インド×欧風×熟練の技! イタリアンバル「coccio831」で、噂のカレーをいただきます
チャオ!(イタリア語で、やあ!)
「カレーが評判のイタリアンバルがある」との噂を聞きつけ、今回は船橋の「coccio831」へ。イタリアンなカレー? トマトや魚介を使うのかしら?? ←単純すぎ とあれこれ想像は尽きませんが、兎にも角にも百聞は一食にしかず。行ってみたいと思います。
独自のスパイス使いでオリジナルの味を編み出す店主たちと、その極上の一皿を求めて三千里。今日もめくるめくカレーワールドへいざ!
場所
JR船橋駅南口、または京成船橋駅から徒歩3分ほど。三菱東京UFJ銀行のATMの角を曲がってまっすぐです。……と、偶然にも、前回取材させていただいた「サンライズ」の目の前でした!
8坪の店内にはテーブル8席、カウンター4席。オフホワイトの壁に木の床、木製のテーブルや椅子が配されて、あたたかい雰囲気です。カウンターや壁はオーナーの村田雅史さんによるDIY!
店名のcoccioは、イタリア語でカタツムリの殻。小さな家をイメージして付けたというその名の通り、隠れ家的&おしゃれな空間で、これはテンション上がります~。
黒板に書かれているのは、おすすめのメニュー。飲んで食べられるバルなので、お酒にもこだわりあり。
中でもワインは、無農薬・無添加の自然派ワインを中心に、村田さんが厳選した10種類ほどが常時揃います。ぶどう本来の力を最大限引き出す栽培法を実践している作り手も多く、それゆえピュアな味わいが楽しめるとか。あまり詳しくない人(私)にとってワインはハードル高めですが、「好きなように飲んでいいんですよ~!」とのこと。相談も気軽にできそうです。
自慢のグリル料理
coccio831では、産直野菜や旬の食材を、塩とオリーブオイルを使い溶岩石で焼き上げるグリル料理がウリ。例えば、ブラックアンガス牛のグリル150g 1480円~は、牛の肩ロースの一部で随一の霜降りとされる希少部位・ハネシタを堪能できる一品です。赤身肉の旨みを思う存分楽しめますよ! 食べたい。
月替わりのスパイスカレー
そしてそして見つけました。本日のスパイスカレー!
カレーは月替わりだそうで、1月はエスニック風シュリンプスープカレーです。
まずはエビを炒めてからベースを投入し、最後にガラムマサラやナンプラーを入れて仕上げます。スパイスの持つ繊細な香りをフレッシュ且つダイレクトに楽しめるよう、香り系のスパイスは最後に入れるそうです。ナンプラーがほんのり香ってエスニックな雰囲気。エビとナンプラーってテッパンの組み合わせですね(大好きだ!)。
じゃじゃーん
お待ちかねのカレーが登場。レンコン、パプリカ、サヤエンドウ、ジャガイモ、カボチャ……。野菜の鮮やかな色合いが目を引きます。素揚げすることで、野菜本来の甘みが引き出され、発色もより鮮やかです。しかも、パプリカ以外は全て、村田さんの地元・船橋の友人の農家で採れた野菜だそうです! おいしそう~
いわゆるスープカレーとは少し趣が異なり、サラサラすぎず、とろみもあって舌触りが特徴的。
「スープカレーは、カレースープであって欲しいという思いから作りました」(村田さん)
ベースは、セロリやショウガ、ニンジンなどにオリジナルでスパイスを調合し、ミキサーでポタージュ状にして作るそう。これが、先ほど感じた「特徴的な舌触り」の正体なんですね。クミン、コリアンダー、ターメリック、フェネグリーク、カルダモンなど多様なスパイスの饗宴を、まろやかな食感で包み込みます。このバランスが絶妙。なんていうか、完成度&オリジナル度が高いです。おいしい!!!
フレンチのシェフ歴が長かった村田さんが、インドカレーに出会ったのは、とあるインド人夫婦がきっかけ。二人の引越しを手伝ったところ、お礼に手製のインドカレーをご馳走になったそうです。「それが美味しくて!」見よう見まねでカレー作りを始めます。
スパイスを使って炒めるインドカレーと、コクや味の深みを重視する煮込みの欧風カレー。カレーといえど別物である両者のいいところを合わせられないか?と、村田さんは独自にレシピを開発。何度も試作を重ね、現在のスタイルにたどり着いたそうです。
「インドカレーって、フレンチ出身の僕からすると作り方が結構ザックリなんですよ(笑)」
フレンチの現場で培った緻密な調理法と素材の扱い方、そしてインドのスパイス使いを融合させた村田さんの作るカレーは、深いコクがあるのにスパイシー! その立体的な味わいは、計算し尽くされた熟練の技ゆえ。カレーは昼夜問わず提供しているので、時間を見つけて是非、味わってみてほしい!
小さい頃からものづくりや仕組みを知ることが好きだった
オーナーの村田さんは、二和向台出身。「母親に唯一褒められた」という料理を学ぶべく、高校卒業後にフレンチの世界へ入ります。千葉県内や都内のレストランで料理長を勤めたあと、洋食やイタリアン、無国籍料理など数々のジャンルを経験。もともと何かを作るのが好きで、小さい頃からラジオなどの機械を分解・組み立て直してはものづくりの魅力に触れていたそうです。
「料理もゴール(=理想の味)ありきで、そこから逆算し倫理立てて考えていきます」。
頭の中で立てた仮説に基づいて味を組み立てていく作業は、幼い頃に培った経験そのもの。食材が持つ特徴を最大限引き出すために、食材ひとつひとつと真摯に向き合う姿勢も印象的でした。レシピが手放せないイナバからすると、もはや崇拝の域。取材に来たのに、料理の悩み相談をしてしまいました。
実はcoccio831の前身は、小さなカレー屋 COCCIOというスパイスカレー専門店。さらにその前は、イタリアンのお店だったそうです。
「2010年にイタリアンとしてこの地にオープンしたのですが、2014年に体調を崩してしまい、働き方を考えなくてはいけなくなったんです。以前からカレーを主力メニューにしたいという思いがあったことと、自分の体調を考慮し、2016年にスパイスカレー屋にシフトチェンジしました」
15種類ほどのスパイスを使った野菜メインのカレーは、たちまち評判に。しかし「もう一度イタリアンが食べたい」などの声もあり、2年ほど続けたのちに、カレーも提供するイタリアンバルに進化を遂げました。
3店舗の形態は様々ですが、共通しているのが野菜なんです。お気付きの方もいるかと思いますが、店名の831は「やさい」の意。村田さんの地元・船橋で友人が営む農家をはじめ、信頼する契約農家から仕入れる新鮮な野菜を使ったメニューも豊富です。
リーズナブルに、自然派ワインや、野菜が主役のイタリアン、こだわりのスパイスカレーが楽しめるcoccio831。駅からも近く、ふらっと立ち寄れる気軽さも魅力です♡
coccio831
住所/船橋市本町4-4-4 2F
TEL/047-426-2202
営業時間/11:30~14:00、18:00〜22:00LO(火・金曜は18:00〜22:00LO)
定休日/日曜、不定休あり
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