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2019-06-06

温めて広がる奥深き日本酒の魅力を伝える!“燗”で美味い純米酒と本格焼酎専門店「酒のはしもと」

以前北習志野のピッコラ トラットリア アニュ記事はこちらを取材した時に、日本酒とイタリアンの組み合わせにとても感動しました。

オーナーの中川さんが燗酒の魅力を知るきっかけになったという酒屋さん「酒のはしもと」に今回取材に行ってきました。

 

場所

習志野駅から徒歩3分ほど、習志野駅前通り商店街にあります。北習志野駅からも徒歩10分ほどです。

習志野駅から商店街を歩いて3分ほど左手にあります

成田街道から北習志野駅に続く道からだと途中のS字カーブの所を左へ入ります

ちょっと進むと右手にあります。

「酒のはしもと」外観

入り口脇には杉玉が飾られています

 

店内

店内には日本酒と焼酎がずらりと並び、現在は約80の酒蔵とのお取引があり扱う銘柄の数は700種ほどあるそうです。

店内(入り口から)

酒のはしもとで取り扱う主な日本酒は燗で美味い純米酒。もちろん冷酒も揃えていますが、力を入れているのは温めて広がる米の旨みを感じるお酒です。

私も日本酒は好きな方ですが、お恥ずかしながら知らない銘柄が多く、面食らってしまいました。

「全国には1500以上の蔵元がありますからね。そのうちメディアなどに出て有名になる銘柄はほんの一部、しかもほとんど大吟醸などの冷やして飲むお酒が多いので、初めてうちにくるお客さんはだいたい皆さん驚かれますよ(笑)」と語るのは社長の正木さん。

そう言われてみると全国で1万以上の銘柄が作られているのに、知っているのはほんの一部なんだなあと日本酒の奥深さを改めて認識させられます。

なぜ燗酒にこだわるのか?聞いてみると

「日本酒が他のお酒と決定的に違うのは、燗で温めることでしっかり旨味を感じ味わいが広がる部分にあると思うんですよね。それが昔からの日本酒の一般的な飲み方であり伝統でもある。その魅力を今の時代に伝えていきたいなと思っているんです」

なるほど、確かに冷酒=良い酒、燗酒=悪い酒というイメージがなんとなく自分自身にもついていましたが、時代劇に冷酒は出てこないし、それこそ日本酒の昔からの飲み方はやっぱりですからね。

もちろん冷蔵ケースには冷やで美味しい日本酒もあります

「燗酒を勧めるもう一つの理由は、温めた酒は唾液を分泌し、料理の脂を溶かすので料理を美味しくします。また冷たいお酒は酔いがまわるのに時間がかかるのでつい量を多く飲みがちですが、温かい酒は酔いの回りも早いので適量で程よくいい気分になれます。翌日のスッキリ感も違いますよ」

確かに熱燗はグビグビとは飲めないのでチビチビと料理と一緒に楽しめるのでペースもゆっくりになりますよね。しかも内臓を冷やさないので体にも優しいのは確かですね。

 

焼酎の品揃えもすごい

日本酒以外にも焼酎の品揃えも豊富です。

麦、芋、黒糖、米と様々な原料の焼酎が揃っています。焼酎もお湯で割って、温めて美味しいものを基本にセレクトしています。

焼酎のオススメの飲み方は前割りだそうで、これはあらかじめ水と焼酎を好みの割合で混ぜて寝かせてから飲む方法で、寝かせる日数は3日〜1週間程度ですが、1晩寝かせるだけでも味わいに変化が出るそうです。

あらかじめ割っておくことのメリットは焼酎と水がよく馴染むことで、飲む直前に割ったものと比べると格段にまろやかな口当たりになります。これを温めて飲むと焼酎の本当の美味さが分かるといいます。

 

倉庫で適温保管

店舗の隣にある倉庫を見せてもらいました。

2階建の倉庫、地下1階もある

1Fは冷蔵保管する日本酒の貯蔵庫。全部で4機あります

地下1階の貯蔵庫は、冷蔵まで行かないが、ひんやりとしていて保管に最適な温度帯になっています

2階は焼酎の倉庫。こちらは常温です。焼酎は年数を重ねると熟成して味わいもまろやかになります

地下1階、1階、2階とそれぞれのフロアで温度帯が変えられていて、各種お酒の種類に最適な温度で保管されていました。

特に地下の貯蔵庫は絶妙なひんやり感で、ここで保管されているのは燗で美味しい純米酒たちです。これらのお酒も適温で保管して年数を重ねると熟成して美味しくなるそうで、保管方法一つを見ても、作り手が丹精込めて作ったお酒に対する敬意を感じました。

 

お店のこと

社長の正木さんにお話を伺いました。

社長の正木成幸さん

酒のはしもとは昭和57年に創業して、今年で37年になります。

正木さんは学校を卒業後に東武百貨店へ就職し、15年間働きました。そのうちの13年は百貨店のお酒売り場を担当し、そこで日本酒と出会い全国の酒蔵と取引していくようになります。

そんな中で一つの蔵元との出会いが正木さんの運命を変えました。

それは埼玉県の神亀酒造です。

それまで百貨店でもいわゆる名の知れた銘柄をメインに売っていましたが、神亀を飲み、燗で美味しい純米酒の奥深さを知ります。

麹の美味さと米の旨みをしっかり感じる酒

いつしか冷酒=良い酒というイメージがついてしまった昨今の日本酒市場において、昔ながらの燗で美味しい日本酒の素晴らしさを酒を販売する立場の人間として伝えていきたい

神亀との出会いがターニングポイントだったと語る正木さん

その思いを胸に、百貨店を辞め、当時の取引先でもあった「酒のはしもと」を事業継承したのが平成20年で今日に至ります。

「日本酒は日本の伝統文化で、中でも燗で美味しく飲める酒というのは世界的に見ても珍しいですよね。だから僕は酒を販売する立場の人間として、冷やもいいんですが、燗で飲む日本酒というのをもっと広めていきたいんです」と語る正木さん。

確かに昨今は海外からも日本酒に注目が集まり、輸出も増えています。でもそのほとんどは冷酒で、燗酒はまだまだ知られていない。そもそも我々日本人でさえその燗酒の魅力をわかっている人は少ないと思います(書いている私も然りです)。そういう人たちに向けて飲食店を通して燗酒の素晴らしさを伝えていきたいという正木さんの思いに賛同し取引店舗も増えていきました。

日頃から飲食店へのレクチャーなどを行ったり、また年に1回「純米酒エルボー」という大試飲イベントを開催したりとその活動は多岐に渡ります。

まさに「日本酒文化の伝道師」とも言える情熱を持った方でした。

 

実飲レポ

というわけで正木さんにオススメの日本酒を1本選んでもらい、実際に家で飲んでみました。

鳥取の蔵元 山根酒造の「日置桜」

日本酒はこの平杯で飲むのが一番良いのだそうです

一口飲んだ刹那、全てに合点がいきました

こんな燗酒は今まで飲んだことがありませんでした。米の旨みをしっかりと感じ、それでいてす〜っと飲みやすく体に馴染んでいく感じ。燗酒ってこんなに美味しいんだと、再認識させられました。

 

日本酒が好きな人、焼酎が好きな人も是非一度お店を訪ねてみてはいかがでしょうか?

きっと新しい発見と出会いがあると思います。

 

酒のはしもと

住所/船橋市習志野台4-7-11

TEL/047-466-5732

営業時間/平日10:00~20:00 日・祝 10:00~19:30

定休日/水曜日

公式ホームページ

公式Facebookページ

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