旭川ラーメンの伝統と新たな創作が紡ぐ“かけはし”「旭川ラーメン 好」
こんにちわ。
自称日本一ラーメンを食べているアスリート(自分調べ)こと一場治之進です。
雨にも負けず、風にも負けず、雪にも夏の暑さにも負けぬ丈夫なマッスルで、これからも鎌ヶ谷・船橋・白井のラーメン屋さんの魅力を皆さんに伝えていく、地域のラーメン屋と読者の皆さんの「架け橋」。のような、そういうマッスルに私はなりたい。
おかげさまで、このシリーズも4回目と言う事で・・・ここまで来ると「アスリートと言うより、ただの変な人」と言うイメージがついて回らないか?本気で心配している今日この頃。
さて第4回は津田沼にある「旭川ラーメン 好」に行って来ました。
実はこのお店はかつて市川市の国府台駅近くにありました。創業は1994年と言う事で、約24年間もの間、千葉県で腕を振るっています。
ちなみに津田沼に移転して14年程らしいです。
若かりし頃の一場は、国府台時代のファンでありました。
何故かと言うと・・・首都圏屈指の※旭川ラーメンを提供するお店だったからです!!
説明しよう!!「旭川ラーメン」とは「北海道3大ラーメン」の1つでありご当地ラーメン。旭川市内中心に展開し、スープを良く吸う低加水麺に豚骨×魚介系のWスープ(※レポ3「一芯」参照)と言うお店が多い。と、言うのも・・かつて旭川は養豚が盛んであった事や古くから物流の拠点であった事で海産物が手に入ったからだと言う話がある。元祖は「蜂屋」と言われているが、「青葉」「天金」「旭龍」「梅光軒」に加えて醤油中心の旭川としては珍しい「塩」を売りにした「山頭火」などの老舗名店が多く排出されている。
場所
新京成電鉄の「新津田沼駅」と「前原駅」の線路沿いのちょうど中間地点あたりにあります。
当たり前ですが前原⇔新津田沼間を走る電車の車窓からお店は見えるので、気になっている人も実は多いのでは?
前述の通り、創業は1994年で国府台で創業し、14年程前に津田沼に移転してきました。
外観は赤を基調にした情熱的な印象で、気合を感じます。外にはこだわりが書いてあります。
今回はどんなドラマが待っているのでしょうか??
店内
店内はカウンターのみ13席で、広い厨房を囲むように席があります。年季の入った店内にいると、旭川の現地の名店にいる錯覚すら感じます。
まず触れておきたい“麺”
外の看板を見てピンと来た私。そう、こちらのお店は旭川の「加藤ラーメン」の麺を使用しています。
旭川ラーメンを看板にするお店としては、この製麺所の麺を使う事は大きな意味を持ちます。
旭川ラーメンの歴史は製麺所の「加藤ラーメン」の一族の方々と共に歩んできています。なんせ、この製麺所の話は地元の小学校の教科書にも載るぐらいですから。
コストのかかる低加水麺を昔から変わらない製法で作る職人気質な製麺所。これが、かつて「日本一」とも呼ばれた「加藤ラーメン」です。
その一族の方々はラーメン屋も営んでいます。伝説の名店であり、旭川ラーメン発祥のお店と言われる「蜂屋」や首都圏に進出した一族の旗艦店「旭龍」・「味乃やまびこ」など・・・。
メニュー
※ラヲタな妄想にふけって、店主の榊原さんを待たせてしまったので、早く何を食べるか決めないと。国府台時代は「塩」が看板だった記憶がありますが・・・。まずはメニューを確認せねば。
説明しよう!!「ラヲタ」とは、「ラーメンオタク」の略である。「ラーメンが好き」な人ではなく、「ラーメンを愛してやまない」人になる。ちなみに一場は岩手県宮古市出身の同僚の想い出の味のお店を、特徴だけで言い当てた事でドン引きされた経験があるので、以来「隠れラヲタ」として活動している。もちろんラーメンの踏み絵は踏めない。類義語:ラーメンフリーク・・・ラーメンを求めてスタンプラリーのごとく駅から駅へ食べ歩く人達
メニューは「海のラーメン」と「特選ラーメン」の2大看板に魚介系や船橋の地ラーメン「ソース」まで広いラインナップ。
さて何をいただくか?国府台時代の記憶だと「塩」なのだが、今回は店主の榊原さんにオススメを聞いてみる事。
どれも自信持って提供できる1杯の中で、あえて食べて欲しいとしたら「海のエビ醤油ラーメン」との事。
「塩」ではないのか?と、思う反面・・国府台時代じゃない、今は津田沼の「好」なんだ。と期待に大胸筋が膨らみます。
調理
という訳でオススメの「海のエビ醤油ラーメン」をいただくことにしました。調理工程を少し見せていただくことに。
作っている中での大きな特徴は海老を余すところなく使う事。ようやく手に入る様になった海老だからこそ身はもちろん、頭や殻からも濃厚なエビの旨味がだせると榊原さんは言う。
ソテーした海老から出たスープとラーメン用の土台になるスープを混ぜるWスープ。ここでも旭川ラーメンの技法が使われている。
実食
スープを一口すすると強烈な海老の芳醇アロマが口の中に広がります!
