toggle
2018-12-28

京成大久保で常に進化し続ける1杯!「ramen case-K」(ラーメンケースケー)

毎日更新している「鎌ヶ谷・船橋あたり」をご覧になっている皆さんこんにちは!

自称日本一ラーメンを食べているアスリート(自分調べ)こと一場治之進です。

「何だ今日はイチバの記事かぁ~」と思われないか心配している今日この頃です。

そんな幻聴が聞こえてきそうな今日この頃ですが、お腹はそれとは関係なく減るので今日も鎌ヶ谷・船橋・白井・・・それに習志野あたりのラーメン屋を取材し、イチバ的視点でお店の魅力を皆さんに伝えて行きたいと思います。

第15回は千葉県の学生街の一つ京成大久保駅の商店街内にある「ramen case-K(ラーメンケースケー)に取材に行ってきました。

場所

県内屈指の学生街「京成大久保駅」

最寄り駅は千葉県内屈指の学生街である京成電鉄「京成大久保駅」から約400m。駅を出て右側に道路を挟んで「学園おおくぼ商店街」が北に600m程伸びています。その商店街を3~400m直進すると左手にお店があります。

駅から道路を挟んで見える「学園おおくぼ商店街」。学生が多く賑やかな通りだ。

駅から商店街を400mも歩くと、独特な建物が見える。ここの1角にある。

しかしこの商店街の直線は魅力あるお店が多すぎて腹ペコには引力がヤバイですね。何度も何度も寄り道しそうになりました。そして、この「ケースケー」が入る建物は特に際立っています。何が際立っているのかと言うと・・・・・。

ケースケーの入る「プラザグレミオ」と言う建物

飲食店・・・特にラーメン屋の県内有力店が入れ替わり立ち代り常時数軒入っています。まさに「ラーメンファクトリー」とでも名付けたい超熱な建物なのです。

その1階の奥左手に「ramen case-K」(ラーメンケースケー)が入ります。記憶だと、この場所は以前「○は 本店」が営業していました。「○は」と言えば新宿の「武蔵」出身で現在は船橋を中心に系列の人気店を次々に出している1大グループです。修行した弟子達も首都圏でどんどん名前を上げている注目の系統ですね。そこの本店だった場所に出すとは・・・・。

まるでカフェの様な外観。

「ramen case-K」(ラーメンケースケー)はまるでカフェの様な外観。これなら女性一人でも入れそうですね。逆にイチバは緊張しますけど・・・。

どんなに緊張しても結局は腹ペコに負けて入る

店内

店内は明るくカフェの様な雰囲気。どこか女性らしさを感じるセンスだ。

店内はL字に囲んだカウンター8席とテーブル4席×2(合計8席)の16席になります。

昔食べた記憶の「○は 本店」の時とは全然違う雰囲気です。天井が高めで開放感があり、装飾されているのに見た目の騒がしさが皆無と言うのは凄いですね。空間デザインのセンスを感じます。

2018年3月10日オープンと、まだ1年経っていません。

色々な物が置かれているのにすっきりと見える店内。居心地の良さはピカイチだ

メニュー

券売機を見ると上3段は「鶏」をテーマにした3味で、下に「煮干し」「つけめん」と続きます。子供用のメニューがあるのも良いですね。

多くのメニューがあるけれどテーマは一貫して「鶏」。コンセプトがはっきりしている

店内外に「鶏」をテーマにしているのを見ると、やはり「左上の法則」(レポ2泰山参照)に従って「とりのらぁめん醤油」をポチします。それにしても、券売機のメニューが全て平仮名なので優しい雰囲気があります。店内の雰囲気も合わせてファミリーも入りやすいですね。

店内の掲示物を見ると、鶏を筆頭に素材のこだわりを感じる

調理

店主の北里さんにお願いして、調理を見学させて頂きました。

「鶏」をテーマにしたラーメンを作る北里さん。どんなラーメンが出来上がるのか??

スープは地鶏を軸にほんのり魚介とアサリ・牛・豚を。逆浸透膜浄水器使用の水を使用と言うこだわり。新店ながら、かなりの経験値を感じます。

こだわりのカエシに鶏油。入るのは「鶏」を軸に魚介や牛・豚も使用する極上スープ!

油はもちろん「鶏油」。鶏の出汁に鶏の旨味がコーティング!

もちろん油は鶏油です。鶏油で独特のピュアでコクある旨味がスープにコーティングされます。

イチバのRMYK(ラーメン用語解説)
説明しよう!「鶏油」とは「チーユ」と読む。鶏の脂肪分を加熱して抽出した油の事で、ラーメンに合う独特のコクの油なのだ。上品とジャンクが同居した旨味は動物系の出汁の旨味を更にコーティングする。ちなみにラーメンの素材で「マー油」と言う物が存在するが、「馬油」と勘違いする人がたまにいるので注意。これはニンニクを焦がして作る油の事だ。ラーメンは出汁・カエシだけでなく油も奥が深い。

 

キラキラと光るスープからは手間や素材が半端なさそうな雰囲気が!

