしなので冷たいのですが、キンキンでなく、また温くもない調度良い冷たさです。

この鼻に抜ける香りは「麹」?生きた旨味が駆け抜ける!

でも、それより驚いたのは一口目の風味です。

しっかりと寝かせた「会津の天然味噌」は所謂、一般的な甘く素朴な「味噌」の味ではなく・・いや、「味」と言うより麹の鼻を突き抜ける上質なお酒の様な香りを感じます。

これは私も数多くラーメンを食べてきた中で、冷やしらーめんとしては初めての感覚です。

味噌自体は「濃厚」というほどではありませんが、氷の個数も計算されてか薄まる事なく、前述の香りが生きている濃さを維持しています。

具の挽肉は思ったより辛味がないだけでなく、「冷たい」温度で肉の脂肪分が不快に感じないように脂肪の少ない部位で作られています。

なので、挽肉のコクと動物系の旨味の厚みが味噌のスープに溶けて来る事で物足りなさをなくしています。かなり計算して作られたラーメンだと感じました。モヤシ・水菜・メンマ・海苔・昆布に加えてチャーシューも入っています。

中細麺は具材と一体になり、麺・汁・具の三位一体で丼をまとめ上げる

は同じく「めんつう」製の加水率高めの中ストレートで、どこか「冷やし中華」にも通ずる様な食感を感じます。

麺自体のコシは強いとは言えませんが、この細さが丼の中の具材を巻き込んで、麺と一緒に口に入ります。

後半はお酢をレンゲ半分~1杯投入する様に勧められたので、入れると「冷やし中華」の様な後味がさっぱりした清涼感が体に染み渡ります。

後半は「お酢」をレンゲ半分~1杯投入で、清涼感が口の中に広がる

全体を通して「初めての経験」と思える1杯でとても美味しかったです。

「冷し味噌らーめん」は2018年夏季限定メニューですが、いつまでやるかは決めていないそう(9月くらいまでの予定)なのでお早めに!

 

お店のこと

ここまで質の高い2品を出されると、他のメニューに手を出したくなりますが・・・そこは抑えて。寺内さんにお話しをお伺いしました。

白井の地で創業16年を迎える「一芯」寺内さん。過去にはどんな事をされていたのでしょうか?

寺内さん、実は学生時代は「理工系」の専攻で、卒業後は大学の研究室で研究されていたそうです。

研究に携わっていた時に、ラーメン屋で出前のアルバイトをしていました。

同年代の友人達が大手メーカーの開発・研究職に進路を決める中で、寺内さんはそのままアルバイト先のラーメン屋に正社員として就職しました。

「研究も好きだったのですが、商売人になりたかったんですよ。だから大学の進路希望に「商人」と書いたくらいです(笑)」バリバリの理工系が商人とは面白いですね〜。

その後、勤めていたラーメン屋が軌道に乗っていてチェーン展開する事に。すると店長会議やマネージメントなどなど現場よりも管理する仕事の比重が多くなっていきました。

そんな中で「自分が納得できる、美味いラーメンを作りたい」という気持ちが強くなり、14年勤めたラーメン屋を退職して自分のお店をオープンさせることにしました。

 

論理的なアプローチ

笑顔で「美味いラーメンを作る」その姿は「研究」「探究心」「創作意欲」の塊だ!!

豊富なメニューに加えて、冷やし味噌などの新しいメニュー開発にも余念がない寺内さん。

そんなラーメンの創作方法を聞いてみると

「まず頭に設計図が浮かぶんですよ。そうすると材料や分量が浮かんできて、実際に作ってみる。もし出来たものがイメージと離れていたら、それ以上追求するのはやめます。改良の余地がないからね。そうしてトライアンドエラーを繰り返して作っていますね。」と語る寺内さん。

お話を聞けば聞くほどアプローチが論理的で文系の一場は感心するばかりでした。

学生時代に培われた「研究力」「探究心」そして「美味いラーメンを作りたい」という「創作意欲」が一芯のラーメンを生み出しているのですね。

寺内さん!!エネルギーをもらいました!また来ます!!

ラーメン×理工系・・・一見関係ないように見えて、随所随所の考え方や想いに反映されています。

ちなみに毎月14日は「一芯の日」で来店時にお得な「麺類半額券」の配布があります。行くっきゃないですね!!!

マッスルコメント

「健康第一のお店」でW完キメて、気合のW完マッスル!!

らーめん 一芯

住所/白井市根97-50

TEL/047-498-0014

営業時間/平日 11:00~15:00 18:00~22:00

土日祝11:00~16:00 18:00〜22:00

定休日/木曜

備考/禁煙、駐車場5台

↓地図はこちら
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