船橋で20年、松飛台で19年、これぞ町中華の真骨頂!「中華 東東」
あけましておめでとうございます!
年末年始も関係なし、365日ラーメンを食べている・・自称日本一ラーメンを食べているアスリート(自分調べ)こと一場治之進です。
最近思うんです・・・・・「鎌ヶ谷船橋あたり」はどこまでが「あたり」なのか???マッスルラーメンレポでは編集長に分からないように少しずつ少しずつエリアを伸ばしています(トップシークレット)。
で、今回はイヨリ編集長に「松飛台ってどうですか?エリアとしてOKですか?鎌ヶ谷の隣接エリアですよね。そこにマッスル旨い中華料理店があるらしいです。」と恐る恐る伺っ所・・・。
場所
作戦成功!!!
今回のご紹介するお店は市川市と松戸市の境に位置する北総線「松飛台駅」から八柱方面に200ⅿ直線を進んだ左手にあります。先にはあのマブチモーターの本社が見えます。
店内・メニュー
店内は広々としていて、ゆっくり出来る雰囲気です。カウンター7席・テーブル4席×4の計23席です。
まず思ったのは、比較的年数の経っているであろう店構えなのに、店内が清潔に保たれていることです。通常町中華ではある程度油の汚れやベタ感を感じるものですが、全くと言っていいほどありません。これはある種の安心感を感じます。
「佐渡ヶ嶽部屋が近いからね。力士が良く来るんだよ~!数日前も来たかな。」東東の「マスター」こと帯刀(たてわき)さんがにこやかに言います。力士も愛する中華料理・・・イチバの期待はマッスルで大円筋がピクピクしまくりです。
お店の人気メニューを聞くと「肉そばかなぁ~」と帯刀さん。
お願いしようと思った刹那、「えっ!純レバあるんですか?」と横から身を乗り出す編集長。
・・・純レバ???
編集長の言葉を借りて説明しよう!純レバとは、所謂「ニラレバ」のニラなしといえばわかりやすいだろうか。つまり純粋にレバーのみ(鶏が多い)で構成されているレバ炒めのようなもの。東東京(台東区、墨田区、江東区)付近に多く存在するB級グルメであり、閉店した浅草の名店「菜苑 本店」が元祖と言われる(*現在はニュー菜苑として復活している)。これまた閉店してしまった浅草の名店「あづま」も菜苑本店の先代の弟さんのお店ということで純レバが有名だった。現在では錦糸町と亀戸の中間地点にある菜苑(暖簾分けのお店)で食べることができる。ちなみに中華料理店だけでなく、東東京の居酒屋などでも見かけることはあるという。レバーのコクと旨味をダイレクトに味わうことが出来、甘辛い味付けはオカズとしても、ツマミでもいける最強の一品だ!
東東京の下町出身という編集長が身を乗り出して興奮しているので、「純レバ」と「肉そば」を注文しました。
調理
店主の帯刀さんにお願いして調理風景を見学させて頂きました。
「仕込みは毎日2時間ぐらいかかるかなぁ~スープはモミジ・ゲンコツ・玉葱・生姜・人参・・他には野菜の芯とかかなぁ~朝7時から15時ぐらいまで煮込むよ。あまり煮込むと白湯になるんだよ。」と帯刀さん。それでも8時間煮込むスープ・・旨そうです。
「タレ(カエシ)は鰹節に昆布・イカ(スルメ)で作っているんだよ。スルメが珍しいだろ?和風なんだよ。」
「これは、青椒肉絲(チンジャオロースー)!!!」イチバが反応します!
