細部へのこだわり、知るほどに魅せられる。船橋のオーセンティックバー「Bar篠崎」
今年の暑は夏いですね〜(逆)
まーとにかくこの連日の猛暑にはビックリします。
こんな暑い日の夕方にはBARに入ってジントニックあたりで涼を取りたいものです。
BARといえば「船橋にカクテルはもちろん、フードも充実している良いBARがあるよ」との情報を聞いていた私。
そういえば本格的なBARを記事にした事はまだなかったなあ〜、と思い立ったが吉日!早速取材の申し込みをしたのでした。
場所
今回ご紹介するのは京成船橋駅前にあるオーセンティックバー「Bar篠崎」です。
エレベーターで2Fに上がるとお店です。
店内
店内はカウンター7席、テーブル14席という構成。オーセンティックバーらしい落ち着いた雰囲気の中で、古木を使ったカウンターなど見える部分に身近な素材をあえてつかって敷居を低くしています。
逆に見えにくい部分にこだわりの素材を使っていて、例えば床材に使われている“栗の木”はクッション性がよく足音が響きにくいので、会話を遮るノイズにならないのだそうです。
メニュー
いつもならメニューを全て載せているのですが、とにかく豊富なので全て載せきれないので一部抜粋して掲載させていただきます。*メニューは取材当日のものです。
■ドリンクメニュー(画像クリックで拡大)
■フードメニュー(画像クリックで拡大)
当たり前ですが、お酒の種類は豊富で基本的なカクテルはもちろん、旬のフルーツを使ったカクテル、シェリー酒も豊富に揃っています。
ビックリしたのはフードメニューの多さ。しかも旬の魚を使ったカルパッチョやフライ、はたまたパスタまで。BARでここまで本格的な食事メニューがあるのは珍しいですね。
お店のこと
カクテルや食事をいただく前に、マスターの篠崎さんにお店のことを聞いてみました。
Bar篠崎は2015年6月にオープンして3年が経ちました。
マスターの篠崎さんは、もともと飲食の仕事を志していて調理師専門学校を卒業後、都内(六本木、新宿)のイタリアンとフレンチのお店でコックとして働いていました。
3年間働いて、料理はお酒と一緒に楽しむ事で格段に広がりをみせることに気がつきました。
この料理にはこのお酒を合わせると良い、とお客様に提案するためには、お酒の知識がなければできない。
そこでバーテンダーなら、あらゆるお酒の知識を学べるし、それに合わせる料理の幅も広がると考え船橋の老舗Barブルーカナリアの門戸を叩くことにしました。
ブルーカナリアで14年勤めて、3年前に独立し自分のお店をオープンさせました。
「バーテンダーになろうと思った一つのきっかけに、わからない事はわからないと素直に認められるところに憧れたんです。お酒の種類は無数にありますし、種類も増えていきます。カクテルも色々な材料を使います。そしてそれに合わせる料理も当然幅広くなる。全てを覚える事は不可能なんですよね。だからこそ知らない事に出会った時に知れる喜びがあるんです。」と語る篠崎さん。
カクテルの種類だけでも約10,000種以上とも言われています。それにウィスキー、ラム、ウォッカ、ジン、テキーラ、ワイン、シェリー・・・etc。確かに全て覚えるのは不可能ですよね。
細部へのこだわり
店内の紹介で床材に“栗の木”を使っていることを書きましたが、他にも細部へのこだわりが半端じゃない篠崎さん。全てを紹介すると縦スクロールが大変な事になりそうなので一部を抜粋してご紹介します。
<氷>
上の写真は開店前にアイスピックで丸い氷を作っているチーフバーテンダーの福井さん。ウィスキーのロックに使う丸い氷かなと思いきやサイズが小さい?
実はこれ…カクテルを作る時にシェーカーに入れて使う氷なんです!
シェーカーに使う氷はカクテルを撹拌し冷やすためのもので、決して表には出てこないのですが、丸くする事で個体差による撹拌のばらつきが抑えられ、常に一定のクオリティを保てるのだそうです。
<湿度管理>
店内の湿度は常に一定になるようにセッティングされています。それは氷の溶け具合に影響が出るからだそうでブレない味を保つためには必須の要素なのだそうです。
<グラス>
バーのお客様とは一期一会なので、10人いたら10人違うグラスにするそうです。そのため種類も多種多様なものを用意しています。100年前のバカラや、日本で一番売れなかったバカラなど、博物館にあってもおかしくない貴重なグラスがたくさんストックされているそうです。
またグラスは冷蔵庫で冷やさず、カクテルを作る際にクラッシュアイスを入れてグラスを冷やします。氷で冷やす方が口当たりが優しいのだそうです。
<シェーカー>
シェーカーの種類もいろいろありますが、篠崎さんが愛用しているのは新潟県燕三条市で作られたニッケルシルバー製のシェーカーです(一番左)。
多くのシェーカーがステンレス製なのに対し、このニッケルシルバーは重く扱いにくいとも言われていますが、逆に細かな空気や温度のコントロールがしやすいのだそうです。またシェーカーを振った時の音がステンレスとは違う高音が出るのだと言います。
カクテルをいただく
さていよいよカクテルをいただくことに。お任せで4種類作っていただきました。
<国産ジンと抹茶のジンバック>
一杯目から強烈なインパクト!実際にお茶で使われる茶碗で、抹茶をまぜる「茶筅」を使ってカクテルを作るのですからビックリしました。
そして肝心のお味は?
