無駄を削ぎ落としシンプルを極めた1杯!ラーメンに乗せた夢の道筋!「麺屋むどう」
年末が近づくとテレビでラーメンネタが増えるので、無性にラーメンを食べたくなりますよね。
毎日がそんな年末の様な自称日本一ラーメンを食べているアスリート(自分調べ)こと一場治之進です。
第45回の今回はイチバが「旨い煮干しラーメン」を無性に食べたくなったので、噂に聞いたお店に取材に来ました。
場所
新京成電鉄「五香駅」の改札を降りて右側の階段を降りるとロータリーと商店街が広がります。その前方右手の「みずほ銀行」前の通りを常盤平方面に歩くと右手に今回のお目当てのお店「むどう」が見えます。距離にして100ⅿ程なのでアクセスは抜群です。
店構えはビルでありながら「和」の作りで独特ですね。これは美味しいラーメンを食べさせてくれそうな予感がしますよ!!期待と食欲で大円筋はパンプしまくりです!!早く「旨い煮干し系ラーメン」を食べたくて手がガタガタ震えます。
店内
店内は落ち着いた雰囲気でカウンターのみL字に9席です。厨房の中がはっきりと見えるのが特徴ですね。実際、調理する店主との距離が近いので待っている間も調理が見える「ラーメンLIVE」を楽しめます。これはラーメン屋の醍醐味だとイチバは思います。
メニューは基本の醤油・塩に加えてつけ麺・煮干しがありますね。それに各種トッピングもあるので、迷います。
「はい迷った時は、エビバディセイ!」
・・・(無言の編集長)
券売機左上の法則ですね!
今回はデフォの「醤油」に「もちまる餃子」をポチしました。やっぱり寒くなるとお腹が減って、サイドメニューにも手が伸びますよね。と、ゴニョゴニョ言い訳をしながら店主の里さんに食券を渡します。
調理
店主の里さんにお願いして調理を見学させてもらいました。
「スープはカタクチイワシの煮干しと昆布と椎茸のみで、2時間程煮込みます。タレは地元のヒゲタ醤油を使用しています。」
かなりシンプルなスープですね。
切ったチャーシューは一度温めます。一つ一つの作業が落ち着いていて丁寧な印象。
実食
これが「むどう」の醤油ラーメン。かなりシンプルなビジュアルですね。それだけに、麺とスープに誤魔化しが効かない。こう言う直球のラーメンを見ると嬉しくなります。
スープは煮干しがメインでかなり上品に仕上げています。一口目にス――――――――っと煮干がキレ良く効いて、爽やかに引いて行きます。
動物系を使わなくても物足りなさが皆無なのは凄いですね。店主里さんの修業先である「夢館(ゆめやかた)」の江戸川台本店に似ています。オリーブ油で作った香味油も重さが無く後味が良いですね。
麺は菅野製麺の中細ストレート麺で加水率は高め。これもまた上品な口当たりの麺ですね。麺自体は細めでありながら、プリプリ感が感じられます。この上品に仕上げたスープとベストに近い相性を感じます。
具は青菜・メンマ・ナルト・ネギ・バラロールチャーシューとシンプルですね。脂身の多いバラロールチャーシューは全体的に動物系が少ない部分をカバーしている印象があります。
特筆すべきは全体の仕上がりの完成度です。エグ味や雑味といった不自然さが無く、純粋に煮干しの旨さだけを味わえます。
サイドメニューの「もちまる餃子」は団子の様に丸い形で水餃子の様に茹でてあります。
里さんに伺うと・・「知り合いの方から仕入れているんですよ。愛媛のメーカーなんですけど、モチモチしていて独特なんです。普通の餃子の皮と同じ成分らしいんですが。」
一つ口に入れると、本物のお餅の様なモチモチの食感に驚きます。これが餃子の皮と同じ成分とは思えません。完全に餅米を使っていると錯覚します。中は餃子と同じ具材ですね。餃子と同様に醤油や酢で食べても良し!里さんオススメの柚子胡椒で食べてもGOODです。一度は食べてもらいたいサイドメニューです。
お店のこと
里さんは松戸市出身で、高校まで松戸市の学校に・・・大学は経営学部に進学したそうです。
「高校の時から8年間、コンビニのバイトをやっていてとても楽しかったんですね。だから自分は接客業を仕事にしたいと思って、大学時代はラーメンの食べ歩きをやっていたのでラーメン屋を目指す事にしました。」
確かに気さくで明るい接客は初めての来店でも居心地の良さを感じますね。ちなみに修行先は・・?
