【閉店】鎌ヶ谷大仏にオープンした「佐野らーめん しばちゃん」は本場佐野クオリティ!
追記:この店舗は2019年12月30日で閉店しました。
夏休み・・終わってしまいましたね。
自称日本一ラーメンを食べているアスリート(自分調べ)こと一場治之進です。
皆さんは夏休みはどうお過ごしでしたか??イチバは自由研究で「ラーメンと筋肉の相互関係について」研究していました。
その研究の成果も兼ねて、これからも鎌ヶ谷・船橋・白井あたりのラーメン屋を取材し、イチバ的な視点でお店の魅力を皆さんに伝えていきたいと思います。
第6回は鎌ヶ谷大仏駅から徒歩圏内の「佐野らーめん しばちゃん」に取材に行ってきました。
場所
最寄り駅は歌にもなった新京成電鉄「鎌ヶ谷大仏駅」から約400m。駅を出て右方面に歩くと「鎌ヶ谷大仏交差点」があります。そこを右折し直進すると、左手にヨークマートが出てきます。その奥の並びにお店はあります。
目印は「ゆるキャラグランプリ2013年王者」の「さのまる」君の看板。このロゴが入っているのは「佐野市サポーター」に加盟している証。入る前から本場「佐野」の色が濃く出ています。余談ですが、「さのまる」君が差している刀2本は「いもフライ」です。もちろん今回のレポには関係ありません。関係あるとすれば、頭に乗っているのはラーメンの丼。そう。佐野市は日本有数のラーメン処であり、手打ち麺が特徴の※「佐野ラーメン」は関東が誇るご当地ラーメンなのです。
説明してしんぜよう(さのまる君風)。「佐野ラーメン」とは栃木県佐野市付近に展開するご当地ラーメン。佐野市を代表する食文化であり、観光資源にもなっている。かつて「ラーメンの鬼」と呼ばれた「佐野実」氏のラーメンではない(意外と間違われる)。透明感のある醤油スープに青竹手打ち麺と言うのが特徴。コシよりもピロピロ感を出す麺が多く、元祖は昭和5年創業で佐野市の「宝来軒」と言われる。麺打ち技術が伴う為か、栃木県以外では中々食べられない。大きな餃子を出すお店が多い傾向にある。何故か比較的近い場所で群馬県の藤岡付近や福島県白河付近で違うパターンの青竹手打ちの老舗が多く存在する。ちなみにイチバは手打ち麺信者であるので手打ち麺と聞くと不気味な笑みがこぼれる。
ちなみに、「しばちゃん」は2018年7月9日オープンなので、まだこのレポを出している現在(2018年9月現在)はオープン間もないですね。そう言えばこの企画では初めてになる「新店」レポ。ちょっと緊張します。
店内
店内は厨房をL字に囲んだカウンター5席とテーブル4席×2(合計8席)の13席になります。もともとはカレー屋の居抜きだそうですが、年数を感じさせない清潔感ある店内です。広い店内ではありませんが、明るく圧迫感はないので落ち着ける雰囲気です。また、厨房との距離感が近いのもラーメン屋ならではの魅力です。
メニュー
スープは1種類で、各トッピングがつくもの。麺の茹で加減やスープの油の有無も選べるそうです。第一印象はコストパフォーマンス(CP)が良い事です。
メニューをガン見していると「チャーシューメンが一番出るよ」と柴山店主は言いますが、今回は「左上の法則」(レポ2「泰山」参照と、言ってもこの場合は一番上)に従って基本メニューの「らーめん」を注文(珍しく悩まずに注文)しました。佐野ラーメンと言えば「麺」なので、今回は無駄な物を省いて麺とスープを全身全霊をかけて味わうべし。
平ざるを使う理由
厨房の中にはしっかり色のついた出汁と鍋の湯の中で泳ぐ麺が。
麺は佐野ラーメンらしい幅が広めなので、茹で時間がかかるかと思いきや、店主の柴山さんに聞くと「茹で時間は1分だよ。修行先と茹で釜が違うから中々大変で、修行先だと麺が調度良い茹で加減になると麺が上がってくるんだよ」との事。茹で上がると、熟練の職人にしか中々扱えない「平ざる(レポ5「ハマモト」参照)」を使い、湯切りをする。
「テボだと麺がくっついちゃうんだ。平ざる覚えるの大変だったよ」と、柴山さん。
平ざるは扱うのには相当なトレーニングが必要だと聞きます。しかしそこはさすが柴山さん、鮮やかな平ざるの動きに見とれてしまいます。
スープは鶏ガラ・背ガラ・豚骨を使用した動物系のもの。これらは塩分調整はするものの修行先の「麺屋まさと(埼玉県加須市)」と同じ作り方で麺もそこから直送している。ちなみに「麺屋まさと」は本場佐野を代表する名店の流れを汲んでいる。
