船取線沿い、試行錯誤を繰り返し完成したオンリーワンの味噌ラーメン「麺屋 和ッ」
マッスルラーメンレポも1周年!!って言うか、まだ1年した経っていないんですね。気づいたら第34回になっていました。
自称日本一ラーメンを食べているアスリート(自分調べ)こと一場治之進です。
34回もやると、さすがに色々と学ぶ事もありました。
取材でラーメンを食べた後に、プライベートでラーメンを食べると太るとか、背脂系のスープを焦って飲むと口の中を火傷するとか、試行錯誤の連続ですね。
今回は、そんな試行錯誤を繰り返して自分の味を見つけたラーメン職人を尋ねました。
場所
最寄り駅は東武アーバンパークラインの馬込沢駅ですが、1.2㎞程離れています。馬込沢方面からは県道8号線(通称:船取線)をグーーーーンと鎌ケ谷方面に走ると左側に見えます。道野辺小学校が近くにありますね。
駐車場はかなり広いのでトラックでも全然OK牧場ですね。実は、昔は「屋台ラーメン(閉店)」と言うお店があった場所で・・イチバがラーメンを食べ歩くきっかけになったお店でした。それだけに、こちらもオープン当初に来た記憶があります。ちなみにイチバは生粋の※コレクターなので、何年も来ていませんでした。昔は「札幌ラーメン」を前面に出していた記憶があります。
「コレクター」について説明しよう!そもそもラーメン屋を行脚するラーメンフリークは2パターンに分けられる。ある気に入ったお店を一途に定点観測し、店員の人事からスープの当たり時間までを把握する「リピーター」。常に情報にアンテナを張り、次から次へと旅人の如く色々なお店を渡り歩き新たな刺激を求める「コレクター」が存在する。どちらもスペシャリストではあるが、これらが混在するグループでは食べるお店を選ぶ際に意見が分かれる事があるので注意。
メニュー・店内
店主の浅海さんに聞くと「好き好きでしょうが・・やはりまずは“白みそ”を食べてもらいたいですね」とのことで白みそを注文します。
店内はカウンターのみ11席で、店名が表すように・・どこか「和」の雰囲気を感じますね。
調理
店長の浅海さんにお願いして調理を見学させて頂きました。
「太麺と細麺どっちにしますか??」と、不意に聞かれたので
「太麺でお願いします!!」と太麺をチョイス。ちなみに、どちらも北海道産小麦100%だそうですね。
かつて札幌ラーメンの看板を掲げていた影響なのか、炒め野菜が登場しますが・・・札幌系特有のスープと野菜を一緒に炒めるのではなく、別々に作ります。
「野菜と味付けした挽肉はラードとマー油(ニンニク油)をブレンドしたもので炒めます。スープと野菜を別々にするのは、お客さんが食べながら混ぜて味の変化を楽しめる様になんです。」
なるほど、オリジナルな調理方法なんですね。段々と香ばしい香りが漂ってきて、イチバの腹直筋の奥(つまりお腹)は空腹限界マッスルになります。
実食
着丼した瞬間に「これはかなり良いんじゃないか」とマッスルセンサー(ある種の勘)が働きます。
以前食べた写真があったので見比べてみても、オープン時のものとはだいぶ様相が違います。確か、麺も札幌系御用達の「西山ラーメン」を使用していました。
スープは「白みそ」「赤みそ」共に別々の配合で8種類もの味噌をブレンドした味噌ダレ・・それに豚骨・鶏ガラ、昆布などで6時間ほどかけて作ったスープを混ぜています。背脂やスパイスの影響もありますが、かなりガツンなインパクトと味噌特有の奥深く素朴な旨味が強く効いています。
札幌系と違うのは、炒め野菜とスープが別なので、前半は味噌本来の香りが楽しめます。後半は炒め野菜の香ばしさがスープに溶け出して、「味噌ラーメン」らしい炒め野菜のエキスと味噌のコラボが楽しめます。
「原点は子供の頃に食べたラーメン屋の味なんです。それから試行錯誤してこの味を出すまでに苦労しました。味噌は発酵もするし、寝かせる時間で味も全く変わるんです・・だから作ってみないと分からないので扱いが難しいんですよ。」
麺は極太平打ち縮れの手打ち風ですね。かなり特殊な太さです。実は、今回イチバが一番驚いたのはこの麺!!
