ヒルトンホテルの本格中華料理を三咲で食す!?懐石中国料理「雅」
読者の方から情報提供がありました。
<情報>
新京成線三咲駅近くにある「雅」という中華料理レストランが気になっています。もし取材がまだでしたら、よろしくお願いします。
くじらさん情報提供ありがとうございます。
皆さんも新店、閉店、気になるお店、オススメのお店、街の疑問などなどありましたら「情報提供フォーム」よりどしどしお寄せください!
というわけで早速取材させていただくことにしました。お店の名前は懐石中国料理「雅」です。
場所
美咲駅から徒歩3分、リブレ京成の少し先、ひがしんの向かいにあります。
店内
広々としていてゆったりとした配置の席間で、テーブル7卓28席という構成。白を基調にした高級感のある雰囲気です。
ファミリーのお客さんも多いそうで、子供用椅子も完備されています。店内が広いのでベビーカーの入店も楽でいいですね。
メニュー *取材時のものです
基本的にはコースやセットがメインとなっていて、コースの種類がとにかく豊富です。
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単品メニューはこんな感じです。おすすめは季節や仕入れによって変わります。
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お弁当(要予約)やステーキもありました。ステーキは厳選した肉を使用していて、隠れた人気メニューなのだとか。
実食
オーナーシェフの原田さんおすすめの「雅 レディスコースメニュー」をいただくことにします。
調理風景を見せていただきましたが、熟練の手さばきに思わず惚れ惚れと見入ってしまいました。
やはり職人さんの動きは「華麗」ですよねと言うと、「中華を作り続けて45年になるからね」と照れ笑いしながら答えてくれた原田さん。
そうこうしているうちに料理が出来上がりました。
Beautiful!
まるでホテルのコース料理のような美しい盛り付けです。
蒸し海老、野菜の酢漬け、蒸し鶏の胡麻ソース、クリームチーズ味噌漬け、クラゲの和え物という構成。
一つ一つがとても丁寧な仕事がされていて、どれも美味しくレベルの高さを感じます。
プリプリの海老に絡みつくチリソースは甘さと酸味が見事なバランスです。
丁寧に油で揚げられた甘鯛の鱗はパリパリサクサクの食感を演出します。弾力がある甘鯛の白身に絡めるクリームソースがまたとても上品な味付けです。
卵とご飯のシンプルなチャーハン。シンプルだからこそ一番味がよくわかる。絶妙のパラパラ加減!まさに熟練の技ですね。
フワトロ食感の杏仁豆腐は濃厚だけど後味さっぱり!杏仁豆腐好きなら一口で唸ること間違いなし!
食後には見た目にも綺麗な花茶。中の花は百合だそうで、華やかな香りが口に広がる中国茶です。
どの料理もとても美味しくて、このレベルの料理がこの値段で食べれるのは嬉しいですね。
人気の自家製ラー油?
店内で見つけて気になったこちら↓
四川の丸い唐辛子「朝天辣椒」という品種を使い、お店オリジナルで作る辣油が販売されていました。
このラー油は坦々麺で使用するらしく、お客さんの要望もあって去年から販売を始めましたが人気で既に何十本も販売しているそうです。
「この唐辛子は香りがいいんですよ。辛さもマイルドで旨味があるんですよね。うちの坦々麺にはこれ使っているんだけど、よかったら食べてく?」
えっ!いいんですか?それじゃあ遠慮なく!
というわけで坦々麺もいただくことに。麺類は別腹ですからね〜
こちらの坦々麺、実は胡麻ベースではなく醤油ベースのスープなんです。そこに先ほどの自家製ラー油がたっぷりとかかり、ひき肉と干し海老が具材に乗ったシンプルな構成。
これに大海老や牛バラなど色々な具材を乗せたものが単品メニューにあるそうです。胡麻ベースの坦々麺もありますが、オーナーシェフの一押しはこちらの醤油ベースでオリジナルレシピなので、ここでしか食べれない味だそうです。
醤油には中国の黒醤油を使っているので、ベースのスープ色が黒いのですが決してしょっぱくなく、奥深い風味と旨味を感じられます。
ラー油は見た目に反して辛さは控えめというかマイルドです。ただ香りがものすごく良くて、鼻に唐辛子独特の香りがふわ〜っと抜けていきます。
麺は細麺のストレート。スープとよく絡みます。これは確かに他で食べたことのない味でした。リピーターになる人も多いというのも頷けます。
お店のこと
オーナーシェフの原田さんにお話を伺いました。
懐石中国料理「雅」は2013年1月にオープンして6年が経ちます。
オーナーシェフの原田さんは学校を卒業してから、水道橋の「後楽園飯店」に見習いから入り中華の世界へと足を踏み入れました。6年ほど修行し、吉祥寺の後楽園飯店へ移動し3年ほど働き29歳の若さで料理長に抜擢され7年ほど働きました。その後舞浜のサンルートホテルへ移り4年ほど働き、舞浜ヒルトンホテルから誘われて以降18年以上舞浜ヒルトンホテルのコックとして働いてきました。
まさに中華料理一筋の人生。そもそもなぜ中華料理を目指したのか聞いてみると
「僕は地元が二和で、学生の時に二和の駅前の喫茶店でアルバイトをしていたんです。その隣に中華料理のお店があって、とても美味しかったので、よくそこで食べていたんです。ある時、何気なくご主人に仕事の相談をしたら、実は後楽園飯店の料理長だった人でね。もともと料理に興味があったのでそれならば見習いからということで紹介してもらったのがきっかけなんですよ」と語る原田さん。
まさに縁ですね。その後も料理でわからないことがあると、ご主人のところへよく相談に行ったのだそうです。
地元でお店を持つ
料理の世界に入り、和・洋・中・色々なシェフとの交流もあり、本物の味を知ることで料理に対する興味が深くなっていったと言います。
ヒルトンホテルで一緒に働いていた陳さんという方は、14歳から料理の道に入り、中国大使館で料理長をやっていた人で前菜、メイン、麺、点心、デザート、何を作らせても超一流の味だったという。今もデザートはこの陳さんに教わっているのだそう。
定年を迎える前に自分でお店をやろうと決意し、地元二和の地でお店をオープンさせました。
原田さんの経歴からすれば都内にお店を出す選択肢もあったかと思いますが、なぜ地元の二和だったのでしょうか?
「やっぱり地元が好きだから、本格的な中華を地元の人達に食べて欲しいという思いからですね。6年間やっていて一番印象に残ったのは、病気になってしまったお客様が、亡くなる直前にうちの料理を食べたいと言ってご家族で来てくれたことです。自分の作った料理を喜んで食べてくれる人がいる、それこそがやっぱり料理の原点だなと思います」と語る原田さん。
若い頃にも一度独立しようか考えたこともあったそうですが、今思い返してみれば全然実力が伴っていなかったので、しなくて正解だったと言う。それだけ料理の世界というのは奥深いものなのですね。
中華一筋に生き、円熟した技術を持った一流ホテルのシェフが作り出す料理は、どれもとても上品で美味しかったです。何よりも原田さんの優しい人柄は、料理にもにじみ出ていました。
まだ入ったことがないという人は、是非一度食べに行ってみてはいかがでしょうか?
懐石中国料理「雅」
住所/船橋市二和東6-44-9
TEL/047-448-1616
営業時間/11:30〜21:30(LO.21:00)
定休日/月曜日(祝日の場合は翌日)
備考/P2台、禁煙
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