極上のしじみラーメン!父の背中に帰ってきた北海の鮭「そば処 いづみ」
皆さん夏休みはどうでしたか?自称日本一ラーメンを食べているアスリート(自分調べ)こと一場治之進は成人になって最高の39・8℃の熱で病院受診しながらも合宿に参加した甘酸っぱい(と言うか塩っぱい)夏の思い出を堪能しました(実話)。
一つ分かった事は39℃以上の発熱での運動は控えた方が良いという事ですね。
さて気を取り直して、今回はちょっと変わったラーメンを食べに来ました。
場所
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最寄り駅は六実駅!駐車場も1台分あるぞ!
東武アーバンパークライン六実駅から、県道281号線を松戸方面に約1km程向かうと左側に「いづみ」はあります。「シマノマート」よりやや松戸寄りですね。ダッシュすればすぐです。
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県道281号線沿いにある。六実駅からは1km程。
ちょっと変わったラーメンと聞いていますが、ここはどう見ても「お蕎麦屋さん」!!
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味のある佇まいの「お蕎麦屋さん」。どこからどうみても「お蕎麦屋さん」。
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「イヨリさん!完全にお蕎麦屋さんですよ!イチバは蕎麦も大好きですが・・。」
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「本当に旨いラーメンがあるのかなぁ~??お蕎麦屋のカツ丼の方が良いんじゃないかなぁ~」
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結局、考えても分からないので入ることに・・・。
店内・メニュー
店内は外観の雰囲気とは打って変わって開放的な空間が広がります。テーブル8席×2・座敷4席×2で、テーブルは合席でも気にならない独特な並びです。
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座敷は小上がりで、全体的に明るく開放的な作りが特徴。セルフのお茶やコーヒーもある。
さて、メニューはと言うと・・・。
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所謂、「お蕎麦屋さん」のメニューに定食も・・。
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お酒も充実・・これ以外にもデザートなどがあり、メニューの幅は広い。
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「やはりお蕎麦屋のカツ丼かなぁ~」と本気で悩んでいると・・・。
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「あっ!しじみ!あさり!ラーメン」とびっくり(演技)するイチバ。メニューの端にも書いてありました・・。
悩んだ末に「しじみラーメン」を注文する事になりました。「しじみラーメン」と言うと青森の「※十三湖しじみラーメン」をイメージしてしまいます。
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説明しよう!!「十三湖しじみラーメン」とは、青森県五所川原市の十三湖のほとりに存在する地ラーメンなのだ。今でこそ有名な十三湖産のしじみを有名にしようと昭和57年に開発されたラーメンで、元祖は「和歌山(店名)」と言われる。特徴は十三湖のしじみと昆布などで出汁をとり、しじみ汁の様な半濁のスタイルに縮れ麺を合わせると言うもの。首都圏だけでなく青森県内でもあまり見かける事がないレアな地ラーメン。派手さはないが半濁のスープに、しじみのエキスがギュッと詰まった優しく上質な旨味が特徴。取材時点でイチバの知る限り、首都圏で食べられるのは「青森十三湖本家しじみらーめん東京秋葉原店」だけ。貝のラーメンを食べる度に、貝は海が生んだ宝石なんじゃないかとロマンティックで食い意地の張った妄想にふける今日この頃。
調理
店主の増山さんにお願いして、調理の風景を見学させて頂きました。
出汁は宗田鰹や鯖節などがメインで日高昆布を浸して時間を置きます。その後に煮出して黄金のスープが出来上がります。
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これが黄金のスープ・・・。スープを小鍋に移して温める。
「しじみ・あさりの独特な味は醤油よりも“出汁”の方が合うと思いました。蕎麦のカエシを割る出汁で作ります。お蕎麦屋らしい”和”のイメージですね。」と、増山さん。
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黄金のスープに冷凍した大ぶりの「しじみ」を大量投入!
黄金のスープに「これでもか!!」というほど大量の「しじみ」を投入!!「しじみ」からも濃厚な出汁が出ます。
「しじみは生より冷凍した方が旨みが出るそうなんです。」そう言えば以前のレポで「貝は適度なストレスを与える事で旨みが出る(レポ23 963参照)」と聞いたことがあります。
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しかし大きな「しじみ」だなぁ!!!思わず見てしまうイチバ
「しじみは以前は青森県の十三湖産を使っていましたが、現在は三重県産を使っています。」しじみとは思えない大きさに驚きます。
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ザラメと塩と隠し味を投入し、「しじみが開いたらカエシを少し・・・。」
麺は飲食店向けの販売店で仕入れた縮れ麺を使用。スタッフの方が手馴れた手つきで湯切りします。
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スタッフと連携をとり、テキパキと動く増山さん。かなり丁寧な作業だ。
丼にカエシや油を張らないのが大きな特徴ですね。
実食
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これが「いづみ」の「しじみラーメン」!!美しい!!
