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2018-10-24

串を丼に持ち替えた職人が作る「熱い」1杯!「龍江」

 

一気に寒くなりましたね

自称日本一ラーメンを食べているアスリート(自分調べ)こと一場治之進です。

ついに10回目を迎えました「マッスルラーメンレポ」7月の始めた頃はTシャツ1枚の時期でしたが、気づいたら10回目を迎え半袖のTシャツが気持ちよい10月になりました。

ここまで続いているのも、読んで頂いている皆様のおかげです。これからも鎌ヶ谷・船橋・白井辺りを取材し、イチバ的な視点でお店の魅力を皆さんに伝えていきたいと思います。

と言えばマッスルとラーメンですよね昔から。そう思い、今日もトレーニングを終わらせてラーメン屋に突撃しに来ました。

第10回は鎌ヶ谷市の「龍江」に取材に行ってきました。

場所

最寄り駅は北総公団線「西白井駅」ですが、西白井駅からは約1.7km新鎌ケ谷駅からは約2.1km六実駅からは約2.2kmと、3駅の中間に位置します。

一番近い西白井駅からだと、国道464号線を新鎌ケ谷方面に進み、国道沿い右手にセブンイレブンがある交差点を右折すると50m程先の左手に見えます。

北総線の「西白井駅」。北総線に平行して国道464号線が走る

 

西白井駅から鎌ヶ谷方面へ見る国道464号線

お店の付近には自衛隊の「下総航空基地」があり、飛行機を撮影している人が良く見られたり、着陸態勢の飛行機が地面スレスレを飛んでいる珍しい光景をを見る事が出来ます。

大通りから1本入った場所に「龍江」はありますが、黄色い看板が目立つ為に車などで通りかかって気になった人も多いのではないでしょうか。

「龍江」はラーメン屋じゃなかったのか??同じ名前の看板が・・・

到着すると、「龍江」の看板の後ろに「龍江建装」の看板も。色々なお仕事をされているのでしょうか??今回も濃厚なドラマが待っていそうな気がしてきました。

西白井駅からダッシュして乳酸溜まりまくりハムストリングス「早く入ってカーボ(炭水化物)補給しようぜ」とワクワクしているのでお店に入ります。

アクセル筋肉と呼ばれるハムストリングスが急かすから仕方ない・・入るか・・。

店内

店内はやや暗い照明で、喫茶店の様な落ち着いた雰囲気です。入って奥がカウンター6席と厨房。左手に4人テーブル×3(12席)で合計18席。お店の状況によっては入って右手のテーブル席も作るそうです。

やや照明は暗めで落ち着いた作り。ちょっと大人の雰囲気だ。

ふと見るとカウンターの上には「黒猫」がトレードマークの緑の車のミニカーがズラリ。

クロネコ・・・な車がズラリ・・もしかして店主の前職は・・。

店主の若林さん「前職はもしかして・・・」とお伺いすると「いえ、違いますよ。これ(ミニカー)は食材などで運送屋を使っているので、景品です。ここに置いておけばお子さんとかも遊べるでしょ」と、にこやかに答えられます。そう言えば、良く見るとマンガもいっぱいあるし・・随所随所に「お客さんが、ゆっくり食べられるように」考えられています。

今は少なくなったラーメン屋の「マンガ」。ある意味お客さんの歓迎の形なのかもしれない

 

「昔はラーメン屋と言えばマンガだったよなぁ~」と、感傷に浸っているとお腹も空いてきたので入口の券売機に向かいました。

 

メニュー

 

入口の券売機。開店当初から大きくはラインナップは変わらず。

 

実は、開店当初にイチバは来ていましたが・・・当時とラインナップは大きくは変わりません。強いて言えば定食よりラーメンに重点を置いた様に感じられます。

「ラーメン」「つけめん」の2大看板に、「梅」「塩」「冷やし汁なし」「まぜめん」などがあります。

券売機では中々イメージ掴めないと思っていると、券売機の横に写真入りのメニューが置いてあります。

写真入のメニュー。今回食べるのは・・・。

これがあれば迷わずに選べるはず・・・・・・「ラーメン」と「つけ麺」どっちにしようかなぁ~!!!(結局悩む)