実食
着丼してすぐに「あっこれ佐野ラーメンだ」と分かるビジュアル。
自慢じゃありませんがイチバも佐野で「老舗名店」と呼ばれるお店はコンプリートしましたが、このラーメンは間違いなく現地のビジュアルですね。
スープは醤油の※かえしの香ばしい香りが効いた動物系の肉厚な旨味です。よく「佐野ラーメンはあっさり」と言われますが、いやいや・・旨味やスープ自体の出汁感はしっかりとしています。
澄んだスープ=物足りないを一番覆すのは佐野ラーメンかもしれません。そう言う意味も含めて、佐野ラーメンらしいスープですね。
説明しよう。「かえし」とは「煮かえし」の略。一言で言えば出汁であるスープで割る前の丼に入れるタレの事。チャーシューの煮汁を使う店が多いが、近年では別に作るお店も増えている。ちなみに、かえし(タレ)を塩・味噌・醤油で選ぶ事で味が区分けされるのだ。「豚骨」タレはないので、九州などの豚骨ラーメンは白濁の濃厚豚骨出汁に上記のタレが入っている。
麺は前述の通り佐野ラーメンの最大の特徴です。
生地を伸ばしてから、手作業で作る麺は製麺機で作る麺とは違い不揃いです。加水率が高く透明感のある不揃いな縮れ麺は、①「すする」時に唇に触れると独特な感触がある ②口に入ると独特なコシがある ③不揃いの為に感触が一定でないので常に新しい刺激を感じる。事が挙げられます。一言で言うと手作りが作り出す芸術です。
「しばちゃん」は佐野ラーメンの中ではややコシ強めで好きな人は多いと思います。この本場の麺とスープは千葉県ではほとんど食べられないと断言できるでしょう。
具はトロットロッのバラチャーシューで、口の中で脂がトロけます。国産にこだわっているそうです。ネギ・メンマ・ナルトも良い仕事をしています。
気づいたら汁完(レポ4「好」参照)です。
柴山店主の挑戦!
店主の柴山さんにお話をお伺いしました。
柴山さんは神奈川県川崎市出身で、大学を卒業後、大手小売店の家具・インテリア部門で仕事をし、37歳の時に大手通信メーカーの販売会社に転職しました。昨年定年を迎える前に「何か自分で商売をやってみたい」と思い、ラーメン屋を選んだそうです。
何故ラーメン屋、しかも佐野ラーメンを選んだのか?と尋ねてみると
「特別ラーメンが好きだった訳じゃないんだけど、知り合いの佐野ラーメンのお店に食べに行った時に、ラーメンがあまり好きじゃない妻でもここのは美味いって言ったんです。それがキッカケですね。今はこってり系主流ですけど、同じ土俵で戦っても厳しいことは分かっていたので、だったら千葉にはあまりない佐野ラーメンで勝負しようと思いました。優しい味なのでご年配の方にも評判いいですからね。」と語る柴山さん。
しかし会社員として働いてきた経験は接客にも生きているそうですが、他業種からラーメン屋に転向は決して楽な道ではなかったと言います。
1年間在籍した修行先では前半の半年は住み込みで技術を学んだそうです。
「修業先でも一人で全てをこなすことはなかったので、お店をオープンして仕込みから片付けまで全て一人でやるのは、最初とても大変でした。2週間は腰痛も出てキツかったけど、1ヵ月頑張ったらだんだんと体が慣れてきましたね。」と笑顔で話されます。ちなみにオープンから1ヶ月で4kg痩せたそうです。
でも、そんな柴山さんを支えるのはお客様の美味しいという一言。特に佐野出身の方が食べにきて「久々に本場の味を食べた」と言われた時は嬉しかったそうです。
すでに佐野の本場の味が出ている「しばちゃん」。今後は間違いなく注目されるお店だと思いました。
マッスルコメント
本場佐野のウェーブ麺を食べて・・・バーベルかついでウェーブマッスル!!!
佐野らーめん しばちゃん
住所/船橋市咲が丘1-5-20
TEL/047-447-0345
営業時間/11:00~15:00 17:30~21:00
定休日/水曜
↓地図はこちら
【マッスルラーメンレポ過去記事】
■六実で食べれる!北海道老舗名店の味噌ラーメン「三代目 月見軒 六実店」
■北習志野で40年以上!店主の人柄が詰まった極上の1杯「泰山」
■研究と探究心!理系が挑む「アナログ」な昭和の中華そば「一芯」