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2018-10-02

老舗甘味処の船橋名物“ばか麺らーめん”とは!?「ラーメン・甘味処 美松」

気温の変化が大きい毎日ですね。もっとも私は毎日Tシャツ1枚ですが・・。

心と体が冷えても「熱いラーメンが温めてくれる」からTシャツ1枚でノープロブレムです。

こんにちは。自称日本一ラーメンを食べているアスリート(自分調べ)こと一場治之進です。

そんな私が、イチバ的な視点とファッションと感性をフル活用して鎌ヶ谷・船橋・白井のラーメン屋さんの魅力を皆さんに伝えていきたいと思います。

さて、第8回は船橋にある「美松」に行って来ました。

船橋駅前はかつて宿場町であり漁港であり門前町であると聞いていましたが、宿場町の名残で現在も駅前には細い路地の様な通りが多く存在し、飲食店も多く営業しています。そんな昭和のブルース流れる路地の中に「美松」は営業しています。

宿場町の名残が残る船橋駅前の路地

場所

多くの人が行き交うJRと東武線「船橋駅」の南口を出て京成船橋駅方面へ。

飲食店が並ぶ千葉県有数の繁華街「船橋駅」南口

左手に「マツモトキヨシ」が出てきたら路地を左折。この細い通り「仲通り」には多数の飲食店がひしめき合っています。そんな中を直進すると左手に「美松」が出てきます。徒歩3分程です。

「マツモトキヨシ」を左折したら左手に「美松」が出てくる。

ここまで歩いていると、駅前の大通りはチェーン店が。路地には老舗や個人店などの飲食店などが立ち並びます。そんな路地の風景に溶け込む様に「美松」はあります。

 

外観

前述の通り、老舗らしい落ち着いた雰囲気の「美松」。この外観でノスラーレポ2「泰山」参照)マニアがヨダレをたらして喜びそうです。入り口脇にあるラーメンの食品サンプルもノスタルジーポイントが高いですね。

周囲の雰囲気に溶け込みながらも大御所のオーラ漂う外観

店の前には昔懐かしの「サンプル」が。ノスラーマニアが反応しそうだ。

店の前に立って気づいた事が・・・・入口の看板に「甘味処?」

ラーメンじゃなくて「甘味処」?でも、ラーメンって書いてあるし。何で甘味処でラーメンなんだ?と、期待と好奇心で「アドレナリン」が溢れんばかりに分泌されます。しかも入口には「ばか麺」って貼紙が・・・何だろう?

甘味処って・・・・アドレナリンが凄い勢いで分泌されて鼻息が荒くなる。

しかも「ばか」って書いてある!えっ??「ばか麺??」船橋名物・・なのか??

この時点で私の筋肉で出来た脳味噌が軽くショート起こしているのは、上の写真の表情からも伺えるでしょう。

とりあえずお腹もすいたし、頭で考えるよりも筋肉で感じようということで店内へ。

いざ、「ばか麺」ワールドへ!!

 

店内

店内は4人がけ・2人がけテーブルで16席、コンパクトにまとまったレイアウトです。

外観からの期待を裏切らないノスタルジックな雰囲気の店内で、老舗の味が建物全体から滲み出ています。

店内 入口側から。

「美松」特製の「おでん」もある

ふと、厨房近くに目をやると「おでん」が置いてあります。そう言えば最近、一気に冷えたしなぁと思ったら「おでんは1年中やってるのよ」と女将さん。出汁がガッツリ効いていそうな匂いの誘惑にまたラーメンレポであることを忘れそうになるイチバ・・・。

「おでん」は通年やっているらしい

こんな味が染みていそうな「おでん」を見せられたら「ラーメン」も期待マッスルに。今回は極上「おでん」の芳醇アロマを嗅いで大人しく着席します。

 

メニュー

メニューはラーメン・甘味・カレー・おでんが中心に幅広くあります。良く見ると飲み物も種類豊富ですね。

ラーメンだけでなく、予想通り甘味処としてのメニューも豊富だ。

通年の提供の「おでん」。安いし、こりゃあ魅力ある。

今回は「左上の法則」レポ2「泰山」参照)「ばか麺特製ラーメン」を注文。「船橋名物」と書かれたら食べねばいかんでしょう。

でも、何で「ばか麺」なんだ?と、疑問に思っていると、さっきまでお客さんとして横で食べていた男性が立ち上がりました。

「俺が作ったんだよ!ばか麺」その声に反応して振り向くと、カレーとラーメンを頬張っていた一人の男性が微笑んでいました。

 

