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2019-09-09

千葉ニュータウンに大旋風!凄腕ラーメン職人が挑む町中華!?「煮干中華そば 富士鹿」

暑い夏もクライマッスルになってきた今日この頃・・・イチバは一つ気づきました。このTシャツ1枚で一夏過ごしてしまった!!(洗濯はしています)

そろそろ編集長に「新しいTシャツ」と依頼しようにも、デザインに少々不安要素が残る(詳しくはこちらの記事をどうぞ)ので中々言い出せない自称日本一ラーメンを食べているアスリート(自分調べ)こと一場治之進です。

そんな毎日のファッションにお悩みのイチバは、買物と新店の噂の取材を兼ねて千葉ニュータウンに来ました。

 

場所

今回のお店は千葉県有数のベッドタウンであるこの駅!

噂のお店は北総線の千葉ニュータウン中央駅から成田方面に向かって国道464号沿いを2㎞程グーーーーンと走ると464号沿い成田→鎌ヶ谷側にあります。

印西エリアの動脈である国道464号線沿いにお店はある・

大きな看板が目印なので、分かり易いですね。ここは記憶だと前はイタリアンでしたね。ラーメン屋後用達の製麺所「浅草開花楼」のパスタを使っていたのが気になりイチバも食べました。

まるでファミレスのような外観で目立つ!でも、店名は「煮干」???

広い駐車場に、シャッターを待つ行列も!!これは只者ではない!

「しかし立派な店構えですねぇ~」思わず見上げるイチバ。

巨大な「煮干」の文字!!やはり煮干しがウリなのか?

新店にハッスルマッスルのイチバですが、まずは入ってみましょう!!お腹も空きましたし!

店内・メニュー

入り口付近に積み上げられた大量の煮干しの箱。

店内に入ると大量の「煮干し」の箱がお出迎えします。この煮干しの量から完全に店内仕込みであることが伺えます。「極上スープ」の予感です!

今まで取材した中ではトップレベルに広い店内!!ファミリーもくつろげるぞ!

店内はかなり広く、ボックスシートのテーブルが6席×6・4席×3・座敷6席×3・カウンター8席。

ひ・・広い!!まるでファミレスの様な広さにビックリです。

座敷も仕切られているので、ゆっくりと食事ができる。

座ってメニューを見ると、煮干し・鶏・味噌・タンメン・つけ麺と、かなり広いラインナップですね。炒飯から餃子から、昨今のラーメン専門店とは違う中華料理店の様な感じです

ここまで多くあると、一概に「左上の法則」とか野暮ったい事を言わず、サイドメニューとの組合せも含めてアレもいいコレもいいと大いに悩み楽しめます。

まるで町中華の様なラインナップ・・・ラーメン専門店じゃないのかなぁ~

イチバが嬉しそうにメニューを見ながら悩んでいると・・「イチバさん・・・月のランキング初の1位7月人気記事ランキング参照だったので好きなのを頼んで良いですよ」と編集長に言われ

「店が前面に打ち出している煮干しも捨てがたいけど鶏も気になる〜。じゃあ地鶏特製と濃厚特製煮干つけ麺・・それに炒飯と来たらお供の餃子もセットにしないと寂しがるから・・。」イチバの容赦ない注文を要約すると

地鶏特製(中華そば)濃厚特製煮干つけ麺半炒飯焼餃子という注文になりました。

 

スープの仕込み

店主の福田さんが厨房で調理を開始しました。今回は仕込み途中だったスープも見せていただいた。

スタッフの方々が作る手作りの餃子!手際良く作られている。

厨房の端には寸胴が並ぶ。煮干しの寸胴と鶏ガラの寸胴。それに完成間近のスープの寸胴だ。

鶏ガラは1日に50㎏も使う。

一日に20㎏もの煮干しを使うと言う寸胴。煮干しが所狭しと入っている。

店主の福田さんに言われ網で煮干スープの表面を押してみると、網がなかなか下に沈んでいかない!すごい量の煮干しを使っていることがよくわかる。

煮込んで出来上がったスープを濾す作業・・調理の合間に行っているが、凄い煮干しの量!

濾されたスープは茶濁色。旨みが凝縮されているのが分かる。

一連のスープの仕込みを見て、まず材料の量に圧倒されました。煮干しも鶏も新店とは思えない量です。この時点で単なる(と言っては失礼ですが)ファミリー向けのお店ではない事が分かります。ちなみにスープは6時間以上もかけて作るそうです。

 

調理風景

さて、イチバの注文したメニューの調理に移ります。今回はメニューが多いので「濃厚特製つけ麺」のみをご紹介します。

麺は浅草開化楼製の中太縮れ麺。

「※セメント」と呼ばれる極煮干しのスープを小鍋に移して温める。

茹で上がった麺をザルに入れて水で締める。

しっかりと水を切り、器に移す。

温まった極濃のつけダレを丼に入れて、具を盛り付けて完成!

