研ぎ続けた技術!阿弥の精神が宿った1杯!鎌ケ谷大仏の「居酒屋・麺阿弥けんちゃん」
皆さんマッスルしてますか??
鎌ケ谷市内の某ショッピングモールで、携帯屋のお兄さんが配っている「うまい棒(チーズ)」を貰ったところで「鎌ケ谷・船橋あたり」の読者さんに声をかけられました…。
「特徴的だから、すぐ分かりました」という読者さん。うまい棒をもらっている恥ずかしい姿を見られて赤面クライマッスルだったのは言うまでもありません・・・
そんなうまい棒大好きマッスル改め、自称日本一ラーメンを食べているアスリート(自分調べ)こと一場治之進です。
第36回は鎌ヶ谷大仏の「居酒屋・麺阿弥けんちゃん」に突撃取材に来ました。
場所
新京成電鉄の「鎌ケ谷大仏駅」から、前を走る県道59号線(木下街道)を背に大仏南通り商店街を100ⅿ程歩くと右手にあります。大通りではありませんが、正に駅前ですね。
店内・メニュー
店内はカウンター6席・テーブル4席×2・座敷4席の計18席です。和テイストの居酒屋っぽい雰囲気もありますが、ラーメン屋としてもよくある席構成になっています。
さて、今回は気になった「生ビール」と「肉ピザ」と言おうとしたらイヨリ編集長が「居酒屋担当は私なので一場さんはラーメンを。」と遮られたので、気を取り直しラーメンのメニューを探します。
「煮干系中華そば」と書かれていて、それならば出汁が分かる「正油」か「塩」だろうと思っていたら、店主の斉藤さんが「塩のがスープがダイレクトに分かりやすいかな」とおすすめをいただきました。
それならばと今回は「塩」を注文します。
調理
店主の斉藤さんにお願いして、調理を見学させて頂きました。
厨房を見ると、居酒屋らしく色々な料理を仕込み中でしたがラーメン専門店で見られるような大きな寸胴は見当たりません。
居酒屋がメインなので、毎日スープを炊くわけにもいかないのである程度仕込んだら冷凍して、使う分だけ解凍して使うとのこと。「ラーメン専門店ではないからな」と思ったのも束の間、「スープはゲンコツ・背ガラ・鶏ガラの動物系と煮干しメインで鯖節・鯵節・鰹節の魚介系を別々でとって、最後に合わせる”Wスープ”で作るんです。火をかけて10時間で、完成までは合計12時間ぐらいかかりますね~。」
・・・・スープの作り方は完全にラーメン専門店レベルでした(汗)
今まで取材したラーメン屋とは違う環境と道具で一杯のラーメンが作られました。
無駄の無い集中した熟練の料理人の動きにイチバの大腿四頭筋は緊張でパンプしまくりです。
実食
第一印象は「完全オリジナル」!!過去数千杯食べたイチバの記憶にもないビジュアルに驚きました。加えて、この時点でかなりの完成度と言うのが分かります。少なくとも¥600-(取材時)で食べられるラーメンではないでしょう。
スープは所謂「豚骨魚介系」に位置するのでしょうが、動物系の厚みの上に節系の酸味と旨味が波の様に押し寄せます。力強く上品!そして、出汁感が凄いですね。上品さを保てるギリギリのラインで荒々しい魚介系の香りを留めています。表面に焦がし油が効いていて、独特の強いコクがあります。
「焦がし油はネギとニンニクをラードで揚げているんです。火を止めてから桜海老を投入します。これで野菜炒めや炒飯作ると旨いんですよ!」そりゃあ旨味が出るわけですね!
