高根公団駅前!寺子屋と常連客が生んだラーメン発明家「伍陣」
2月と言えばバレンタインデーですね。
世間はチョコレート一色、イチバはラーメン一択!!チョコなんていらねえと強がっている自称日本一ラーメンを食べているアスリート(自分調べ)こと一場治之進です。
今回は新京成電鉄に乗って「高根公団駅」の「伍陣」に来てみました。
場所
新京成電鉄の高根公団駅の改札「南」出口の階段を下りて、線路沿いを50ⅿも歩くと右側にあります。まさに駅前とアクセスは超良いです。
「和」の雰囲気の外観に加えて、数多くのメニューの紹介がインパクトがありますね。これは濃厚なドラマが待っている予感がマッスルですね~。
とにかく店の外にまで溢れているラーメンへの愛を感じ、大胸筋・・・の、奥の心臓をドキドキさせながら入店します。
店内・メニュー
店内は落ち着ける雰囲気でカウンター10席・テーブル2席×3の計16席です。
それにしても、券売機を見るとメニューの多いこと!!!
店主の新田さん曰く「ピークの時にはメニューは42種類あったかなぁ~。」
よ・・・・42種類?????????
「でも、これだと何を頼んだら良いか・・・」最近、黒いTシャツになってから優柔不断が加速したイチバ。今回も店主に聞きましょうマッスルを発動。
店主の新田さんに言われるがままに「炭火焼鰺節ラーメン」をポチします。しかし、炭火焼×鰺節・・・こりゃあ旨いに決まってるよなぁ~と一人頷くイチバ。
調理
店主の新田さんにお願いして調理を見学させて頂きました。
まずは味玉を糸で切り、具を用意します。
「スープは2種類作っていて、1つは昆布・椎茸・鰹節・鶏ガラ・豚を使ってるんあるんだ・・どちらかと言うと白湯みたいだね。もう一つはアゴ(飛魚)のスープ。5時間煮込んでいるよ。カエシは昆布と荒引の鯵だね。」
「うちはメニューによって丼を使い分けるんだよ。丼の形状によって味の伝導率が違うんでね」
熱ではなく味の伝導率???初めて聞きましたが、やはりこれだけのメニューを作っている新田さんならではの感覚的な違いを感じているのかもしれませんね。
「麺は5日熟成させているんだ。常連さんは熟成の時間変えると分かるぐらい違いが出るんだよ。それに、茹で時間はお好みで選べるよ。」
実食
見た目から完全オリジナルですね。ビジュアルも美しいです。これは経験値の高さを感じます。
スープは全体的に優しく尖りが無い旨味と鯵節の旨味溢れる酸味が心地よいですね。動物系の出汁によるスープの厚みと鰺節のキレある旨味が上手く同居しています。旨味が過剰でないので、体に馴染む様な自然体の旨味です。ジャンルで言うと豚骨魚介系に位置するのかもしれませんが、オリジナルの方向ですね。かなり上品な仕上がりです。
麺は自家製の中細ストレートの多加水ですね。修行先の13湯麺の松井氏の作る麺を彷彿させます。
すすると、絹のような上品な口当たりに柔軟なコシが特徴ですね。太麺=コシと言う概念を崩すような「細いのにコシがある」麺です。
「配合は言えないけど、5種類の小麦粉をブレンドしてるんだよ。」と新田さん。この独特な食感は魅力ですね~。
具は荏胡麻の葉・チンゲン菜・味玉・チャーシュー・メンマ・小松菜・葱・キクラゲです。かなり具沢山でコスパも良いですね。
どの具もかなり美味しいのですが、特筆すべきはチャーシュー。肩ロースで脂身が多い物と少ない物を入れているそうです。どちらも香ばしさが口の中に広がり、美味しいですね。他の具も食感や香りと言った特徴でそれぞれに役割がはっきりしています。丼の中で、麺・汁・それぞれの具が連携を取れている印象があり、これは新田さんのセンスの高さを感じます。
気づくとイヨリ編集長も「豚レモ(豚骨レモン)」を注文していました。
一口頂きましたが、豚骨のマイルドとレモンの酸味ある清涼感の相性にビックリしました。これもかなりの名品です。
こうなると、どれも高い水準のラーメンを出すのでしょうね。何回来店すれば良いんだろう・・と悩みどころです。
お店のこと
店主の新田さんにお話を伺いました。
新田さんは宮城県白石市出身で、18歳の時に東京に来られたそうです。