「左上の法則」(※レポ2泰山参照)なら「ラーメン」だし、「つけ麺」も独特のビジュアルだし・・・悩む。

困った時のイヨリ編集長をチラ見してW完(ダブカン)いっちゃいなYO(※レポ3一芯参照)とGOサインを貰おうとするも、カメラのファインダーを覗いていてイチバの熱々の視線に気づかず。

店主の若林さんに聞くと、「季節によって出るのは変わるけど、つけ麺の方がまだ出るかなぁ~(寒いとラーメンが出るらしい)

それならばと、入口の券売機の「つけめん」を連打。

「つけめん」に決定!!券売機でポチっとな・・。

残念ながら今回は調理風景の撮影はNGでした。

 

今回は調理の撮影は不可。仕方ない、音と匂いだけか・・。

外から五感・・いや、第六感までを駆使して感じてみます。

明らかに焼いている様な音火の色食欲をそそる焦げる様な香ばしい香りが厨房から溢れています。これは「只者じゃない」とイチバの第六感が警告します。実際に、今まで取材したどこにもない香ばしい香りと音に期待がマッスルになります。

心拍数上がりまくりで興奮しながら席に着く事にしました。

 

実食

 

「つけめん」の到着・・・・思わず声が出てしまいます。

「グツグツ沸騰している!!!」

「つけめん」の到着

そう、「つけめん」「つけ汁」がグツグツと沸騰しているのです。これには年間300杯近く食べるイチバもマッスル・・いやビックリです。

グツグツと沸騰している「つけ汁」

まだ食べる前ですが、ラーメン・・いや食べ物は「目」「鼻」だけでなく「耳」でも食欲を刺激するんだと本気で思う「グツグツ」です。

この下の動画で「グツグツ」を少し感じてみてください

表面がややザラついているモチモチ中太麺です。「もしかして自家製麺ですか?」と伺った所若林さんがニヤリとして「(2018年)7月から自家製麺に変えました。手回しの製麺機ですけど」と言います。かつての「東池袋大勝軒」を思わせる、適度なモチモチが映える中太麺です。昨今の「つけ麺」に多い強い食感の筋肉質の麺とは違い、優しさとツルモチ感が同居している食感です。自家製に切り替えて3ヶ月で、かなり質の高い麺を出している印象があります。茹で加減もやや柔らかめで、しっかりと麺の旨味が出ています。

ツルモチ感がしっかりと出ている自家製麺。美味い!!

つけ汁は前述の通り「グツグツ」なので、当然「激熱」です。実際、石焼きの丼なので火傷に注意するレベルの熱さです。

グツグツの「つけ汁」はもちろん「激熱」!火傷に注意!

そして、そのつけ汁鶏・豚・野菜・昆布「動物系」中心の力強く厚みのある旨味が特徴です。一味のピリリ熱々に負けずにしっかりと全体を締めています。

このつけ汁のレシピは濃度などは変えているものの、オープン時からは大きく変えていないそうです。

「このスープが好きなんですよ」と若林さんは言います。

具の肩ロースチャーシューは炙られているので香ばしい

海苔・水菜・メンマと役割がはっきりしている物に加えて、チャーシューは肩ロースを炙っている為に独特の香ばしさが出ています。この炙りの香ばしさがつけ汁にマッチしているのは良いですね。

熱いが箸が止まらない!!美味い!

ツルモチ麺とグツグツつけ汁の相性は抜群です!さらに、つけ汁の温度が少し下がってくると辛味がはっきりと姿を現してくるので「味が変化」します。その為に、後半まで飽きずに楽しめます。

この「つけめん」は魔力がある!!

