絵本に囲まれてゆっくり出来るブックカフェ「くわのみ書房」
先日津田沼から大久保方面へ県道69号線を走っている時に、思わず二度見してしまったお店。
大久保小学校近くの交差点にあり、一瞬カフェかなと思いきや「くわのみ書房」と書いてあるので本屋さん?
近くに寄ってみると
えほんとコーヒーと書いてありました。どうやらカフェ併設の本屋さんのようですが、絵本専門なのでしょうか?というわけで取材させていただく事に。
場所
県道69号線沿い、大久保小学校側の交差点にあります。最寄駅でいうと「京成大久保駅」から徒歩10分になります。
店内
お店に入ると、左手にカウンター席が4席、右手に本棚があり、壁にもオススメの絵本が多数並んでいます。
木のぬくもりが感じられる暖かい雰囲気でとても落ち着きます。
コーヒーをいただく
カフェスペースでコーヒーをいただく事に。
カフェメニューはこんな感じでコーヒー、紅茶、ジュースにクッキーなどのお菓子というシンプルな構成。
豆のフルーティーな香りが鼻を抜け、コクがあるけどスッキリしていてとても美味しいコーヒーでした。
もともとコーヒーが大好きという那須さん、「まあ専門店にはかないませんけどね」と謙遜されていましたが、引けを取らぬ熟練の技を垣間見ました。
お店のこと
店主の那須さんにお話を伺いました。
くわのみ書房は2016年4月にオープンして2年半が過ぎます。
那須さんは学校を卒業してから出版業界に入り数社経て、医療、医薬品関係の専門書や雑誌、新聞などを発行する出版社で25年勤めた、まさに出版一筋の経歴を持ちます。
50歳の時に、定年後の第二の人生を考えた時に、大好きな本に囲まれた本屋をやりたいと考え資金を貯め始めます。ただ出版不況で本屋が厳しい状況も重々承知していたので、専門書に特化した本屋にしようと考えました。
そんな時に那須さんの奥様の祖母が家庭文庫をしていたこともあり、子供の頃からたくさんの絵本に触れてきた奥様に、ロングセラーの絵本など色々と教えてもらった事がきっかけとなり、絵本・児童書に特化した本屋にする事に決めました。またご自身がコーヒー好きだったので、カフェ併設の書店(ブックカフェ)にする事にしました。
知るほどに奥深い絵本の世界
絵本は知れば知るほどに奥が深くて面白いと那須さんは言います。
「誰もが知るこの絵本の冒頭、ぐりとぐらが森に入っていくシーンですが、二人とも背中を向けているんです。普通なら正面を向いているか横向きですよね。でもこの背中のシーンを見て、子供たちも一緒に物語(森)に入っていきやすいんです。」確かに何気なく見ていたページにも色々な工夫が施されているのが絵本の面白さなのですね。
オススメの絵本
1969年に発行されたロングセラーの絵本。モンゴルの民話を赤羽末吉さんの絵で構成しています。この本は物語も素晴らしいのはもちろんですが、絵にも様々な意味が込められているそうです。
例えば表紙の絵一つとっても、スーホという少年の指先は優しく馬を包み込むように描かれています。本文の広大なモンゴル平野の情景も実際に赤羽さんがモンゴルの地で見てきた光景がリアルに描かれています。
那須さんは以前、赤羽末吉さんの息子さんの奥様である赤羽茂乃さんの公演を聞いて、絵本作家がどのような思いで絵を描いているのかを知り、絵本の奥深さを知ったそうです。
フランチェスカ・サンナ作、青山 真知子訳で2018年9月に出たばかりの新しい絵本。戦争と難民という社会的なテーマをグラフィカルなイラストレーションで美しく描いた作品。きじとら出版という翻訳家の小島明子さんが一人で運営している小さな出版社で、主に海外作品の翻訳版を出していて個性的な絵本作品が多いそうです。絵本としてこういう現代的なテーマが扱われているのは意味のあることだと思うと那須さんは語ります。
デリア・ハディ著、エミリー・サットン絵で2015年に出版された海外作品。一つのもみの木にまつわる人々のストーリーが、さりげなく淡々と展開していきます。そのさりげなさに人生の色々を感じることができると那須さんは言います。絵も話もとても素晴らしいクリスマスの時期にぴったりの絵本だそうです。
この日は3作品を紹介してもらいましたが、まだまだオススメの絵本はたくさんあるそうなので、気になる方は是非一度お店に行ってみてはいかがでしょうか?
とても美味しいコーヒーでも飲みながらゆっくりするのもオススメですよ。
くわのみ書房
住所/習志野市大久保1-8-1
TEL/047-419-3567
営業時間/11:00〜19:00
定休日/月曜、火曜
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