結構なお手前で
抹茶とジンの爽やかなコラボレーションに橙や柚子のアクセントが夏らしい一杯。すごい美味しいです。
<巨峰とアールグレイのウォッカマティーニ>
アールグレイの風味を纏ったウォッカと、巨峰の果汁をシェーカーでミックス。
アールグレイ、ウォッカ、巨峰、3種がうまく融合し、お互いの良いところがしっかりと感じられる絶妙なバランス!とても美味しいです。
<ベリーニ>
白桃、シャンパン、自家製ざくろシロップを使ったカクテルでイタリアの画家「ジョバンニ・ベリーニ」の描く絵画の淡い色彩をイメージしたカクテルです。
この淡いピンク色を出すためだけに、毎年12月に大量にザクロの実を仕入れてシロップを作るのだそうです!
白桃の濃厚な風味とシャンパンが見事に調和していて、シャンパンの微発泡が爽やかさを演出しています。
見た目も淡いピンク色がとても美しく、暑い夏にはぴったりのカクテルでした。
<エスプレッソマティーニ>
ウォッカ、ガテマラのコーヒー豆を漬け込んだコーヒーウォッカ、2種類のシェリー酒で作るカクテルです。
昨今人気が出てきたコーヒーカクテル。通常は甘いシロップを使うのですが、Bar篠崎ではシロップでは甘くなりすぎてしまうので、篠崎さんの得意分野でもある「シェリー酒」でアプローチを変えて表現しています。
甘さ控えめでコーヒーの苦味と風味がしっかりと感じられてとても美味しいです。
フードもすごいぞ
もともとコックだった経験もある篠崎さん、料理にも並々ならぬこだわりがありました。
<カルパッチョ3点盛り合わせ>
朝4時に船橋市場に魚を仕入れにいくという篠崎さん。
魚は塩氷水熟成法という手法を使って寝かせて旨味を引き出しています。この手法は北本町にある「魚unLOC」のオーナーから学んだ手法で、篠崎さんの魚の師匠だそうです。
この日は銚子のキンメ、豊後水道のシマアジ、神津島の黒ムツの3種でした。どれも白身魚ですが熟成によって旨味が引き出されていてとても美味しいです。
<牛カツサンド>
イベリコ豚のカツサンドは定番メニューでありますが、この日は新メニューの「黒毛和牛の牛カツサンド」をいただきました。
品川の食肉卸市場から仕入れた黒毛和牛の肉を贅沢にカツにして、パンで挟んだ一品。ソースは企業秘密ですがトマト味のソースでこれが牛カツとベストマッチしています。
肉はジューシーで柔らかく、中がほんのりレアで噛み切りやすいです。
ハモン・イベリコ・デ・ベジョータ
入り口を入ってすぐ目に入る生ハムの原木。こちらはスペイン王室御用達、100%純血種のイベリコ豚を放牧&どんぐりで育てた最高ランクの生ハムです。イベリコ豚でもどんぐりで育てたものは数も少なく「黒タグ」がその証で、なかなかこの生ハムを扱っているお店は少ないそうです。
実は篠崎さんはアンダルシア産イベリコハム公式コルタドールコンテスト2017(東京)で優勝の経験を持っています。これは「生ハムを正しいカットで切って美しく盛り付けて出す」コンテストで、生ハムも部位によって味が違うので適した切り方があるのだそうです。
これは相当美味しい!
明らかに今まで食べてきた生ハムとは旨味が違う。
「これにシェリー合わせると最高ですよ」と篠崎さん、おもむろにシェリー樽を持ってきて一杯入れてくれました。
華麗なベネンシア捌きをご覧ください↓
シェリー酒飲んだの初めてではないのですが、あれっ!こんなに美味しかったっけ?とびっくりしてしまいました。これはもう生ハムと合わせたらいくらでもイケちゃいますね。
これ以上飲むと「シェリー、いつになれば〜♫」と歌い出しそうなくらい酔っ払ってきたので、この辺で取材を終了することにしました。
篠崎さんはとても気さくな方で、本当に知識が豊富で、話を聞いているとすっかり時間を忘れて聴き入ってしまいます。
オーセンティックなバーですが、とても敷居が低い雰囲気なので、普段BARには行かないという方も気軽に利用してみてはいかがでしょうか?とっても魅力的なBARですよ。
Bar篠崎
住所/船橋市本町1-8-29 FSビル2F
TEL/047-401-7511
営業時間/月~木 17:00-27:00
金・土 17:00-28:00
日・祝 16:00-25:00
定休日/第2・第3月曜
備考/全席喫煙可
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