流れるように一切の無駄がない動き、長年ラーメンを作り続けてきた職人さんだからこそできる立ち振る舞いにはいつも見惚れてしまう。

イチバのRMYK(ラーメン用語解説)
説明しよう!!「セメント」とはドラム缶の中でかき回す「アレ」の事・・・・・ではなく、セメント系煮干しの事だ。言い換えると「超濃厚系煮干し」の事で、その灰色の見た目から「セメント」と呼ばれる事がある。元祖は青森県は弘前市に存在する「たかはし中華そば店」と言われ、かつてイチバもその北の地で食べた1杯にノックアウトされそうになった。昨今では首都圏でも動物系と大量の煮干しから作った灰色な「セメント系」煮干しラーメンを出すお店が多く、多くのニボラーを虜にしているニクい存在。辛いことがあって空が灰色に見えても、灰色なセメント系煮干しを食べれば元気が出ると言うのはイチバだけではないだろう。

 

サイドメニューの底力

まず地鶏特製中華そば・焼餃子・半炒飯が到着!!吸い込まれるような魔のトライアングル!!

この組み合わせは町中華の王道!これを前に食欲湧かない人はいないであろう。

まずは焼餃子を。箸で持つとズシッと重さを感じる。

「餃子は手作りで、肉がゴロゴロしているのが特徴なんだよ。業者にひき肉を注文すると、どの部位の肉を入れられているのか分からないので・・・自分で引いたバラ肉のひき肉のみを使っているんだ。肉の旨さを感じる餃子でしょ?」と、福田さん。

餃子を口に入れると、ゴロゴロと重厚な「肉」の旨みが口の中に広がる!!

炒飯はオイリーだけどベチャっとしていないタイプ。自称チャーハンマニアの編集長も絶賛していました。

 

地鶏特製中華そばをいただく

これが「地鶏特製中華そば」だ!スタンダードなビジュアルだが、随所随所に丁寧さが見える。

煮干しを前面に押し出しているお店なのに何故あえて地鶏中華を選んだのか?

疑問に思う人もいると思うので説明しておきます。

煮干しといっても、ベースに使われているのは実はこの地鶏スープなんですね。だからこそお店の実力を知る上で、あえてごまかしのきかない地鶏中華を選んだという訳です。

そんなスープは派手さはありませんが、一口目に強い香ばしく上品な鶏の旨味が感じられます。どこか懐かしさを出しながらも、雑味のない鶏の出汁感はレベルの高さを感じられます。

所謂昨今に多い「濃厚」ではありませんが、先程の餃子や炒飯などとの相性を考えられているのか・・過剰な出汁感を出さずに完成度を高めています。

敢えて出汁感を強めずにサイドメニューとの共存を図っているのか?しかし、鶏の旨味はしっかりと出ている。

は全国的にも有名な「浅草開化楼」のウェーブがかった中太麺ですね。プリプリとモチモチが同居した食感で、鶏の旨味が効いたスープにしっかりと合っています。

浅草開化楼の中太麺。しっかりとした食感がスープに合う。

チャーシュー・味玉・メンマ・カイワレ・海苔・ネギ特製だけに豪華で量も多いですね。

まずはネギの切り方が丁寧ですね。意外かもしれませんが、ネギを丁寧に切るお店は美味しいお店が多いとイチバは思います。

ネギを丁寧に切る事・・ここに心が詰まっている。

バラロールチャーシューは味付けがしっかりとしているが、スープに勝たずに馴染んでいる

味玉も程よい味付けでスープの邪魔にならない。全てが計算されているのだ。

随所に高いレベルの技術が使われていますが・・それを説明せずサラッと「普通の中華そば」として提供しているのが面白いです。

単純に食べて「旨いなぁ~」と言うのも良し。隠された高い技術を感じて「凄いなぁ~」と思うのも良し。と言った1杯です。幅広い層が楽しめるハイレベルな1杯ですね。

 

濃厚特製煮干つけ麺をいただく

これが濃厚特製煮干つけ麺だ!!昨今の流行りのセメント系つけ麺!

つけダレは麺を入れた瞬間にドプッ!!っとした濃度を感じます。まさにセメント系らしいブリックス濃度番外編:山田食品[後編]参照ですね。

高濃度故に麺をつけ過ぎるとスープが絡み過ぎて、つけ汁が足らなくなる現象が起きますので、蕎麦のように少しだけつけ汁につけて食べるスタイルがオススメです。少量でも充分なインパクトと旨味が味わえます

所謂豚骨魚介系に位置付けされるスタイルで、出回っているスタイルながらハイレベルです。

かなり高濃度でハイレベルなつけダレ。

動物系の強い土台に煮干しの旨味が乗っかっている極濃のつけダレは、麺を入れるとつけダレが一気に持ち上げられます。口の中に入れた瞬間に重厚な旨味が口の中に広がります。これはかなり極上ですね!

