ふなばしお店グランプリ2017受賞店「アーノルド・フジ・タカムラ」に行ってきた
先日発表になった「第2回ふなばしお店グランプリ」で、商品・サービス部門の準グランプリを受賞した「アーノルド・フジ・タカムラ」に行ってお店のことなどを色々聞いてきました。
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お店のこと
「アーノルド・フジ・タカムラ」は東葉高速線「飯山満駅」から徒歩5分にある芝山団地商店街にある、今年で創業41年目のパン屋さんです。
店名の由来は?
取材する前にずっと気になっていたのが店名。
タカムラはわかるけど“アーノルド・フジ”って一体なんなのだろうか?
現在2代目の店主である高村清太郎さんに聞くと
「うちの親父が店を始めたんですが、オープン日にアーノルドシュワルツェネッガーが来店して、ニッポンイチ!マウントフジ!と言ったことが由来なんですよ」
え〜〜〜!本当ですか?
「嘘ですよ(笑)。親父がフジパン系列の会社でパン作りの修行をしていて、そこの屋号が“アーノルド・フジ”で、それを自分のお店をオープンする際に使わせてもらったのが由来だそうです」
びっくりした〜!一瞬本気にしましたよ。
こんな感じでお茶目な清太郎さんは、若い頃音楽で食べていくと決め、ミュージシャンとして活動していました。しかし27歳の頃に母親が体調を崩されて、パン屋を閉めるという事になったのがきっかけで、音楽の道を諦めてパン屋を手伝うことになったそうです。
しかし久しぶりに芝山団地に戻ってみると、昔と状況が一変していたと言います。
「僕が小さい時は、団地にも人がいっぱいいて、商店街も賑わっていて、自分もパン屋の息子としてずいぶん可愛がってもらいました。しかし久しぶりに戻ると、人は少なくて商店街も閑散としている。知り合いに声をかけてもどこかよそよそしい。話を聞くと最近うちでパン買ってないから申し訳なくてと言う。ただ話をしたかっただけなのに、そう言うコミュニケーションも取れなくなっている現状にショックを受けました。」
思い出に残るパン屋に
清太郎さんはこのままでは商店街自体の存続も危ういと思い、自分が子供の頃に見てきた思い出の詰まった商店街に戻そうと活動を始めました。
店舗同士のつながりも希薄になっていた商店街を自らが会長となってとりまとめていき、100円商店街など様々なイベントを企画して人を集めて商店街を知ってもらおうと試みました。
また商品のパンも色々な種類の創作パンを試しました。
「全ては思いつきです。一番ひどかったのは“塩らっきょうのパン”ですね。カレーパンがあるなら、らっきょうのパンもあってもいいかなと言う単純な発想で作ったんですけど、不味くて不味くて笑っちゃいましたよ。でもそれもまた話題になっていいかなと。」
確かに店内はユーモアに溢れる商品でいっぱいだ。
POPやネーミングがとてもユーモアあって選ぶときに思わず笑顔になります。
創作パンは作りますが、パンの基本の作り方は先代から教わったまま変えていないと言います。
「パンの味も思い出の一つで、変わっちゃったら意味ないと思ってます。進化はしたいんですが変化はしたくないなと。食パンなんかはやはり昔から人気があって、ずっと買ってくれている人もいますから」
なるほど。確かに自分が昔食べていた味って「思い出」として残っていて、それに再開すると感動しますよね。
DJパン屋?
昨年2017年の4月に店舗を改装してリニューアルオープンしました。その際に作ったのが「しゃべる看板」です。
店舗の入り口にあるこちらの看板は、無線のスピーカーが内蔵されていて、清太郎さんのイヤホンマイクと繋がっています。
パンの仕込みで厨房に入っていることが多いのですが、少しでも外を歩くお客さんとコミュニケーションを取りたいという思いから取り入れたのだそうです。
朝出勤する人に「いってらっしゃ〜い」と声をかけたり、夜帰ってくる人に「おかえりなさ〜い」と声をかけたり「今日のオススメは○○パンですよ」など道ゆく人に声をかける。
確かにパン屋の店主は常にお店の奥にいるイメージが強いし、実際あまり会話することも少ないですよね。でもこれなら自然とコミュニケーションが取れる、まさに画期的なシステムです。
「地域の面白いパン屋のおっさんとして認知されて、それがきっかけで話題になったり、人が集まったり。そうして商店街が活性化して、一つのモデルケースになって、商店街っていいよねという風になっていけばいいなと思います。」
実家のパン屋を閉めないところから始まり、既にパン屋というという枠を超えて、商店街ひいては地域活性という部分も担っている高村清太郎さん。
今後も芝山商店街から目が離せないですね。
アーノルド・フジ・タカムラ
住所/船橋市芝山3-10-2-107
TEL/047-464-6974
営業時間/8:00〜20:00
定休日/月曜日
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