麺は人気製麺所の村上朝日製麺の中細麺。

麺は埼玉県の人気製麺所「村上朝日製麺」中細ストレート麺で、リズムの良さと丁寧な湯切りが印象的です。

スープに麺が入る瞬間、独特なスープの香りがする。この瞬間がドキドキする

一連の流れで感じたのは「新店ながら、かなり慣れた動きで全く無駄がない」事です。これは独立するまでに相当の修行を積んだのかなと勝手に想像してしまいます。そして、ラーメンが出されると、そのビジュアルから確信を得ます。

食べ歩いている人ならば一瞬で分かるレベルの高いビジュアル

ラーメンを食べ歩いている人ならば、このビジュアルでレベルの高さが分かると思います。

この2~3年の間、首都圏で濃厚豚骨魚介と双璧を成すスタイルですね。イチバは勝手に「新東京系」と呼んでいます。そして、この系統のラーメンでこの整ったビジュアルを出すお店でレベルの低いお店は見たことがありません。

つまり、首都圏の新しい王道スタイルであり、さらに食べる前からレベルの高さに確信を持てるラーメンですね。

 

実食

まずは、出されたラーメンの熱さにビックリします。

ここまで完成されたビジュアルで、温度もしっかりと熱々なので隙がないですね。丼を触ると熱さと丼から漂う鶏の旨味成分を感じる香りが感じられます。

出されたラーメンの熱さにビックリ!!

スープはすすった瞬間に素朴で上品な醤油の香りがダイレクトに感じられ、鶏油の・・まるで極上な鶏皮の様なオイリーかつ優しい旨味がファーストインパクトで口の中に広がります。一瞬遅れて鶏を主軸とした旨味溢れるスープが攻め込みます。まるで「和」でもあり「中」でもある様な独特な味で、上品な素材感が強く感じられます。これは相当レベル高いですね。一言で言うと鶏×醤油の極上スープです。

醤油×鶏の極上スープ!これは相当レベル高い!

は自社ブランドの小麦などを扱う埼玉県の村上朝日製麺の中細ストレートで、この製麺所はここ数年で一気に名前を上げてきました。それだけに、かなり質が良い麺を提供する事で知られています。この麺はツルモチ感がかなりはっきりしていて、柔軟性のある上品な食感がします。スープの素材感を壊さないので麺とスープの相性はかなり良いですね。

単に柔らかいと言うより柔軟性があるツルモチ食感の麺。

は炙られたバラチャーシューに鶏チャーシュー、それにメンマとネギです。炙られて肉の魅力を引き出したバラチャーシューは肉の旨味と脂身の旨味がしっかりと出ていて絶品ですし、鶏チャーシューはスープに浸して食べる事でスープの鶏感を再認識出来るツールとなっています。名脇役として、メンマは口の中で独特な旨味がほんのり残ります。これは椎茸の旨味で、実は個人的に一番印象に残った具材です。

キラキラと光るスープの中に浮く具材。一つ一つが役割を果たしている

食べ進むにつれて、そのレベルの高さに驚かされます。かなり研究して・計算して・手間隙かけたのが分かる1杯です。これがオープン1年未満のお店とは…にわかに信じがたい。

気づけば丼の中は空になっていました。食べ進んで、後半まで美味しく頂けます。

気づけば丼が空になっていた・・・恐ろしい・・・。

お店のこと

食べ終わってみて、ここまでハイレベルの1杯を作った北里さんがどんな経歴の持ち主なのか・・・・かなり気になります。お話をお伺いしました。

オープン1年未満とは思えないハイレベルな1杯を作る北里さん。経歴は???

北里さんは長崎県出身です。長崎県と言えば、九州なので豚骨文化。有名な長崎市内の「思案橋ラーメン」などを筆頭に、ライトな豚骨ラーメンが多いのが長崎県の特徴です。現在の「ramen case-K」(ラーメンケースケー)で出す様なラーメンはほとんど見ないですね。

生まれ育った土地にはほとんどない味で勝負した北里さん。何が影響したのだろう・・。

「高校を出てからここ(京成大久保)の大学に通っていたんです。長崎にいた頃は豚骨しか食べた事なくて、アルバイトで○は本店で働いていた頃にラーメンに衝撃を受けました。」

実は北里さん。船橋を中心に展開する名店「○は」の本店のオープニングスタッフだったそうです。

北里さんは船橋エリアの雄「○は」本店のオープニングスタッフだった!