偶然の出会い

男性は「千葉県観光マイスター会 会長」の海老原さん。船橋市非公認観光プロデューサーらしいです。

船橋市観光協会副会長や船橋商工会議所の議員も兼務している地元では有名な方だそう。

「何か凄い人キター」と、とりあえず記念撮影するイチバ。本当にたまたまです。

そんな海老原さんは、この「ばか麺」を企画をして、船橋のご当地ラーメンとして盛り上げようと試みた仕掛け人でもありました。

以前は他に2店舗「ばか麺」を出すお店があったらしいですが、現在はここ「美松」だけになってしまったそうです。

他にも「スズキ」「小松菜」など船橋の特産物を使ったメニューなども企画・プロデュースしているそうです。

「この雑誌にも俺の企画したメニュー載ってるよ」と海老原氏。

 

ばか麺を実食

そうこうしている内に「ばか麺特製ラーメン」が出来上がりました。

これが「ばか麺」だ!!何故「ばか」なのだ??

名前の由来の前に、麺が伸びる前に食べねば。アサリ・桜海老が映えた美しいビジュアルです。海苔の黒もアクセントになっています。

海老原さん曰く、桜海老は「海老川」スープから持ち上げるアサリは「潮干狩り」三番瀬の海苔など船橋名産の素材をモチーフにしているそうです。ちなみに具材は全て国産で、アサリと海苔は船橋産だそうです。

具材一つ一つが「船橋」を表しているのだ。

潮干狩りの様にアサリをスープからサルベージしながら「まさに丼の中に船橋が広がっている」と思ってしまいました。

イチバのRMYK(ラーメン用語解説)
説明しよう!!「サルベージ」とはスープに沈んだ具材を箸で救出作業し持ち上げる事。所謂「引き上げ作業」。具材の多いラーメンで良く使われる言葉だが、基本的には実況しながら食べる訳ではないので心の中で出る言葉である。 類義語:麺リフト・・・麺を持ち上げること。主に撮影の為である場合が多い。

 

甘さとコクと海産物の香りが絶妙!

スープ豚骨・鶏ガラが中心で、タレの影響か独特の甘さが光ります。

旨味が強いのに後半まで疲れずに安定して食べれるスープなので、気づくとスープの量が減ります。このスープは魔力があります。

船橋市の「マルショク」製の中縮れ麺。

は地元船橋の「マルショク」の中縮れで、適度な弾力がありスープにしっかりと合います。派手さがない分、スープの世界観にしっかりと合っていて自然に馴染んでいます。

次々に自然に口に入る1杯。このバランスこそが老舗の経験値だ。

具材は、アサリはお店で煮ているそうでプリッとした食感と旨味がいいアクセントに。桜海老はスープに旨味をプラスしてくれます玉子は「おでんの玉子」を使っていて出汁の味が染みこんでいます。チャーシューは国産のバラ肉を使い脂身がトロッとして旨味の宝庫です。海苔は三番瀬の海苔なので香りが違います。メンマもシャキッとしていて良い仕事をしています。

単に「船橋」を表したと言うだけでなく、全体的にとてもバランスよく完成された仕上がりになっています。

 

美松うーめん(仮)?

ラーメンを食べていると、新メニューがあるから食べてと言われて出てきたのは、先程の「ばか麺」の絶品スープを使った「うどん」

出てきた新メニューのうどん

ラーメンのスープにうどん!果たして合うのか?

食べてみた結論としては、

このスープに「うどん」は絶妙に合う!!

聞くと常連さんが「うどん」の麺を持ってきて「これをラーメンのスープに入れてくれ」と頼まれた事がきっかけで作った新メニューなんだとか。

具材はこちらも「地産地消」をコンセプトに船橋産の小松菜と若布を使用しています。

「でも、これ名前まだ考えてないのよねぇ~。何かない??」と、女将さん。

「うどん×ラーメンで、“うーめん”なんてどうでしょう?」と、イチバ。

「あっそれいいわね。じゃあ“美松うーめん”決定!」

命名:美松うーめん

こんな簡単に名前決めちゃって良いのでしょうか??何か責任感を感じた反面「何でマッスルの単語を入れなかったんだ・・」と深く後悔。この「美松うーめん」がメニューに記載される日は来るのでしょうか。乞うご期待!

