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2019-02-10

本場を超える“本物の味”を求めて手間暇かけて作るうどん「讃岐饂飩 まるは」

うどん好きですか?

東京の下町で生まれ育った私は、どちらかというまでもなく蕎麦で育ったタイプですが、社会人になって初めて香川に行って食べた讃岐うどんに衝撃を受けたことは今でも忘れません(これを個人的に第一次うどんショックと呼んでいます)。

その後、今から5年前くらいに九州の博多うどんに出会い再び衝撃を受けました(これを第二次うどんショックと呼んでいます)。

今では讃岐風のうどんを全国的に展開するチェーンも増えて、当たり前に食べられるようになりましたが、なかなか本場の味を提供するお店というのは今も少ないです。

そんな私に衝撃を与えたお店(ちなみに第三次うどんショック…もういいわ)が今回紹介する「讃岐饂飩 まるは」です。

 

場所

JR船橋法典駅を出てすぐ木下街道沿いの福太郎の隣にあります。

船橋法典方面から

馬込沢方面から

店舗が4つ並んでいる一番手前です

「讃岐饂飩 まるは」外観

 

店内

L字型のカウンター8席に、テーブル席が12席というレイアウトで、和テイストの落ち着いた雰囲気です。

店内(入口側から)

店内(奥から)

カウンター席

 

メニュー

うどんは中盛(400g)がデフォルトで、小盛(200g −50円)、大盛り(650g +120円)と3種類の麺量が選べます。

基本メニューは「温」かけ、かまたま、つけ、カレーの4種、「冷」ぶっかけ、しょうゆ、ざるの3種という構成に季節限定メニューが加わります。他にご飯もの、おでん、おつまみもあり、お酒の種類も豊富に揃っているので夜はおつまみで呑んで、うどんで〆るという使い方もできますね。

↓画像クリックで拡大

こだわり

オススメを聞くと、お出汁を是非味わってほしいということでちくわ天と半熟たまご天の乗った「かけ さぬき天」と、人気のつけ汁で食べる「肉汁つけうどん」をいただくことに。

毎日お店で仕込む自家製うどんは茹で時間15分ほど

自家製のうどんは小麦粉100%

えっ?当たり前なんじゃないの?と思うかもしれませんが、実は世間に出回っている多くのうどんにはデンプンが混ざっていることが多いという。デンプンが入ると簡単につるっとした食感になり保存も長くもつのだそうです。

しかしデンプンが混ざる分、小麦の香りは減ってしまいます。その点、小麦粉100%のうどんはダイレクトに小麦の香りを楽しむことができます。

小麦粉100%は手間がかかる

ではどうやってつるっとした食感やコシを出すのか?

それは捏ねては寝かせ、捏ねては寝かせを繰り返し1日半かけて完成させるという手間こそが生み出すものだと言います。

そうこうしているうちに、うどんが茹で上がりました。

「かけ さぬき天」

黄金色の澄んだお出汁にうどん、わかめ、そしてちくわ天に半熟たまご天という構成。

澄んだお出汁!ふわ〜っと立ち上るいりこの香りがすごい!

まずはお出汁を一口…

ため息が出るほど芳醇な出汁の香りと旨味!

目を閉じれば穏やかな瀬戸内の海が見える、まさに讃岐にトリップしてしまう“いりこ”の香り…すごいです。

でも本場の味ともまた少し違うというか、むしろ香りはこちらの方が上のような気がします。

店主曰く、本場讃岐は旨味調味料(味の素)の文化があり、出汁に入れているお店も多いという。

それが悪いわけではないが、まるはでは旨味調味料は使わずに天然の素材だけでお出汁を作っています。

これがどういうことかというと、旨味を出すためには通常の倍以上の材料が必要になるということです。

なるほどどうりでその分上品な旨味と香りがするわけですね。

うどんリフト

うどんを一口…

ツルッとした口当たり、モチっとしたコシ、噛むほどに広がる小麦の香り!

