toggle
2019-11-21

どんな靴でも修理する!キャリア70年の靴職人は包丁研ぎも一級品?「日の丸屋靴店」

高根木戸に包丁研ぎの上手な靴屋さんがある。

そもそも街中で個人経営の靴屋を見かけることが珍しくなった昨今、靴屋だけでもちょっとレアなのにさらに包丁研ぎが上手とは・・・

なんとも不思議な情報を聞き、なんとも不思議な気分でそのお店に向かったのでした。

お店の名前は「日の丸屋靴店」です。

 

場所

高根木戸駅を出て古和釜方面へ歩いてすぐ。斜めに入る道が「高根木戸中央通り商店街」。少し歩くと右手にお店があります。

高根木戸駅方面から。青い建物を斜めに入ると高根木戸中央通り商店街

しばらく歩いた右手に見える

反対側から

「日の丸屋靴店」外観

 

店内

店内にはズラリと靴が並んでいます。といっても流行りのスニーカーとかではなく、サンダルや、お年寄りの方に優しい靴、学校指定上履き、ダンスシューズなどラインナップも個性的です。

店内

サンダル系のラインナップは豊富

このサンダルイカすなあ!

「ジャガー」と言う日本製のサンダル。いい味出てます。

ビジネスシューズも

カンガルー皮。いいですねえ。

何気にブーツもある

学校指定の上履き

 

ダンスシューズはおまかせ

ショーケースに入っているダンスシューズ

お店の看板にも出ていたように「ダンスシューズ」の取り扱いも日の丸屋靴店の売りです。お客さんの足の形に合わせたシューズを揃えています。

店主の岡田さん

ダンスシューズとはいわゆる社交ダンスに使われる靴で、ソールがスエードのような皮でできている特殊なシューズです。

ダンスシューズの床(ソール)

日の丸屋靴店ではこのダンスシューズの床(ソール)の張り替えや修理も請け負っています。今はダンスシューズを扱う靴屋さんも全国的に数少なくなっており、また修理に対応してくれる靴屋も減っているので、遠方からも修理の依頼が舞い込むのだそうです(青森県からの依頼もあったとか)。

 

靴職人歴70年!

店主の岡田さんにお話を伺いました。

店主の岡田三郎さん

日の丸屋靴店は昭和38年7月にオープンして今年で56年になります。

岡田さんは群馬県太田市の生まれで、今年で85歳になります。戦争を経験し太田市は富士重工業の前身である中島飛行機製作所があり空襲がひどかったそうです。小学校4年生の時に終戦を迎えました。

実家は農家で、子供の頃は農作業を手伝っていたと言う岡田さん。祖父が大工だったこともあり、よく木工細工などを自分で作っていたそうです。

小学生の時に作ったと言うハンコ

今でも領収書などに使っている

中学を卒業し、手先が器用だった自分の特性を生かしたいと、自ら望んで昭和25年に15歳で上野の靴屋へ丁稚奉公へ行きました。その靴屋こそ「日の丸屋靴店(本店)」でした。

上野にある老舗靴店「日の丸屋靴店」で修行した

若かりし日の岡田さん。靴の展示造作なども自分で作ったそうだ

岡田さんは靴職人としてメキメキと頭角をあらわし、当時からどんな難しい修理でも請け負って、親方も一目置く存在だったと言います。13年間修行をし、屋号をもらって独立。ここ高根木戸で「日の丸屋靴店」として自分のお店をオープンしました。

「親方からは相当反対されました。お前の腕なら都内でやったほうがいいと。でも私は田舎生まれだったのでどうも都会は落ち着かなくてね(笑)。当時はまだ松林と畑しかなかったここ高根木戸が気に入って決めました。」と言う岡田さん。

そうして高根木戸の地域に密着した靴屋さんとして今もなお営業を続けています。

 

直せない靴はない

修行時代からどんな靴の修理依頼も請け負ってきたと言う岡田さん。

そのスタイルは今も変わらず「お客さんが直して欲しいと持ってきてくれた靴はね、どんな靴でも修理しますよ。自慢じゃないですが靴に関わって70年やってきたのでね、それなりに自信はありますよ(笑)。」と笑いながら話してくれた。

この日お店にあった修理されたスニーカー

ソールの張り替え

つま先部分の補強。パターンまでそのまま!お見事です

岡田さんの修理のモットーは“一度直したら二度と持って来ることがないようにしっかり直す”だそうで、靴修理のチェーン店ではやらないような、念入りな修理をやるのだと言う。手間のかかるやり方だけど、そこは町の靴屋、そして靴職人としてのプライドを感じます。

 

包丁を研いでもらった

店先に出ている包丁研ぎの看板

さて情報にあった包丁研ぎを実際お願いしてみることにしました。

子供の頃から農作業で使う鎌を自分で研いでいたという岡田さん、靴製作で使う刃物をはじめ包丁研ぎはお手の物。お店での包丁研ぎサービスは20年前くらいから始めて「日の丸屋靴店で研いでもらうとよく切れる」と口コミで地域に広まっていったそうです。

まずは目の荒い砥石で研ぎます。素早い手さばきは熟練の動き!

砥石も目の荒さの違いで何種類もありました

目の細かい砥石に変えて仕上げます

私が持っていったのは鉄製の出刃だったので、研ぐのは割と早く終わりましたが、材質によっては時間がかかるので通常はお預かりして1時間くらい時間をもらっているそうです。

肝心の切れ味は・・・

めっちゃ切れるようになりました!

情報の通り、すごい切れ味です。さすがプロの技、あらゆる食材がストレスなくスパスパ切れるようになりました。

取材中にも靴の修理、新しい靴を買うお客さんが入ってきて、地元に愛されているお店なんだなあとしみじみ感じました。

85歳になる岡田さんはマラソンが趣味で、今も店から御滝公園〜金杉交差点まで往復8kmを毎日走っているというのだから驚きです。体が続く限りお店を続けていきたいと力強く語ってくれました。

壊れた靴や切れない包丁があったら、日の丸屋靴店さんに行ってみてはいかがでしょうか?

 

日の丸屋靴店

住所/船橋市高根台6-45-7

TEL/047−465−6841

営業時間/10:00〜19:00

定休日/土曜

備考/Pなし

↓地図はこちら

 

 

関連記事