熱き鉄のDNAを継ぐ職人が振るう鍋!初富の老舗名店「萬盛庵」の絶品五目中華!
秋の健康診断の季節ですね。毎度健康診断の結果で「肥満、他は異常なし」と書かれて落ち込む・・ラーメンを日本一食べている自称アスリート・・いやいや、自称日本一ラーメンを食べているアスリート(自分調べ)こと一場治之進です。まぁ、肥満なんて身長と体重で出したBMIが基準なので気にしていませんが・・。そう、気にしていませんので今日も元気にラーメン食べに行きます。
今回は鎌ヶ谷市初富にある老舗蕎麦屋の「萬盛庵」にお邪魔しました。
場所
場所は新京成電鉄の初富駅と東武アーバンパークラインの鎌ヶ谷駅の中間に位置します。どちらからも1.5㎞程離れていますね。
駐車場完備なので車でのアクセスが良いと思います。ちなみに、初富小学校を目印に行くと、並びにあるので分かりやすいと思います。
店内・メニュー
店内は趣のある和の雰囲気で、とても綺麗に掃除されていて綺麗です。テーブル4席×4・座敷4席×2の合計24席という構成。
老舗の蕎麦屋や町中華の様に壁にメニューが貼ってあります。見ると、「そば・うどん・ラーメン」以外にもカレー・丼・中華と幅広いラインナップです。
「蕎麦も気になるけどラーメンの取材だしなぁ~」と、毎度お馴染み「イチバの優柔不断症候群」が発症したので、店主の熊井さんに聞くと・・。
「チャーハンは馬鹿みたいに出るけどねぇ~あとは蕎麦の客は蕎麦だし、ラーメンの客はラーメンだね。」
・・・ますます迷う。
そこへイヨリ編集長が「イチバさん・・噂だと萬盛庵のチャーハンはかなりヤバい(旨い)らしいですよ。」と耳打ちを。…この人チャーハン好きだからなあ。そうなると、チャーハンは決定で・・あとは
「”五目中華”にします!」キッパリと言いました。
なぜなら、チャーハンが旨いということは、中華の技術が上手い可能性が高いので、タンメンや五目中華・モヤシそばなどが面白いと思ったからです。
調理
店主の熊井さんにお願いして、調理風景を見学しました。
熟練の技にイチバは息を飲みました。チャーハンの炒め技術、平ザルでの麺の湯ぎり、長年の経験が培った職人技に思わず見惚れてしまいます。
実食
蒲鉾のピンクの縁が映える五目中華は歴史を感じさせる美しさがあります。
スープはほんのり濁った塩スープで、豚骨と煮干しから出汁を取り4時間かけて作られます。タレはなく塩のみでの味付けとシンプルですが、調理(煮込み)の段階で野菜のエキスがギュギュギュッとスープに溶け出しています。煮干しが~豚骨が~野菜が~と言う単体ごとの旨味でなく、一つの完成された旨味に仕上がっているスープは一言で言うと・・・飲み干す1杯!
このスープは中毒性ありますね。
麺は自家製の中太ストレートで、かなりモチモチ感が強いです。やや表面がザラつきますが、この手作り感がまた良い味を出していますね。食感がかなり良く良質な麺です。スープや野菜の具などと、しっかりと合っています。柔らかくも、ダレていないですね。
具はキャベツ・ニンジン・タケノコ・キクラゲ・ニラに加えて蒲鉾と玉子・肩ロースチャーシュー。野菜は煮込まれてスープの旨味を含んだクタ系(レポ24:二葉参照)なので、スープや麺へしっかりと馴染みます。
麺・スープ・具の一体感が素晴らしいと言うのが一番の印象です。
噂の「チャーハン」を一口と思いきや、すでに編集長が食べていました・・・
イチバも一口もらいましたが、以前取材したお店で言われた町中華の真骨頂のオイリーなチャーハンは油と香ばしさが前面に出ています。
編集長 a.k.a チャーハン愛好家の目つきが真剣になっています。
「この絶妙なオイリー加減、ラードを使っているから奥深い旨みが出ていますね。普通の油じゃここまでにならないんですよ。全体のふわパラ感も炒め技術の高さが伺えます。あとチャーシューが旨いから具材はシンプルだけど存在感がありますね。」
お店のこと
店主の熊井さんにお話を伺いました。