「実は中国では豚肉が一般的だから、”肉絲”は豚肉の事なんだよ。正確には”牛肉絲(ニュールースー)”だから、青椒牛肉絲(チンジャオニュールースー)だね 笑」
手慣れた鍋さばき・・酒・砂糖の合わせ醤油にスープ・豆板醤・胡椒を投入し、炒めます。音が・匂いが・・イチバの空腹を刺激します。
実食
スープは出汁の動物系とカエシの乾物系が合わさった上品な味です。奥深くの旨味がジワ~っと口の中に広がります。かなり技ありなスープですね。一言に「魚介」と言う旨味でなく乾物特有の旨味を感じるのは凄いです。上の具が混ざると喧嘩をせずに味変されていく潔さがあります。
麺は大田区の大手「菅野製麺所」の中太平打ち麺で、加水率が高くプリプリ食感と言うだけでなく・・・手もみされてウェーブがかっているので、唇を通過する瞬間に不揃い感を感じます。まさに「食感」の麺ですね。正直、ここまで中華らしい構成できたので麺も中華麺と予想していましたが・・これは良い意味で期待を裏切られました。上品なスープにも、炒められた旨味たっぷりの具材にも合いますね。
そして、青椒肉絲(チンジャオロースー)・・でなく青椒牛肉絲(チンジャオニュールースー)は、かなりのボリュームですね。甘味・旨味・コクなどがギュギュギュっと詰まっていて、肉・ピーマン・タケノコのそれぞれの食感がメリハリあり旨いです。旨味の溶けだした部分と丼の底の部分でスープの味が違います。食事として最強のラーメンですね!!極上です!
厨房を覗くと、次の「純レバ」の調理に取り掛かっていました。イチバも丼を持って厨房を覗きます。
純レバっ!タンメン!!!
タンメン担当
タンメンは「肉そば」とは大きく性格を変えて、野菜を炒めた香ばしさがダイレクトにスープに溶け込んでいます。正直、かなりパワフルな仕上がりになっていますね。野菜を炒めた香ばしさとシャキシャキ感も好感です。また、中太麺のモチモチ感もピシャリはまっていますね。完成度は肉そばに負けていません。
純レバ担当
タンメンを堪能しているイチバの向かいには、いつもと違う編集長がいました。そう・・・・・完全に本気(マジ)の目つきです。
「まさか松戸市で純レバを食べられるなんて!・・・ムムッ!こ、これは鶏でなく豚レバーじゃないですか!」
甘辛く味付けされた純レバですが、編集長曰く味付けが濃すぎず絶妙にちょうど良いそうです。下町の純レバは結構濃いめの味付けなので後半飽きてくるそうですが、ここのは最後まで全然飽きないと黙々と純レバを食べていました。
さらに特筆すべきはレバー独特の臭みがほとんどないこと。かと言って旨味がないわけではなくレバー本来のうまさはしっかりとある。これについて聞いてみると
「臭みがないのは新鮮なレバーを使う事。駄目なレバーを洗ったところで臭みは消えないんだよ。やっぱり鮮度こその旨味だと思うよ。うちは冷凍は使わないからね。」と帯刀さん。
他のメニューもですが・・正直、この純レバはかなりの名品ですね。
お店のこと
店主の帯刀さんにお話をお伺いしました。
帯刀さんは大分県に生まれ、高校時代までを大分県で過ごしました。
高校を卒業して、集団就職で名古屋の繊維会社に勤めました。
その頃から豪快な性格だった様で、昔の写真を見せて頂きましたが・・・・
「もともとは会社勤めは長くやるつもりなくてね。それで繊維会社を辞めて、飲食店をやろうと思って、六本木の洋食屋と池袋の中華料理屋で各1年ずつ働いたんだ。その後はどういう店が流行っているかを色々見るためにタクシーの運転手を2年やったよ。」
そうして船橋市湊町に自分の店東東を構える事になりました。
「最初はカレー屋やろうかなぁ~っと思っていたんだけど、せっかくなら“安くて栄養がある料理”がいいなって思って中華にしたんだよ。店名の由来は麻雀の一番最初、東1局東家からとって東東。初めての店だったし、“儲けよりお客さんに喜んでもらいたい”ってはじめた初心を忘れないようにという意味でね。」
その店名からは帯刀さんの強い気持ちが込められているのが分かります。
船橋は駅から離れた湊町という海寄りの場所にも関わらず、お店はとても繁盛して忙しかったそうです。船橋で20年やった後に、ここ松飛台駅に移転し19年、あわせて40年近くになります。
船橋でも愛され、そして今はここ松飛台でも愛されている東東。
帯刀さんの作る見事な料理はもちろんですが、その優しくて明るいキャラクターが働く人達を笑顔にし、温かいお店の雰囲気を生み出している。そういった所も長年にわたって多くの人を惹きつけている魅力なのかなと思いました。
マッスルコメント
味よし!雰囲気よし!店主のキャラよし!!町中華の名店を食べて名選手を目指せマッスル!!!
中華 東東
住所/松戸市紙敷1-14-4
TEL/047-311-1234
営業時間/11:00~21:30(LO21:00)
定休日/無休
備考/P14台
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