音楽からラーメンへ!もう一人の自分が挑んだ魂のスープ作り!!「横浜家系ラーメン 蓮」
そう言えば・・・・かれこれ2年も連載しているマッスルラーメンレポ!!!いや~今にして思えば1~2ヵ月で打ち切りになるんじゃないかと思っていましたが、毎回嫌な顔もせず(自分調べ)読んでくれている読者の方々のおかげですね。
まさに感謝マッスルです。そんな2周年を迎えた自称日本一ラーメンを食べているアスリート(自分調べ)こと一場治之進です。
今回は、イチバが特に好きなジャンル(と、言ってもラーメンと名の付くものはほとんど好きですが)である家系の新店に来てみました。
場所
場所は学生街でありラーメン屋の激戦区である京成電鉄の京成大久保駅。
ここからラーメン屋の激戦区である商店街「ゆうろーど」を進む事・・約400m。
県道69号線に出る手前の左側にお店があります。
店内・メニュー
店内は家系では珍しく明るくカフェの様な雰囲気ですね。テーブル4席×3・カウンター8席の計20席です。
「今日は”ラーメン 並”にします!!」と歯切れのよいイチバ。
「迷柱(まよいばしら)のイチバさんが迷わないなんて珍しいですね」とイヨリ編集長。
「ライス無料と言えば家系の呼吸・・・」ブツブツと訳のわからないことを言いながら、食券を店主の渡邉さんに渡すと・・・「お好みありますか??あとライスは?」
これぞ家系のやりとり!!!「全部普通で・・ライスはモチのロンで!!!!」と答えるイチバ。
調理・・・スープの仕込みについて
店主の渡邉さんにお願いして調理を見学させてもらいました。
「スープはゲンコツ・※込みガラ・トンボで出汁を取ります。1日約100㎏ぐらい使いますね。煮込み時間は約10時間ぐらい・・・込みガラはコストが安く、2時間ぐらいで味が出切りますが味の深みは出ないんです。代わりに豚骨らしい風味がしっかり出ます。ちなみにトンボを使うのは、家系の中でも修行先の特徴ですね。」
説明しよう!!「込みガラ(雑ガラ・並ガラ)」とは!!ガラの中でも色々な部位を混合して入れた物だ。特定の部位とは違って、雑味があり他の部位のガラと併用して出汁を取ることが多い。加えて「トンボ」とは!!!一言で言うと「肩ロースガラ」の事。背ガラなどより短時間で旨味が出るガラ。旨味が強く、コクがしっかると出る。巷では「ガラが悪い」と言う人がいるが、ガラに良いも悪いもない・・・要は使い分けが出来るかどうかなんだ!!と、大きな勘違いして綺麗に話をまとめたと思い・・後に大きな恥をかいた事はイチバの黒歴史である。
「元々はガラを寸胴の中に積み立てていたんですよ。焦げ防止の為に底に前日使ったゲンコツを敷いて、上にゲンコツ・更に上にトンボを敷きます。トンボは隙間が合って、炊くと・・どんどん沈んでくるので・・上から更に乗せます。」
それでも、この方法はゲンコツを仕分けると言う作業が伴います。
「現在は方法を変えて、1番目の寸胴内をひっかき回して3時間ぐらいでガラを抜きます。2番目の寸胴に抜いたガラを入れてこちらでも出汁を取ります(2番出汁)。1番目の寸胴に再びガラを足して煮詰めていきながら、またガラを抜き2番出汁の寸胴へ移します。こうして1番目の寸胴は濃度の濃いスープ、2番目の寸胴でややライトなスープが出来、これらを組み合わせながら濃度調整を行って濃厚なスープを作り上げます。家系でここまで入れ替えを行うお店はあまりないかもしれませんね。」
「カエシはヤマサ醤油を使います。修行先のオリジナルのヤマサ醤油とか家系専用の醤油とかありますが、これは普通のです。昆布・生姜を加えて2時間程チャーシューを煮込んだものがカエシになります。」と渡邉さん
とても手間暇かけて作られていますね。
調理
実食
着丼すると、イチバの目がキラキラと輝きます・・・。そう・・イチバは家系のビジュアルで大方の系譜(つまり修行先・流れ)が分かると言う特技があるのです。
このオレンジ~茶色がかったスープと肩ロースチャーシュー・・それにライス無料と言えば・・「新中野武蔵家系」でしょう。
スープは豚骨の濃度が非常に高く、時折骨の食感が残る程のパワフルな豚骨醤油です。正直、これは凄い・・・!千葉県でもトップレベルの家系スープだと断言出来ますね。
茶濁でブリックス濃度が高いので、レンゲで持ち上げるとトロリとした感触を感じます。
口にスープを含むと豚骨・カエシ・鶏油がガツン・ガツン・ガツンと旨味を爆発させます。最後に強いコクと甘みが口の中に広がります。はっきり言って・・・・超超極上です。
麺は家系のお店では初めて聞いた地元「山田食品(レポ番外編:山田食品参照)」の四角い断面の家系らしい中太ストレート。実は、この麺がかなりビックリでした。
家系らしい、モチモチした食感に高濃度の豚骨スープにしっかりと馴染むピシャリな麺・・・そう・・ピシャリ過ぎるのです。
家系と言えば、本流だけが使えるある製麺所があるのですが・・・その製麺所の家系用の麺は家系のスープに非常に合うんです・・・合い過ぎるんです。だから、家系のお店でその製麺所の麺箱が置いてあると「このお店は当たりだ」と家系マニアは安心感を覚える程です。