熊井さんは東京都大田区の生まれで、実家は鉄鋼所(現:熊井製作所)だったそうです。学生時代は下町で育ち、大学は商学部に進学したそうです。
卒業後一度は会社に勤めますが、会社勤めは性に合わなかったそうで、辞めて飲食の道へ進みます。
「親父には家業の鉄工所に入れって言われたけど、兄が二人いたから別の道に進みたかったんだよね。もともと料理は好きだったし、実家の近くに”広華(閉店)”ってラーメン屋があって旨くて好きだったから、修行しようと思って行ってみたら、店主の弟さんが新宿の中華料理店天津飯店のチーフだってんで、そこを修行先として紹介してもらったんだ。」
天津飯店と言うと、現在も新宿に本店を置く昭和29年創業の老舗中華料理店で、芸能人も通う有名なお店です。「五目中華」や「チャーハン」の技術の高さや上品な味付けに納得が出来ました。
「3年ぐらい修行させてもらいましたね・・・いつも一番に店に入って、人がやる仕事を先にやっていたなぁ~。チーフの知り合いって事で、色々なことをやらせて貰えたのは経験になったね。」チーフの顔を潰さない為にも自分の技術を磨く為にも努力した修行時代だったそうです。
その後は近所のお店「広華」に戻り、1年程働いたそうです。そして、27歳の時に中華料理屋として埼玉県所沢市にて独立開業をしました。
「”祐祐軒”って名前でオープンしたよ。由来は親父の名前が”祐二”だったからそこからとってね。所沢で5年ぐらいやってから千葉に移転しないかって話がきてね。」
お姉さんから西千葉の駅ビルでテナント募集の話を聞き、店を移そうとするも・・タイミングが悪く入れなかったそうです。
そこで別の移転先を探していた時に、初富の現在の場所で蕎麦屋の居抜き物件が見つかり移転することにしました。それが1980年の時の話、今から約39年ほど前に「萬盛庵」は初富でオープンしました。
でも、何故「萬盛庵」と言う名前なのでしょう?
「もともと蕎麦屋の居抜き物件だったから、中華だけじゃなくて蕎麦もやってみようと思って、川崎の知り合いの蕎麦屋に教えて貰いに行ったんだ。そのお店の名前が”萬盛庵”だったからそこから名前もらってね」
確かに川崎市宮前区久末に「萬盛庵」は今も存在しています。
中華出身の熊井さんが蕎麦を教わり、中華と蕎麦の2つの柱でオープンした萬盛庵。蕎麦もうまいが中華も美味いと評判なのはこういうバックボーンがあったからなのですね。
こうして地元の人たちの熱い支持を受けて今日に至っています。
「自分の体が続く限りは続けていこうと思ってるよ。でも最近は飲食店も色々増えたから街の蕎麦屋もどんどん減ってるし、これも時代の流れかな。」
時代は流れども、熊井さんの作る「五目中華」や「チャーハン」を食べる限り名店と言っても大袈裟ではないでしょう。できることならずっと続けてほしいです。
鎌ヶ谷が誇る老舗名店を心から応援します!!
後日談・・・
イチバは少し気になって、取材の数日後に神奈川県川崎市に立っていました。向かった先は宮前区久末の「萬盛庵」。
ここは親子で営む町のお蕎麦屋さん。常連客で賑わう中に、熊井さんと同年代の男性がエネルギッシュに動いていました。
その男性は土子さん。少しお話を伺う事が出来ました。
「熊井さんとは矢口渡(大田区)で隣同士だったんだよ!蕎麦屋をやるって言って、うちに習いに来てね~。中華で修行していたから覚えるのはとても早かったね。元気にしてるかい?」
イチバは鎌ヶ谷で食べた「萬盛庵」の原型であろう「五目中華」を食べて、取材の時の話をしました。
「熊井さんに伝えてくれよ!料理やめて年くっちゃだめだよってね。もし、大変なら俺はいつでもバイクで手伝いに行くからさ!暴走族って呼ばれてんだ!笑」
「体が続く限りお互い頑張ろう!」
マッスルコメント
熱き職人達の話を聞いて、イチバも倒立マッスル!
萬盛庵
住所/鎌ヶ谷市東初富2-8-55
TEL/047-445-3188
営業時間/11:00~20:00
定休日/木曜
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