これは凄い!
旭川らしいオイリーな豚骨×魚介系Wスープと言う枠組みは守りつつ、通常であれば旨味の主役になる鰺干しがサポート役に。海老の強い旨味と香りが口の中に広がります。
それもいわゆる「生臭い」海老でなく「上品な」海老の旨味がガツンと効いています。
・・・このスープはさすがに驚きました。
麺は前述の通り「加藤ラーメン」製の中細縮れ麺です。
この麺の特徴は何と言っても低加水の縮れの為に「スープを生かす麺」なのです。麺の中の水分が少ないので、濃厚なスープを麺が良く吸います。なので、麺を口に入れた時にスープの旨味もしっかりと含まれているのです。
今回の場合は海老の芳醇な香りが麺にしっかりと入り込んでいるので、「海老」らしさが倍増します。
具はソテーされた海老・鶏と豚のチャーシュー・青菜・海苔・モヤシ・味玉と豪華です。
豚のチャーシューはこの日はバラでしたが、日によって部位が変わるとの事です。
全体的に味付けがしっかりとした具材で、どれも手抜きなく質の高さを感じました。海老のプリプリ感もスープの香りに合って極上です。
気づいたら※汁完です。
説明しよう!!「汁完」とは、「汁まで完食」の略である。ラーメンにおいて、日本人は「麺料理」・欧米人は「スープ料理」の概念がある。その為、日本人はスープを・欧米人は麺を残す傾向にあるらしいが、両方をしっかりと食べつくす事を「汁完」又は「完飲」と言う。とあるラーメン屋店主は「汁完」は最高の賛辞だと言っていた。「汁完」したら「ごちそうさま」を大声で言って鼻息荒く店を後にしよう。きっと店主も笑顔になるだろう。
お店のこと
店主の榊原さんにお話をお伺いしました。
榊原さんは関西の出身で、以前は会社員として働いていたそうです。
なぜ北海道旭川の名店で修行したのか?と尋ねてみると
「求人があったからかな(笑)」
・・・以上現場からイチバがお届けしました。
次回もお楽しみに!
と、言うのは冗談で、求人があったのは当時旭川から関東に進出した「旭龍 高円寺店」でした。
こちらは製麺所の「加藤ラーメン」の社長の娘さん(娘さんは神田店を営んでいた)の夫が営んでいました。
兼ねてからラーメン屋に興味があった榊原さんは求人がきっかけでラーメン屋の門戸を叩くことに。そこで旭川ラーメンの伝統的なイロハを学びました。
旭龍は残念ながら閉店して現在ありませんが、そのDNAは「好」を営む榊原さんにしっかりと受け継がれています。
ポジティブに変わり続ける
今回食べた海のエビ醤油ラーメンをはじめ、メニューの豊富さからもわかるように常に新しい味を研究していると言う榊原さん。
新しいメニューを増やしても、逆に減らすことはしないと言います。それは現存するメニューのファンが一人でもいる限り絶対にしないのだそうです。確かに好きだったメニューがなくなっていると悲しいですよね。
メニューを減らさず増やして行くと言うことは、それだけ仕込みも大変になるのでは?と聞いてみると
「まあラーメン屋は自分の性に合うんだよね。色々考えてやって見て、失敗を失敗と思わず前向きにチャレンジしていくと必ず納得できる1杯が生まれるんだよね。そうしてあれこれ考えながら、お客さんの顔見ながら調理して、厨房に立っているのが本当に居心地良いんだよ。」と笑顔で語る榊原さん。
ラーメン屋は作り手と食べ手の距離が近いので、そんな榊原さんの姿を見て、食べている人が「おやじも頑張っているから、俺も頑張らなきゃな」と思ってもらえればこれ幸い。そんな気持ちの「橋渡し」いや、ラーメン屋だけに「箸渡し」が出来れば良いと榊原さんは笑顔で言います。
取材中も今後の新しいメニューについて聞きましたが現時点では秘密にしておきます。是非お店でチェックしてみてください。
マッスルコメント
旭川の名店のDNAと海老の極上芳醇アロマ・・・箸渡しプッシュマッスル!!!!
旭川ラーメン 好
住所/船橋市前原2-25-7
TEL/080-4441-3396
営業時間/11:30~14:30 17:45~翌1:00
定休日/無休
↓地図はこちら
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