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2019-05-13

生で食べられる美味さ!メイド・イン・西船橋の小松菜を創り続ける「ひらの農園」

以前から船橋近隣のお店を取材したときに、西船橋産の小松菜を使用したメニューに出会うことがよくありました。

今回はその小松菜の生産者でもあり西船橋の小松菜をブランディングした農家「ひらの農園」に取材に行ってきました。

 

場所

今回取材したのは西船橋駅南口から徒歩4分ほど、スーパーマーケット「ベルクス西船橋店」の向かいにある畑にお邪魔しました。

ベルクス西船橋店の向かい

広大な畑とビニールハウスのすぐ後ろにはマンションが立ち並ぶ

すぐそばにJRの線路があり、マンションが立ち並ぶ都市の一画にあるロケーションの畑で栽培されているのには正直ちょっと驚きました。

 

見渡す限りの小松菜

まずはビニールハウスの中を見てごらんと案内されたハウス内には小松菜がびっしり!まさに小松菜の絨毯や〜と思わず声をあげたとかあげないとか。

ハウス内には小松菜がびっしり!

青々と茂っていてとても美味しそうです

ハウスに一歩入ると小松菜の匂いが充満しています。“小松菜のお浸し”のあの香りに思わず日本酒が飲みたくなってしまうのは私だけではないはずです。

こちらは生育途中の畑

小さい葉っぱが可愛い

ハウスの外では露地栽培が行われており、畑の面積としてはこちらの方が大きいです。

こちらは露地栽培の小松菜

まさに収穫作業中でした

 

平野農園の歴史

作業中の園主平野さんにお話を伺いました。

ひらの農園園主 平野代一さん

平野農園は1820年頃(和暦で言うと文政の時代)から続く農家で、代一さんで6代目となります。

平野さんは1957年生まれ、23歳から就農して今年で40年近くになります。

昔は色々な野菜を育てている農家でしたが、小松菜を育て始めたのは大正時代から。小松菜といえば江戸川区が有名ですが、祖母の兄弟が江戸川区の農家に嫁いだことから交流が生まれ技術が入って来たそうです。

 

船橋産小松菜ブランド化への道

平野さんが農業を手伝い始めた当時は、江戸川区の小松菜は有名でしたが、西船橋の小松菜はまだまだ無名でした。やがて1990年代に入りスーパーマーケットの台頭で大量仕入れ、低価格販売の流れにより農家を取り巻く環境はますます厳しくなっていきます。

江戸川区と同じことをやっていてもダメだ

この想いから平野さんは早くから土づくりを研究し、農業関係の展示会に足を運んで肥料メーカーや種メーカーと会って情報収集し、メーカーと一緒になってテストアンドエラーを重ねてノウハウを積み重ねていきました。

同時に「西船橋産の小松菜」としてのブランド価値を高めるべく、西船橋で小松菜を扱う16件の農家で“西船橋葉物共販組合”を結成し、生産者全員がエコファーマー認定を受け、共同の企画を作り、安定供給ができる体制を作り上げていきます。やがて西船橋の小松菜はその品質の高さを認められ、東京青果市場で最高値をつけるまでになりました。

 

見た目は同じでも品種が違う?

ひらの農園で育てている小松菜はシーズンごとに変えていて全部で12種類ほどあると言う。

えっ・・・?小松菜に種類あるの?

と思ったあなた、私もそう思いました。上の写真でも手前と奥では品種が違うのだそうです。

「試しに食べ比べてみな」と渡された2種類の小松菜。

生ですか?はい生です

ひらの農園の小松菜は生でそのままで食べても美味しいんです(チャンカーオで食べた小松菜生春巻きで体験済み)

食べ比べてみると、確かに味が違う

片方は若干苦味が強く濃い味、もう片方は苦味が少なくさっぱりめ

ハウス栽培と露地栽培でも葉の柔らかさなどが違い、使う料理によって好みもあるので、こだわる人は畑に来て食べて選んでいくのだそうです(毎朝仕入れに来る人もいる!)。

品種によって寒さに強い、弱いなどがあるので、シーズンごとに品種を変えながらその時に一番安定して収穫できる品種を育てていくのだと言います。ちなみに種まきから収穫までは、早くて3週間〜遅くて3ヶ月くらい。

 

地域と共存していく

こうして西船橋の小松菜のブランド化に成功した平野さん。しかし市場への出荷だけでは意味がないと考えました。

10年前に農商工連携事業の認定農業者となり、小松菜を使った商品やレシピなどの開発、イベントなどを行いPR活動をしてきたおかげで、メディアにも取り上げられ、船橋の小松菜ブランドはより一般的に浸透していきました。

小松菜ハイボールもそういった活動の一つから生まれた

「うちらのような都市型農業は地域との連携がないとやっぱりダメだよね。その地域で食べてくれる人、使って応援してくれるお店がないとね。だから小松菜ハイボールとかを一緒に考えたり、メニューに使いたいというお店の相談に乗ったり、学校に食育の授業をしに行ったり。そういった活動を一度きりじゃなくて地道に続けていくことが大事なんじゃないかな。」と語る平野さん。

事実この日の取材中にも色々な人が平野さんを訪ねに畑へやって来ました。ただでさえ収穫で忙しい上に、こうして取材を受けたり、地域の人たちと一緒にイベントをやったり。でも終始笑顔で対応してくれる平野さんだからこそ皆が集まって来るのだなあと感じました。

自分だけが良くなればいいと言う考えではなく、地域の農家、地域のお店、果てはその地域全体が活性化する。まさに“地域振興の理想的な姿”を見させていただけた取材でした。

ちなみにひらの農園では1束150円で小売もしてくれるので、とれたて新鮮な小松菜を生で味わって見たいと言う人は畑へGO!(基本収穫作業でお忙しいので、お釣りの無いよう小銭を用意して行ってください

 

こまつなう2019開催!

そんな平野さんも関わっている小松菜の一大イベント「こまつなう」が今年も5/26〜5/31に開催されます!

西船橋駅、船橋駅周辺の飲食店で限定小松菜グルメを食べ歩く企画です。

詳しくはこまつなうこまつなう公式ホームページをご確認ください

 

ひらの農園

住所/千葉県船橋市西船2-13-4

公式ホームページ

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