このまま※スープ割りが出来ないか聞こうか考えましたが、話も聞かないとと思い留まりました。

イチバのRMYK(ラーメン用語解説)
説明しよう!「スープ割り」とは「つけ麺」において、通常のラーメンのスープよりも濃い「つけ汁」を最後まで完飲するために「出汁」であるスープを食べ終わって残った「つけ汁」に入れてもらい心地よく完飲する為のサービスだ。「蕎麦湯」に似ている。手順としては、残った「つけ汁」の丼を店員に渡して出汁を入れてもらうが、最近では出汁をポットに入れてカウンターに置くセルフのお店も多い。「つけ麺」が美味かったら勇気を出して大きな声で「すみません!スープ割り下さい!!」と言おう。その勇気に触発されて同じように頼む客が次々に出るだろう。

 

お店のこと

店主の若林さんにお話をお伺いしました。

オリジナルな激熱「つけめん」を作った若林さん。どんな経歴の持ち主なのか。

若林さんは鎌ヶ谷で育ち、専門学校で調理師の資格を取得し、すぐに飲食の世界に飛び込んだそうです。

東京の割烹やチェーン店を含む居酒屋などを転々とし、各地で多くの技術を学んだとの事です。

「割烹では焼き場(焼き鳥)なんかを任されたり、元山の鶏料理専門店で鶏の捌きが出来るって聞いて、そこでも働いたなぁ。」

「つけ麺」の出汁である鶏や大きな特徴となっている「焼く」などはこの経験が生きていそうです。

調理の道に進んだのは実は、現在「龍江」で時々手伝われているお母さんが、かつて市内で居酒屋を経営していた事が影響していたそうで、一通り飲食店で働いた後に母親の経営していた居酒屋を手伝い、一緒に切り盛りしていたそうです。

店名の由来を聞いてみると

「自分の母親が天竜峡の近くの長野県飯田市龍江って所の出身なんですよ。だから龍江って店名にしたんです。裏の会社??基本的に関係ないんですが、弟が経営しています。弟の会社が龍江(たつえ)と読んで、こちらが龍江(りゅうこう)と読みます。」

お母さんの故郷の地名からつけるなんて素敵ですね。

 

何故ラーメン屋を?

「あまり気にしていないけど、2010年ぐらいに開店したかなぁ~」と言われる「龍江」(実際は2008年6月オープンの様です)何故ラーメン屋を目指したかを聞くと、「焼き鳥屋をやっていて、ラーメンも好きだったからかなぁ」とシンプルな答えが返ってきました。

焼き鳥からラーメンに。シンプルに「好きだから」と言う答えがあるから現在もブレない。

ラーメン屋での修行経験というのはなく、市内の人気店を食べて美味しかったお店でアルバイト募集していたので2~3ヵ月だけアルバイトをしていたそうです。

もちろんアルバイト先では製麺技術を含む作り方は一切習っていない完全独学だそうです。

開店当初は定食を出していたそうですが、お客さんの注文の状況を見てラーメンをメインに変えました。

ちなみに石焼の丼の案はお客さんに言われて始めてみたそうです。

「グツグツ」の度合いが同じ作り方でも違うようで、中々安定しないのが悩みだと言われました。奥が深いですね。

 

接客と笑顔

長年、飲食業に携わってから独立した若林さん。大変だった事を伺うと

「色々大変なことはありますけど、一番は接客ですかね。焼き鳥屋やってた時は、焼き場にいてあまりお客さんと話さなかったので。母親の店を手伝った時は“怖い顔するな!”って怒られた事もありました(笑)。ラーメン屋を初めて、お客さんの意見を色々聴きながら営業していたら、自然と接客にも慣れて“笑顔”が出るようになりました。」そう言う若林さんの笑顔はとても素敵でした。

 

まさに鶏ガラも豚ガラも人柄も効いた極上の1杯!!石焼の丼だけでなく作り手も最高に熱かったです!!若林さん!「職人」らしい1杯をこれからも作って下さい!!!美味しかったです!!

 

マッスルコメント

飛び上がる様な熱々の1杯を食べて・・・マッスルジャンプ!!

 

龍江

住所/鎌ヶ谷市軽井沢1986-4

TEL/047-446-5556

営業時間/11:00~14:30 17:30~20:30

祝日11:30~14:30

定休日/日曜・第1・3月曜

↓地図はこちら

 

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