「食べ歩いた中でも特に好きだった夢館(ゆめやかた)で修行する事になったんです。」
夢館と言えば、早い時期からハイレベルな煮干し系ラーメンを出していた※永福町大勝軒の系譜のお店ですね。江戸川台に本店を持ち、新松戸・柏に支店を持っていました。柏店を残して閉店し、2019年11月現在は柏店も閉店しています。
説明しよう!!永福町大勝軒とは、「つけ麺」の元祖の「大勝軒」と同名ながら、全く関係ないお店であり煮干し系中華そばのパイオニア的なお店だ。文字通り杉並区の永福町駅の目の前に本店が鎮座し、創業は1955年。初代店主は草村賢治氏で、この系統のお店が使う製麺所「草村商店」は同族経営だ。ラーメンを「中華麺」と呼び、大ぶりの丼にたっぷりの煮干しの旨味が効いたスープに多めの中縮れ麺。ラードでスープに蓋をしているので最後まで熱々なのも特徴。常に修行生を募集しており、月給が40万円(2019年現在)と言う高額である事や採用基準に身長170cm以内(現在は不明)と言う謎の基準がある事が知られる。創業時の「氷の無料サービス」や原価率80%と言うエピソードが有名。首都圏にその系譜のお店が点在し、千葉県では柏市の「大勝」や北習志野の「大勝軒(北習大勝軒とは別のお店)が有名。
「僕が夢館で修行した時には創業者から経営が変わっていました。合計で6年いたのですが・・最後に残った柏店は3店舗の総店長がオーナーになっていましたね。」
「むどう」の醤油を食べた時に、「夢館」創業時の江戸川台本店の味にかなり似ているとイチバは感じました。煮干し系でありながら苦味が皆無で上品なキレがあります。
「何故かよくそう言われるんですよ。お客さんも修行先“夢館”でしょと当てるんです。僕は創業時の味を食べていないし、今は夢館とはレシピも変えているんですけどね。」
夢館での6年間の修業後に2012年9月、五香に「むどう」をオープンします。
あっさり系のラーメンなので、飲み屋が近い場所を探していた時にこちらの物件に出会いました。店名の由来は修行先の夢館の”夢”とラーメン職人として「ラーメン“道”」を生涯歩み続ける、そんな決意と覚悟を込めて「むどう(夢道)」とつけたそうです。
素敵な店名ですね。修行先をリスペクトしているのが分かります。
無駄をそぎ落とす
「最初は夢館(柏)のレシピをベースにしてました。でもやっているうちに、本当にこんなに材料がいるのかな?と疑問に思ってきたんです。もっとシンプルにできないか?そこで材料を省いていこうと。まず動物系、次に野菜、最後に節系の材料をやめました。その分のコストを煮干しに回して、最終的に煮干と昆布と椎茸という3つになったんです。でもそうしたら不思議と夢館の創業の時の味に近くなったという(笑)」
実際に夢館の創業者はかなりの勉強家だったそうで、味を少しずつ変えて試行錯誤していたと言います。
それにしても普通なら材料を増やす方へ考えがちですが、その逆で減らす方に行くという所に、里さんの無駄を削ぎ落としていくストイックな姿勢が伺えますね。
ストイックといえば、里さんの体系が筋肉質なことに気がついたイチバ。
もしかして里さんウエイトやってます?
「実は筋トレが趣味なんです。最初は健康維持のために始めたんですが、やっているうちに体に線が出てきて面白くなっちゃって・・・今では休憩時間にもジムに通っちゃうくらいになりました。なんか筋トレしてないと気持ち悪いんですよね。」
ラーメンの材料だけでなく、自らの体の無駄も削ぎ落とす!まさにMr.ストイックな里さん。
この後、イチバとのマッスルトークに花が咲いたのは言うまでもありません。
マッスルコメント
筋トレ店主の里さんとコラボして上・腕・二・頭・筋マッスル!!!
麺屋 むどう
住所/松戸市常盤平5-11-23インシュランス5 1F
TEL/047-710ー0303
営業時間/火曜〜金曜11:00~14:00 18:00~21:00
土曜11:00~15:00 18:00~22:00
日曜11:00~15:00
定休日/月曜(祝日の場合は翌日)
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