しかし特筆すべきは煮干し特有の嫌なエグミや雑味が無いことです。この辺は丁寧な出汁の取り方など福田さんのこだわりが伺えます。

麺は中太縮れで幅広く合わせる事のできる太さと食感。

は中太縮れで、どんなラーメン・つけ麺にも幅広く合わせる事が出来そうですね。もちろん重厚なつけダレにも対応出来ています。

重厚なつけダレなので、麺とつけダレがバランス良く減るのだ。

は上記の「地鶏特製中華そば」同様で、一つ一つが丁寧ですね。美味しいです。

完食!最高の夏の思い出だった・・・イチバ散る(マッスルラーメンレポに栄光あれ)

 

お店のこと

店主の福田さんにお話をお伺いしました。

店主の福田さん・・いったいどのようなラーメン人生を生きてきたのか?

福田さんは千葉県四街道市出身で、高校卒業後に営業マンとして働いていました。

「あの頃は営業に行く先々でラーメン食べてたなあ。当時の千葉県はラーメン屋なんてそんな無かったから、東京・神奈川のラーメン食べては”こんな美味しいラーメンあったんだ!”って思ったよ。新杉田(現在は横浜)の吉村家とか家系は好きだったなぁ~。」

福田さんの言う約20年前の千葉県のラーメンと言えば、まだまだ発展途上で・・千葉県や隣接する東東京エリアなどは背脂系などの「こってり系」が力を持っている時代でした。千葉の「なりたけ」(千葉、他)環七の「勝」(篠崎)・「はし場」(閉店)・「涌井」(閉店)など、懐かしい背脂系のお店の名前が出てくるのでイチバもノリノリになります。

背脂系の名店の名前が出てきて嬉しくなるイチバ。

そして、ついにラーメン屋になろうと修行に入る事になりますその修行先は千葉の背脂の雄である某名店!と赤坂のレジェンドであるお店!

ラーメン屋に修行に行った福田さん・・修行先はどちらも名店だ。

「実は最初からやりたかったのは煮干しだったんだけど、当時の千葉で行列作っていたのは背脂のお店だけだったから、まずは背脂のお店で修行してから、30歳で独立したよ。」

千葉市で独立した福田さん。背脂系ラーメンは修行先の倍量の材料を使い、モヤシを入れずに勝負したそうです。またやりたかったという煮干しは独学で勉強したと言います

「煮干しはスープが出来たら冷やして、注文ごとに手鍋で温めていたんだよ。県内では当時背脂煮干しがなかなか浸透しなくてね。大変だった時期もあったなあ。でもそういう色々な節目や原点に戻りたい時は背脂を食べに行くよ。弁慶(堀切)とかね。」

今でこそ名店と呼ばれているお店ですが、大変な時期もあったのですね。

さて話を現在に戻しますが、今回は新店として何故こちらへ??

話を現在に戻して、何故千葉ニュータウンに??

「始めは・・元々パスタ屋がラーメンをやる時代だから、じゃあラーメン屋がイタリアンやろうって・・知り合いの大口君と一緒に”大福”ってお店でこの場所でオープンしたんです。ただイタリアンでこのキャパだと調理スタッフも数が必要で人手不足になってね。結局少人数でも回せるラーメン屋にしたという流れだね。」

確かに、以前この場所はイタリアンでした。そして今回はラーメン屋。でも福田さんの目指すお店は「町中華」のような肩肘張らずにラーメンが食べれるお店にしたいと言います。

「今のラーメンて色々うるさすぎると思うんだよね。やれ何系だ、出汁がどうだ、麺がどうだ云々…。食べる前から味の想像がついちゃう。でもラーメンて“なんか美味くてホッとする”というのが本来の姿だと思うんだ。そういう“ホッとするラーメン”を経験してきた色々な技術を使って作るというのがコンセプト。チャーハンと餃子も手間がかかるからやらない店が多いけどあえてやる。だってラーメン、チャーハン、餃子の組合せは町中華の王道であり無敵だから(笑)」

聞いてて納得の「福田イズム」。その根底にあるのは、今のラーメン界の流れに対する疑問なのだ。

最後に店名の「富士鹿」の由来について伺いました。

「この辺(印西市)には”鹿黒”って地名があるので“鹿”という字を使って、語呂良く”富士鹿(ふじろく)”ってフジロックフェスをもじっただけです(笑)。正直なところ店名はどうだって良いと思ってる。この店がどんなラーメンやっているかが一目で分かる事が大事だと思うから、あえて看板とか目立つところに店名は一切入れてないんだよ。」

確かに入り口横の提灯とメニューの表紙にしか「富士鹿」という店名がない。

最後まで面白い「福田イズム」!そしてレベルの高い技術が詰まったホッとするラーメン。是非また来たいと思えるお店でした。

福田さんの新たな挑戦は始まったばかり!!昭和の心温まるお店作り、イチバは心から応援しています。

福田さんの新しい挑戦!応援しています。頑張ってください!

 

マッスルコメント

ベテランが挑む新たな境地に習って、イチバも挑戦マッスル!!

 

煮干中華そば 富士鹿

住所/印西市草深1062-1

TEL/0476-29-4757

営業時間/11:00~15:30 17:30〜22:00(LO21:30)

*スープ売切れの場合早めに閉まる事もあります

定休日/火曜(仕込みの為の臨時休業あり)

↓地図はこちら

過去のマッスルラーメンレポ記事はこちら

 

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