半濁のスープの上に浮かぶ大ぶりの「しじみ」はまるで黒い宝石の様です!黒の中に緑が映えます。
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このラーメンは美し過ぎます!!それに「十三湖しじみラーメン」に近いですね。
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美しく大きい「しじみ」。この一つ一つが濃厚な旨みを出している。
まず特筆すべきは「しじみ」ですね。大ぶりと言うだけでなく、「しじみ」特有の舌が痺れるような独特な旨みが口の中に広がります。アサリやハマグリとも大きく違う線の細い旨みを堪能出来ます。
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まさに旨さの黒い宝石!!
スープは前述の節系の出汁よりも先に「しじみ」のファーストインパクトが口の中に広がります。熱々のスープに「しじみ」特有の旨みがギュッと詰まり、周りをコーティングする様に優しい節系の旨みが効いています。これはかなり旨いですね!!!全体的に尖りがなく「和」のイメージなのもお蕎麦屋さんらしいです。
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黄金のスープ+しじみのエキス=極上!!優しい旨みがギュッと詰まっているのだ。
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体に染み渡る強い旨みにレンゲが止まらない。
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極上スープに思わず唸ってしますイチバ。「旨いなぁ!!」
麺はウェーブがかった中程度の太さで、しっかりとスープに馴染んでいます。「コシ」と言うよりズルズルと「啜る」食感を楽しめる麺ですね。
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スープにしっかりと合う縮れ麺。
具の三つ葉も色合いだけでなく良い仕事をしています。
単体としてだけでなく、麺やしじみに絡む事で薬味の様な役割も果たします。
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三つ葉の存在も大きい。口の中をリセットしてくれる。
自称居酒屋担当ことイヨリ編集長も「これ、二日酔いにピッタリですね!!」と太鼓判・・・って言うか二日酔いだったの?
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夏休みの長期休暇で肝臓を酷使しすぎたのか?編集長の肝臓もご満悦のようだ。
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完食!!極上でした!!(スープは二日酔いの編集長に差し上げました笑)
お店のこと
かなりの完成度の「しじみラーメン」を作った増山さん。どんな経緯でこの蕎麦屋を??
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極上の1杯を作り出した増山さん・・どんな経歴なのか??
増山さんは北海道伊達市で生まれました。伊達市は札幌と函館の中間に位置し、室蘭が隣にある海沿いの町ですね。ホタテを中心に、海産物が豊かであることが知られています。
生まれつき手足が不自由で生まれたとご本人は言います。「当時、妊婦のつわり止めとしてサリドマイドと言う薬が出回っていましたが、妊婦が飲んでも大丈夫と言われて母親が内服し、その副作用で手足が不自由になりました。」
確かにサリドマイドは1950年代~60年代まで世界中で使われていた鎮静・睡眠薬ですね。ドイツを中心に薬害が報告されています。
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サリドマイド訴訟により和解はあったものの、被害者はまだ多く存在する。
「生まれてからすぐに東京へ。その後は10歳からまた北海道に戻りました。小中高は実家を出て札幌の方の学校にいました。実家の近くはホタテの養殖場などがあって、贅沢と言うとホタテのバター焼きなどを食べていました。」
成人してからは薬害事件の当事者として、色々な活動を精力的に行ってそうです。大学の講師として自身の経験や知識を学生に伝えたそうです。
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多くの経験を学生に伝える事。増山さんは精力的に活動されたそうです。
でも、イチバが不思議だったのは「何故飲食の道に??」
「実家で父がドライブインで”ライラック”と言う小さな食堂を営んでいたんです。他にお店がほとんどない道沿いにあったのでメニューは何でもありました。父は私が26歳の時に亡くなりました。そんな父の事が忘れられず、”何か最後やりたい”って思って父の背中を追いました。」
もともと料理は好きで、料理教室なども開いていたという増山さん。それにしてもこのしじみラーメンはかなりの完成度ですが独学でレシピを作り上げたそうです!
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増山さんの人生は食堂を営んでいた父の背中に戻って来た。
こうして2019年3月8日に「そば処 いづみ」がオープン。
でも、この”いづみ”というお店は以前からあった記憶がイチバにはあります。
「実は、このお店を買ったときに前のオーナーに了承してもらい屋号をそのままにしたんです。前は純粋な蕎麦屋ですが、こんどはお蕎麦以外にも色々出す食堂です。」
やはり何でも作っていたお父さんの背中を追うんですね。
「鮭が生まれた川に戻ってくる様に、私も色々経験して結局故郷の記憶、食堂を営んでいた父の背中に帰ってきたんですかね。でも、やってみて飲食店がこんな大変だとは思いませんでした。でもお客さんの反応がダイレクトに伝わってくるのは本当に楽しいです」
今後はどうしたいですか?と伺うと・・
「自分の持ち味は既成概念にとらわれない事なので、地域のニーズに応えられるメニューにして行きたいですね。食堂って作りたいものを作るより、お客さんが何を食べたいかを想像して作るんだと思います。」
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父の背中を追う北海の鮭の魂!!しじみラーメン極上でした!!応援してます!
マッスルコメント
北海の鮭にも負けないパワフルな泳ぎを習得するために・・・マッスルハイスピードもも上げ!!
そば処 いづみ
住所/松戸市六実1-25-1
TEL/047-724-3803
営業時間/11:30~15:00(14:30LO)17:00~21:00(20:30LO)
定休日/月曜
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