「これは相当旨いですねぇ~!」思わず口に出ました。実際、ラーメン専門店と比較しても県内で注目されてもおかしくないレベルですね。
「スープの上に※魚粉も入れています。うちの魚粉は煮干しをフードプロセッサーで細かくして作ります。」
もともと節系の旨味がギュッと効いている上に、魚粉が入っているので・・魚介系の旨さの二重構造ですね。スープが弱いと魚粉の旨味ばかり目立ち、平べったい味になりますが・・このスープは魚粉に全然負けていません。
説明しよう!!「魚粉」とは魚を乾燥して、砕き・粉状にしたものだ!フィッシュミール・魚粕と呼ばれる事もある。材料はイワシが多いがタラ・サンマ・ニシンなども使う。ラーメン屋では鰹節を粉砕したものなどを使う事もある。この魚粉をスープに投入する事で、手軽に強い魚介系の旨味を出すことが出来るのだ。ラーメンにおいては濃厚豚骨魚介系が流行った時代に、その系統のラーメンに使う事が多かった事から一気に浸透した。ちなみに豚骨ラーメンに魚粉を入れる事で、疑似豚骨魚介系ラーメンにもなる。海苔の上に魚粉を乗せてスープの上に漂わせる「海苔イカダ」も一部で流行った。強い旨味が出る反面、スープの地力が弱いと平べったい旨味のラーメンになる事もある。
麺は二和向台の珍来の中縮れで、札幌麺に近い印象ですね。ややプリプリ感が出て、すすりがいのあるウェーブが好印象です。
茹で加減も固くなく、スープをしっかりと持ち上げます。もちろんスープとの相性も抜群に良いですね。
「実は前は札幌の西山らーめんの麺を使っていたんです。でも珍来に”この麺出来る?”って言ったら”出来る”って言われたので変えました。札幌系の玉子麺が好きなんですよ」
具はネギ・メンマ・水菜・海苔・チャーシュー・・このチャーシューはなんと、お店で「豚バラ軟骨(軟骨ソーキ)」として出している物を使っているとか。確かにトロトロ感があり、スープと一体化するような食感とジワジワっとした脂の旨味があります。極上ですね!
お店のこと
店主の斉藤さんにお話をお伺いしました。
斉藤さんは、高校卒業までは松戸市に住んでいたそうです。
「父親が和食の料理人だったんで、小学生の頃から調理師になるって決めていたんです。高校卒業後は池袋の白雲閣と言う所で5年腕を振るっていました。」
白雲閣と言えば、1950年創業の老舗料亭ですね。早い段階で修業されていたんですね。
「もともと独立するつもりだったから、そこの料理長に相談して独立するための場所を紹介してもらったんです。居酒屋など2店舗、全部で8・9年程修業しました。」
初めから料理人としてのビジョンが見えていたとの事で、迷いなく真っすぐ腕を磨き続けたのが分かります。
「26歳の時・・平成8年に鎌ヶ谷市南初富にオープンしました。」
「あっ!!そうだ!イチバもその時に伺っています!!。」まだイチバが若い頃(20代)「すばる書店鎌ヶ谷店」の近くにあった居酒屋風のお店・・「西山らーめん」のロゴが入った暖簾を見て食べた記憶があります。あの頃も魚介系でしたが、全然レベルが違います。
「西山らーめんの麺は”パンケ(レポ17参照)やコタン(船橋市)”の麺が好きだったからかな。」
「ラーメンはオープンして5年ぐらい経ってから始めたんですよ。ラーメン屋を色々食べ歩いているうちに”俺ならこんなラーメン作りたいなぁ~”って思って作り始めたのがきっかけだったんです。」
やはり生粋の料理人なんですね。でも、前の店舗で食べたラーメンと今のラーメンは相当違いますね。以前も美味しかったのですが、今は更に洗練されています。
ラーメンの味はずっと試行錯誤を行っていたそうです。当時からレシピはすべて自己流・・・経験と研究を重ねて今の味にたどり着きました。
「ラーメンは元々500円握りしめて食べる物じゃないですか??色々な物の寄せ集めでハーモニーを出す・・”調和”なんです。」まさに「居酒屋ラーメン」の真骨頂ですね。
2016年9月に現在の所に移転してからも「ラーメンだけ食べてもいいですか?」ってお客さんが多いそうです。もちろんラーメンだけでも「歓迎」だそうです。
「ラーメンだけのお客さんが増えたら嬉しいですね。」と言われました。ふと見ると、「カルボナーララーメン」やホンビノスの酒蒸しを使ったラーメンの写真もあります。
最後に「麺阿弥」の店名の由来を聞きました。
「歴史が好きで”能”から取ったんです。昔、足利家がスポンサーになって能が栄えた時代に何かに没頭したり大成する人を観阿弥・世阿弥からとって”〇阿弥”とか言うのが流行ったんです。そこから取って”麺阿弥”なんですよ」
確かに腕を磨き続ける斉藤さんらしいですね。ちなみにトレードマークのイカはCGの仕事をやっているお客さんがデザインしたとか。当時斉藤さんが頭に巻いていた「ナルト」のバンダナがイカの頭に見えたとかで。何とも心温まるエピソードでした。
マッスルコメント
気合の1杯食べてマッスルポージング!!(友情出演:鎌ヶ谷市在住 Beef Sasaki Japan Classic アスリートモデル10位 渡辺選手)
居酒屋・麺阿弥けんちゃん
住所/鎌ヶ谷市鎌ヶ谷4-2-21
営業時間/18:00~24:00(たまに11:00~13:00も営業する事あり)
定休日/不定休(月に2~3日)
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