おふくろの味は万国共通! 「ベトナム家庭料理マンダリンカフェ」のブン・ボー・フエに小躍り
シンチャオ!(ベトナム語でこんにちは)
9月に、ベトナム中部のビーチリゾートダナンでエンジョイしてきましたライターのイナバです。
ベトナム初上陸だったのですが色々ハプニングもあり、現地の方々の優しさに触れ、水平線から昇る朝日の美しさに涙しました……本当にいいところだったなぁ
そんなベトナム旅行のなか、一番印象に残ったのが、実は料理なんです。バインミーをはじめ、シーフード、麺類と何を食べても美味しかった!!(過言ではなく)
ということで、ベトナム料理が恋しくなった私は、ベトナム家庭料理 マンダリンカフェへ行って参りました!
飛行機に乗らずとも行けるベトナムワールドへ
JR船橋駅南口から徒歩10分、船橋市役所至近にそのお店はあります。
店内はテーブル席が21席、カウンターが7席。壁にはベトナムの風景画が飾ってあったり、ベトナムの調味料やインスタント麺の販売もあり。色々ある感じが家庭(実家)を思わせるというか、なんだか妙に落ち着きます。
笑顔で迎えてくださったのは、店主のテーさん。ベトナム・フエのご出身。
フエは、ベトナム最後の王朝・グエン朝(1802-1945)の都として栄えた古都であり、世界遺産の街。偶然にも、私が訪れたダナンから北へ約100㎞(車で2時間くらい)に位置する、同じくベトナム中部の都市です!
はやる気持ちを抑え、まずはメニューを拝見
テーさん出身のベトナム中部の家庭料理をメインに、フォーや生春巻きなど、ポピュラーなベトナム料理も。そして、ランチは全品680円とリーズナブル! ベトナム人留学生でも週に2、3回は食べられるようにとの計らいで、この価格にしているんだとか。
ランチは、A(フォー&生春巻き)・B(ブン・ボー・フエ)・C(日替わりランチ)の3種類。この日のCセットは、サワラフライのトマトソースがけとベトナム風カレーライスでした。
あれ、ランチCは2種類もあるんですか?? そして週替わり??
お客さんのリクエストで決めることが多いの。「ママ、次はアレが食べたい」と言われたら、なるべく応えたいから。1種類の時もありますよ。
なるほどじわじわと、テーさんのママっぷりを実感してきました♡
Cセットは、メニューには「日替わり」と記載されていますが、だいたい週替わりだそう。一番人気である、鶏の出汁や脂で炊き込んだ鶏飯をはじめ、角煮やしゃぶしゃぶなどがラインナップ(もちろん全てベトナム料理)。
「日本一!」のブン・ボー・フエ
本日は、テーさんオススメのブン・ボー・フエ(Bセットランチ)をいただくことに。なんだか妙に言いたくなる語感ですね。ブン・ボー・フエ! ブン・ボー・フエ!
直訳すると、「ブン=ビーフン」「ボー=牛肉」「フエ=街の名前」で、フエ風の牛肉ビーフンと言った感じでしょうか。フエの名物料理の一つです。
ベトナムは世界有数の米の産地だけあり、米粉を使った麺のバリエーションが実に豊富。例えば…
フォー → 平めんでやわらかい
ブン → 丸い太麺
フーティウ → 細いストレート麺で歯ごたえ抜群 などなど
日本では「フォー」が人気ですが、ベトナムでは「ブン」の方が、よりメジャーなんだとか。
牛骨や豚足の旨味が効いたスープに、ピリッと辛いラー油が刺激的。レモングラス香る独特のスープの味わいがクセになります……! そしてツルンとした食感のブンが、また合う。ラー油は、唐辛子やルビーオニオン、レモングラスなどを使い手作りした自家製で、これ自体はかなり辛いです(汗)! これが本場の味か! ブン・ボー・フエ!
「日本一」「一度食べたら忘れられない」と言うお客さんが多いのも納得の味。かなり美味しいです。
テーブルに置かれたヌクマム(右)はベトナム料理には欠かせない調味料。小魚と塩を漬け込んで発酵させた魚醤です。好みで数滴垂らせば、また違った味わいが立ち上がってくるので楽しいですよ。ちなみに、自家製ラー油は右から2番目。
まだまだ登場する「おふくろの味」!
カレー部部長(部員1名)として、やはり気になる「ベトナム風カレーライス」もいただきました。
見た目は日本のカレーライスにも似ていますが、ベトナムのスパイスを使用しているため風味が違います。また、親鶏を使っているため弾力に富んだ肉質と、強い旨味が味わえますよ。おいし~
こちらはチャオ・バン・カン。
実は、ランチの他にスペシャルランチなるものがあり、だいたい月替わりで展開。11月はテーさんが「一番好き」と太鼓判を押す、(日本で言う)肉うどんです。甘めのお出汁と、小麦粉を使ったきし麺のような麺が楽しめる一品。もちもちの麺は食べ応え十分ですよ!
そしてフォーも! 上品な鶏出汁のスープが体にしみます。おいし〜
「ちょっと時間が経つとのびちゃうから!」と、取材後の食事の際にはまた新しいフォーを用意してくださったテーさん。やさしみ……(涙)。
と、気づけばテーブルがいっぱいに……!!
いずれも和食にはないスパイス使いや味わいにも関わらず、舌に馴染みやすく、どこか優しい雰囲気をまとったお料理の数々。これが本当の「家庭料理」と言うんだろうなぁとジーンとしてしまいました。
※ちなみにパクチーは全てナシ。好きな人は別皿で注文してくださいね
お客さん念願の再オープン!
フエで公務員をしていたテーさんが来日したのは2001年2月。現地で日本人の旦那さんと暮らしていましたが、子供の学校のために日本へ来る決意をしたと言います。
もともとお料理を作るのが得意だったことから、同年10月にマンダリンカフェをオープン。当初は船橋郵便局の近くで営業されていたそうです。
「素材は日本人の舌に合わせて、味は本場の味付けで」をモットーに、船橋市場などで仕入れる旬の素材を中心に、化学調味料は極力使わず、手作りにこだわります。出汁は肉や魚介、野菜からイチからとるなど、丁寧な仕事が光る料理が評判を呼び、お店はみるみる人気店に。しかし、家庭の事情により、4年ほど営業したのち閉店。お客さんからは「またやってほしい」「私たちも手伝うから!」との声が多く、2016年にこの地に再オープンされたそうです!
「一人で店を切り盛りするのは時に大変な状況も。そんな時はお客さんが手伝ってくれるの。本当に助けられてます」とテーさんは語ります。
昼時には、地元の味を求めるベトナム人留学生や、OLやサラリーマンの姿が不思議と共存する景色は、テーさんが切り盛りするマンダリンカフェならでは。「午後も頑張ってほしい」と、ご飯や麺類は基本大盛り。お母さんのように、ベトナム人留学生に頼られることも多く、日本語が不得手な彼らの代わりに、休みの連絡を職場にしてあげたり、病院に付き添ってあげることもあると言います。
「人生はいつまで続くか分からない。だから1日1日を楽しく、良いことをして過ごした方がいいでしょ」と、笑顔で話すテーさんがとても印象的でした。
お腹も心もほっこりしました。まだ行ったことがない方、ぜひ一度本場の家庭料理を食べてみてくださいね!
ベトナム家庭料理 マンダリンカフェ
住所/船橋市湊町2-4-5 102
TEL/047-432-7736
営業時間/11:00~14:00 17:00~21:00(L.O.)
定休日/日曜
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