多くの製麺所がその製麺所の麺の食感に挑みました・・・しかし、似て非なる食感なんです。近い感じはでるのですが、どうしても違う。ある意味、「家系七不思議の一つ」と言っても過言でないくらいですね。その製麺所の麺の秘密はイチバが分かっているだけで2つ。1つは麺の長さ・・・麺を啜って、噛み切るギリギリの長さにする事で不快感を減らす事。もう一つは・・・・
「渡邉さん・・・この麺、まさかの※逆切りでは?」イチバは興奮して聞きます。
「・・それ用の(製麺機の切り刃)刃だと聞いています。あの家系の製麺所の麺も使えましたが、色々食べてこの麺に合ったので・・これにしました。」と渡邉さん。
まさに、「あの」製麺所の麺と全く違わない食感の極上麺。この麺が出回ったら家系ラーメンは大きく変わるかもしれませんね。
説明しよう!!「逆切り」とは!!家系でよく使われる角の切り刃を使用する場合(つまり四角い断面の麺)麺帯の圧延された上下の二面と刃で切られた左右の二面がある。刃で切られた断面はザラついてスープが絡みやすいと言う特徴がある。家系で使われる麺においては、断面が長方形である事から、左右の麺が広い部分に刃を入れる為には特殊な刃を使う必要がある。ここで登場するのが「逆切り」なのだ。逆切りで作られた麺はスープを良く吸うと言うのが特徴。・・・え?ちょっと何言ってるか分からんマッスル?ならば「マッスルラーメンレポ番外編:山田食品」を再度読む事を強くオススメする。
具は家系らしい海苔3枚・チャーシュー・加えてホウレン草と小松菜のミックスです。さすが王道とも言える具は家系のスープにピシャリですね。特に、ホウレン草と小松菜のミックスは柔らかさと茎っぽさの両方の食感が味わえて良いですね。
はっきり言って、かなり高い完成度の家系ラーメンですね。正直、驚きました。
渡邉さん・・・イチバはそろそろ良いですよ♪
ラーメンを食べながらチラチラと渡邉さんを見るイチバ。
「イチバさん・・・やるのですか??アレ(レポ31:ぼくんち参照)を・・・」さっきまで静かだったイヨリ編集長が緊張した顔つきで話しかける。
コクリと頷くイチバ。
海苔をスープに浸して・・・・
・・・行くぜ!!!家系の呼吸 終ノ型
お店のこと
店主の渡邉さんにお話を伺いました。
渡邉さんは新潟県柏崎市出身で、小さな頃から音楽に打ち込んできたそうです。
「高校ぐらいまでずっとピアノを習って弾いていました。クラッシックをやりつつ、バンドもやってたりして、この体格だからドラムやらされたり(笑)。なんやかんや色々な楽器をこなしていました。」
「高校卒業後は神奈川県川崎市の音大に入り、作曲を専攻していました。卒業後は中野を中心にスタジオで働きました。楽曲を作って提供をしたり、レコーディングの技術の仕事をしたり、ライブのカメラマンもしていました。音楽に関する事は3年程で色々やりましたね。」
「中野で仕事をしていた時に武蔵家(新中野本店)食べて旨いなぁ~って思ったんですよ。住んでたのは町田で、近所に”町田商店”もありましたし”ラーメン二郎 八王子野猿街道店2”もありました。色々食べているうちに”ラーメンって面白い”って思ったんですね。音楽の仕事をしながら生田のG系のお店でも働きました。」
「物作りが好きだったんです。音楽も曲作ってコンペで採用されると”選ばれて良かった”って思う。ラーメンもお客さんが食べてくれると”選ばれて良かった”って思います。そういう意味ではラーメンの方が身近なので、多くの人に選んでいただける機会が多いと感じました」と渡邉さん。
音楽への未練は??と伺うと・・「自分の中ではやり尽くしたから未練はないです」とはっきり答えられました。
「音楽の仕事辞めてから一度地元の新潟に帰ったんです。そこではちょっと違う仕事をやっていましたが、新潟にいると居心地良くてダラけちゃうので・・”やっぱり本格的にラーメンやってみよう”って踏ん切りつきました。」
そこで修行に入った先は「武蔵家 船橋店」。あの激戦区「中野木交差点」の1角のお店ですね。渡邉さんが、かつて美味しいと言っていた新中野の「武蔵家」の流れを汲む「武蔵家 千葉本店」の系列店ですね。
「2019年夏まで船橋の武蔵家にいました。その時は”スープ作りって面白い”って思いましたね。」
そして2020年6月に「蓮」をオープンしました。京成大久保にお店を出したのは、この場所によく遊びに来ていたからだそうです。
「店名の由来は・・自分の名前は”涼輔”って言うんですけど、母親が名前を”涼輔”か”蓮”で悩んでいたそうです。それで選ばれなかったもう片方の自分の名前を取って”蓮”にしました。」
音楽の道を歩むかラーメンの道を歩むか・・・”涼輔”か”蓮”か・・・まるで2人の人生を見ているようだとイチバは思いました。
最後に今後について伺うと・・・
「武蔵家で一緒にやってきた奴がいるんです。一人だと限界あるし、いつか一緒にやりたいですね。」
ラーメン屋も一人でなく連弾で頑張って欲しいですね!!!超極上の家系ラーメン・・・・・美味しかったです!
マッスルコメント
渡邊さんの作ったパワフルなスープに負けない様に・・・パワフルスタートダッシュマッスル!!!!
横浜家系ラーメン 蓮
住所/習志野市大久保1-16-13
営業時間/11:30~14:30 18:00~21:00
日曜 11:30~14:30
定休日/月曜(※今後変更の可能性あり)
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