「飯田橋にいて、52歳まで銀行員をやってたんだよ。ラーメンは仕事の合間によく食べ歩いていたのもあって、”俺にも出来るかな~”って思って脱サラしたんだ。趣味でやってた盆栽かラーメンかで迷ったけどね。それが間違いの始まり(笑)そう言えば、盆栽もラーメンも空間を大事にしたり上下で出来ているのは似ているなぁ。」
確かに、お店の入り口には立派な盆栽が展示されています。
「当時はラーメンを食べ歩いて自分でノートに点数をつけていたんだよ。その中で一番点数が高かったのは松戸市の13湯麺だった。」
13湯麺と言えば、かつて五香を本店(現在は元山駅)に南流山などに支店を持つ松戸市の雄。某雑誌では「千葉ラーメン四天王」の一人と呼ばれた松井氏のお店ですね。
脱サラしてラーメン屋を始めようと考えていた新田さんに松戸市のあるプロジェクトの話が耳に入りました。
松戸市が空き店舗対策事業としてラーメン屋を五香のさくら通りに集める計画があり、その前にラーメン職人を養成すると言う計画がありました。それに伴い、ラーメン塾である施設を作る事に。当時の石井市長が名付け「※ラーメン寺子屋」が開校しました。
「ラーメン寺子屋は9期生までは市役所の管轄(以降は13湯麺の私塾)でやっていたんだ。それで面接に行って、入校したんだよ。そのラーメン寺子屋、先生は13湯麺の松井さんだったんだ。」
「俺は5期生で入校したんだ。教わると言うよりとにかく自分で作らされた。鶏入れて煮込んで、味見して・・どんな味かな~。次に背ガラ入れて煮込んで・・どんな味かな~って、それを組み合わせて自分の味を作るんだよ。ラーメンって要は組み合わせなんだね。だから、今のメニューの多さも”組み合わせ”で出来上がったんだ。」
「13湯麺の松井さんは製麺会社出身で、教わっていた3カ月の間に製麺技術を教えてくれたんだ。他の卒業生は独立後に製麺所に頼んでいる人もいるけど、寺子屋出身は基本は自家製麺なんだ。」
説明しよう!!「ラーメン寺子屋」とは!千葉県松戸市が行った空き店舗対策とラーメン職人の養成プロジェクトにより開校されたラーメン学校の事だ!!松戸市の五香に養成所を置き、そこでラーメンの作り方を教わる。講師は市内に店舗を構える13湯麺の松井氏。松井氏はかつて千葉県ラーメン四天王と呼ばれた店主だ。1~9期までは松戸市管轄であったが、以降は松井氏の私塾として活動していた。卒業生は自家製麺を出す事が多く、関東圏内(特に千葉県)に店を構えるケースが多く見られる。現在は閉店したが、五香の「さくら通り」に「ラーメン寺子屋」と言うお店が営業していたが、それは1期生のお店である。イチバの個人的な感想であるが、「寺子屋」出身はバランスが良く尖りが少ない1杯を提供する印象がある。
13湯麺の松井さんと言えば、足を使って生地をこねて・・それで独自のコシを出すと聞いたことがありますが
「そうなんだよ。寺子屋出身はその(足で生地をこねる)作り方が基本なんだ。粉とかの配合はうちはオリジナルだけどね。今では1日に80玉程打っているよ。」
それでも、イチバは伍陣の麺に13湯麺の麺の面影を感じました。本当に美味しい麺です。お店には寺子屋卒業生や松井氏も食べに来るそうですね。
こうして寺子屋での知識を持って平成16年5月20日に高根公団駅前にオープンしました。
「最初の3年は3種類のラーメンしかやらなくてね、常連のお客さんから”マスター!やる気あるの?”って言われて”じゃあやる気だそうかな~”って思ってメニューを増やしたんだ。そしたら常連さんが”マスターまだ引き出しあるんでしょ?”って(笑)。そうこうしているうちにどんどんメニューが増えていったという訳」
本当に愛されているお店なんですね。メニューは1カ月に1種類増えた時期もあったそうです。
最後に今後について伺うと・・・
「一代で終わりかな。でも体が続く限りお店やるよ!やっぱりラーメン作ってるのが楽しいからね。」
本当にラーメン作りを楽しんでいる新田さん。魅力あるお店でした!!
マッスルコメント
色々なラーメンを作る伍陣に習って、色々な器具を使ってマッスル強化!!!!
伍陣
住所/船橋市高根台7-15-10
TEL/047-463-3522
営業時間/11:30~14:30 17:30~21:30
定休日/月曜・木曜
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