う〜んこれはまた凄いです。やっぱり噛みごたえというか、歯を入れたときのうどんの粘りが違いますね。小麦粉の甘みと香りが存分に味わえます。

そして口当たりが本当にツルッとしています。本場讃岐では麺を飲むと言いますが(実際私も飲んでる人見ました)、まさにこれはその喉越しが味わえます。

ちくわ天はなんと丸々1本のド迫力!!!

半熟たまご天はとろ〜りと

讃岐直送のかまぼこ

天ぷらもびっくりしたのは、ちくわが1本丸々だったこと。しかもこのちくわすごく美味しい。聞くとかまぼこもそうですが練り物は香川から直送で仕入れているそうです。

まるはのうどん、レベル高すぎ

 

夢中になってかけうどんを啜っていると、肉汁つけうどんがやってきました。

「肉汁つけうどん」

うどんアップ

つけ汁アップ

つけ汁につけていただきま〜す!

冷しのうどんも絶品!つけ汁も出汁が効いて濃厚!

先ほどは温かいうどんでしたが、冷やしのうどんはさらにダイレクトに小麦粉の旨味、食感、喉越しが味わえました。つけ汁は温かくて濃厚。こちらもベースで使われている出汁は同じですが、かえし(醤油、みりん、ザラメ)が違います。

武蔵野うどんを着想にして生まれたメニューで、本場讃岐にはないですが、このうどんに合うようにつけ汁を試行錯誤して作り上げた逸品です。

つけ汁系のうどんは、他でも食べたことはありますが、やはりこちらのつけ汁は出汁が違いますね。他とはちょっと一線を画す美味しさでした。もう一度言います…

まるはのうどん、レベル高すぎ

うどんと同じ出汁で煮込んだおでん。これも絶対美味いだろうなあ・・・

流石にうどん2杯でお腹はパンパン…おでんは入りませんでしたが、同じ出汁を使って煮込まれているそうで次回絶対食べようと心に決めました。

 

お店のこと

店主の羽佐間さんにお話を伺いました。

店主の羽佐間 敦さん

讃岐饂飩まるはは2010年3月にオープンして間も無く9年が経ちます。

羽佐間さんは東京生まれの船橋育ち。21歳の時から調理の道へ入りました。

都内の洋食レストランやホテル、イタリアン、フレンチなど洋食のコックとして20年以上働き、その後8年ほど創作エスニック料理のお店で働きました。

ずっと雇われてきたので、そろそろ独立をしようと考えて、洋食をベースにしたお店をやろうかと考えていた時に、たまたま香川県に行き初めて食べた讃岐うどんに衝撃を受け、讃岐うどん屋をやろうと決めて結局そのまま1年間香川県丸亀市に移り住むことに。

丸亀の有名店で修行をし、その後は長年コックとしての経験もあったので、色々なお店を食べ歩いて独学で自分なりのレシピを作り上げていったそうです。

旨味調味料を使わない手法は、洋食のブイヨンなどの考えがベースになっているそうで、確かにそのこだわりは本場讃岐とは考え方が違う、ある意味ではオリジナリティとも言える部分ですね。

「洋食だと食べる年齢も限られますが、うどんは老若男女、年齢や性別を問わずに色々な人に食べてもらえるのがお店をやろうと思ったきっかけでもあります。で、どうせなら本場に負けないくらい美味しいうどんを食べて欲しいと考えて、お出汁やうどんにはこだわりました。おかげさまでお子様から年配の方まで幅広いお客様に食べていただけて嬉しいです」と語る羽佐間さん。

それは紛れもなく讃岐うどんですが、ある意味では本場を超える“本物の味”とも言える讃岐うどんでした。

まだ食べたことがないという人は是非一度食べにいってみてはいかがでしょうか?

 

讃岐饂飩 まるは

住所/船橋市上山町1-128 藤井マンション101号

TEL/047-701-5708

営業時間/昼11:00〜14:30(LO14:00) 夜18:00〜21:30(LO.21:00)

定休日/水曜、第一火曜

↓地図はこちら

 

 

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