W汁完!!!(ダブルシルカン)「美味い」は正義だ!

 

甘味処 美松

食後のデザートに。「お店で一番でる甘味は”あんみつ”なのよ」と女将さんが出してくれたのは「あんみつ」。

「あんみつなんてBabyの食べるもんだぜ」と、塩っぱい顔のイチバ。

「あんみつ」を前にしかめっ面のイチバに、「イチバさん、甘いの嫌いなんですか?だったら俺甘党なんで食べま…」と編集長が出てくるのを間一髪制止!

甘いの好きですよ俺は!

しみじみうまい!

さすが甘味処・・・「あんみつ」の上品で濃厚な甘さが旨っ!!

 

お店のこと

女将さんの金井さんにお話をお伺いしました。

船橋を代表する名店「美松」の厨房を守る金井さん。どんなドラマがあったのか・・・。

金井さんは夫婦と娘さんの3人でこの「美松」を切り盛りしています。

白井のご出身で元々医療関係のお仕事をしていた旦那さんが看板メニューであるラーメンのスープを毎朝作っているそうです。

今回は旦那さんのお話は伺えなかったが、粋な雰囲気の方だ(写真拡大の中)

開店時間から店を切り盛りする女将さんは東京都葛飾区出身の下町っ子

もともと都内で医療関係の施設で調理師として食事を作っていたそうです。夢は喫茶店を出す事・・・コーヒーの入れ方からマナーまで学ぶ喫茶店の学校にも通うほどでした。

医療関係のつながりで旦那さんとご結婚され、船橋へ。今から32年前に「美松」を開店する事になりました。

船橋に来た金井夫妻。開店までは大変だったそう。

「夢の喫茶店」と言う気持ちで船橋の地に来たものの、船橋は「大神宮」のお膝元。結果として「喫茶店より甘味処の方が良いんじゃないか」と思ったそうです。

「参拝客もいるし、甘味処ならお年寄りでも入れるしね」と、女将さんは言います。

店名は女将さんと娘さんの名前からとり「美松」へ。こうして甘味処としての「美松」がスタートしました。

 

甘味処が作るラーメン

甘味処としてスタートした「美松」ですが、当初は食事のメニューがなく、お客さんからの要望もあり食事メニューを考えました。

甘味処からスタートした「美松」。

そんな時に、市役所の地下で船橋のお土産ラーメンとしてばか麺」を企画し販売していた海老原さんに相談し、お土産として売られているラーメンをお店で出してみようということになったそうです。

船橋には昔から郷土芸能として「ばか面(ばかめん)おどり」と言うのがあります。

港町として海上の安全と豊漁を祈願して面を着用して踊るそうです。その「ばか面と麺」を掛けて「ばか麺」は誕生しました。

店内に飾ってある「ばか面(笑い・怒り)」昔からの船橋の郷土芸能だ

商いと飽きない

長年ご商売を続ける秘訣をお伺いしました。

長年続ける秘訣は「毎日お客さんとお話する事」

「商売は飽きずにやるのが商い」と昔知人に言われた一言を今も大事にしているという女将さん。

「一言二言でも必ずお客さんとお話する様にしているのよ。やっぱりコミュニケーションは商売の基本だと思うし、何より私は人と話すのが好きだからね。もう辞めようかとこっちが弱音を吐いていると、ここのラーメン食べれなくなったら俺は生きていけないから続けてよ!なんて励まされたり。そういうお客さんとの日々の何気ない会話が力になっているわ」と語る女将さん。

お話を聞いている途中でも「営業時間を延ばして24時までやろうか」とか、「カウンター作って立飲みもやってみようか」など、今もなお店作りに対しての飽くなき探究心を感じました。

甘味あり・ラーメンあり・女将さんのトークありと魅力溢れるお店でした。気になる方は行ってみて下さい。

金井さん!「船橋」が詰まった1杯ありがとうございました!

マッスルコメント

「船橋」が詰まった1杯と甘味の糖分補給でマッスルダーーーッシュ!(注:廊下は走らない様に)

ラーメン・甘味処 美松

住所/船橋市本町4-43-17

TEL/047-424-7733

営業時間/11:30~15:00 17:00~21:00

定休日/木曜

備考/駐車場無し

↓地図はこちら

 

 

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