噛んだ瞬間に小麦の香りとモチモチ感がしっかりと出ています。また、不揃い故の口の中で麺が躍る食感も良いですね。と、言っても背脂が浮いた旨味たっぷりの味噌スープあっての生きる麺なのですが。
気になった製麺所を聞くと・・「実は製麺所じゃないんです。北海道産小麦100%で、他に色々入れられたくないので小麦屋さんに麺を作って貰っています。」とのこと。どうりで他では食べた事のない麺な訳です。
具は基本的に手作りと言う事で、メンマ・味玉・八角の香りが効いた肩ロースチャーシュー・日光からわざわざ取り寄せていると言う「黒豆モヤシ」・ニラ・キャベツ・・それにネギは矢切ネギの品評会で優勝した所に買い付けにいくと言うこだわり様。
「チャーシューはバラだと脂がキツくて、お客さんに高齢の方も多いので肩ロースにしました。」でも、スープにパンチがあるので肩ロースがしっかりと合っています。
ワシワシと取りつかれたように食べていると、気づいたら完食です!!いや、かなりのハイレベルな味噌ラーメンですね。
お店のこと
店主の浅海さんにお話をお伺いしました。
浅海さんは船橋市出身で、高校を卒業後に手作りパンのお店に就職しました。
「もともと何かを作るのが好きだったんですよ。だから、ただ漠然とですけど手作りの物を作りたいって思ってパン屋を選びました。」
就職後、お店にも慣れた頃・・半年でお店を退職する事になったそうです。
「自分の母が病気になって、看病する事になったんです。実家は自営で自分は三男なので、家業を継ぐ訳ではなかったですし・・看病は3年程続きました。」
その後はトラックドライバーを13年、それから内装屋・タイル屋・ブロック屋・ダクト工事など色々な職を経験したそうです。職人系の仕事が好きだったと言います。
そんなある日、浅海さんにターニングポイントが訪れました。
「知り合いの会社の社長がラーメン屋をオープンしようとしていて、ラーメン屋やってみたい人を探しているって話を聞いたんです。それで手を挙げました。」
もともとラーメンが大好きで、自宅で独学でスープから作っていたという浅海さん。趣味ではありましたが突き詰めて作っていたので既にお店を出せるまでの経験値はあったと言うわけです。
こうして、まずは鎌ヶ谷大仏駅近くに2012年11月6日に鎌ケ谷店をオープン・・その後2013年1月6日に、ここ船橋店をオープンしたそうです。一時は2店舗の営業だったそうですが、程なくして船橋店のみの営業になりました。
オープンの時に比べるとだいぶスタイルが変わったラーメンについて聞くと
「オープン時は札幌ラーメンのお店が監修に入っていましたが、やはり自分が美味しいと思える味噌ラーメンを作りたかったので、その後は味噌、スープ、麺、具材に至るまで、作り方を見直して試行錯誤を繰り返してきました。ここ数年でやっと自分の納得できる味=完成系になりました。」
試行錯誤による進化は今回食べてみてよく分かりました。その突き詰める姿勢はまさに生粋の職人なんですね。
「地元の80歳の方が杖ついて食べに来てくれるお店なので、嘘をつきたくないんです。自分のラーメンに自信があって、材料も健康でいられるようにって・・良いものを出したい気持ちが強いんです。安くするより良いものを・・それがサービスだと思っています。」
まさに浅海さんらしい職人気質の言葉を聞くことが出来ました。
マッスルコメント
試行錯誤で辿り着いた極上の1杯!イチバも負けずに毎日毎日トレーニングマッスル!!
麺屋 和ッ
住所/鎌ケ谷市道野辺3-594-3
TEL/047-430-3383
営業時間/平日11:30~14:00 19:00~23:00
土曜11:30~15:00 18:00~23:00
日・祝11:30~15:00 18:00~22:00
定休日/水曜
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