「実は両親共に東京出身なんです。だから子供の頃に祖母の家(東京)に来て関東の味付けには馴染みがあったんですよね・・・だからという訳でもないですが、醤油ラーメンにハマりましたね(笑)けっこう食べ歩きもしました。」

分かります。イチバもあるラーメンに衝撃を受けて、もっと知りたくなって食べ歩きが始まりました。

「大学卒業後は○はの社員になってもっとラーメンを知りたいと思い5年間働きました。その後は○はにはない煮干しラーメンを学びに知り合いだった(台東区)に移ります。その後都内の別のお店にも修行に行きました。」話を聞くと、修行先は次々に首都圏の名店の名前が出てきます。それがこの経験値の高い1杯を作れた理由なんですね。

台東区の名店「麺処 晴」にもいたらしい

「色々な所で色々な事を学んで豚骨じゃなく鶏だと気づいたんです。勝負するなら1番好きな味でと・・・。」

ちなみに北里さんは生産工学部出身で、そのせいか道筋が頭に出来てから修行に出る事・レシピの構築など計算でする事など話している中でラーメンの考え方に生きていると感じました。

色々な文化を取り入れようとする姿勢はまるで長崎の「和華蘭文化」のようでもあります。

 

激戦区での戦い

イチバが一番気になった事を聞きました。何故激戦区であるこの場所を選んだのか・・・・?

「実は物件を探していたら本店を2年休業していた○はの社長から、この場所を手放すと聞いて、思い入れのある場所だから自分がここでお店をやりたいと言ったら、社長お前になら譲ってやると言ってくれました。○はの系列でなく僕個人のお店なのに譲ってもらえたことに本当に感謝しています。」

オープニングから「○は」を支えてきた北里さんは、「○は」の社長さんにとっても特別な存在だったのかもしれませんね。「○は」の創業の場所から始まり、修行して腕を磨いてきて始まりの場所に戻るというのはドラマを感じます。

笑顔で「○は」時代の話をする北里さん。その話にはドラマが詰まっていた!

「○は」時代の店舗を改装するに当たって、店内のレイアウトなど諸々は空間デザイナーの友達に頼んだそうです。この居心地が良い空間も計算されているのですね。納得できました。

丼もスープの味が変わると言われる有田焼を使っているそうです。お茶も有田焼で飲むと渋みがなくなるそうです。

有田焼はスープの味を変えるらしい・・・初めて聞いた。

お店は奥様と二人三脚で切り盛りしている。おしゃれなユニフォームはアパレル業界出身の奥様の意見が反映されているそうです。

でも、激戦区で大変なんじゃないですか??と言う質問には

「色々な人から反対されましたね~でも、開店時には変な自信しかなくて(笑)今はどんどん新しいお店が出来て焦っていますよ。自分も負けない様に引き出しを広くしないといけないなと日々思っています」

券売機の上には大きなダルマが。ダルマに目が書かれるのはいつか?

ふとイチバは券売機の上のダルマを見て、「ダルマの目は何を成就したら書きますか??」と言う質問には

「ダルマはカップラーメンになったら(笑)」

最後に店名の由来を聞きました。

「ramen case-K」(ラーメンケースケー)

1つは・・・昔のあだ名が「けーちゃん」「けー」だった事(北里 敬輔)

そして、2つめは・・・「色々学んだ中での僕なりのラーメン」と言う意味・・・。

case→場合・事例

「 case-K」→Kの場合(Kなりの)

「ramen case-K」→Kなりのラーメン

数々の修行経験・多くのバックアップ・奥さんとの二人三脚が支える「K」らしいラーメン!本当に応援したくなるお店でした!「ramen case-K」(ラーメンケースケー)また来ます!!!

 

マッスルコメント

極上の旨味の鶏が大きな1本の柱となり支えるスープのラーメンを食べて・・・

マッスル倒立!!!

 

「ramen case-K」(ラーメンケースケー)

住所/習志野市大久保1-16-18プラザグレミオ1E

TEL/047-493-1610

営業時間/11:00~15:00 18:00~21:00

日曜11:00~15:00

定休日/月曜

↓地図はこちら

【マッスルラーメンレポ過去記事】

六実で食べれる!北海道老舗名店の味噌ラーメン「三代目 月見軒 六実店」

北習志野で40年以上!店主の人柄が詰まった極上の1杯「泰山」

研究と探究心!理系が挑む「アナログ」な昭和の中華そば「一芯」

旭川ラーメンの伝統と新たな創作が紡ぐ“かけはし”「旭川ラーメン 好」

老舗焼き鳥屋さんが作るラーメンは鶏と人ガラが効いた1杯「デリカフーズ ハマモト」

鎌ヶ谷大仏にオープンした「佐野らーめん しばちゃん」は本場佐野クオリティ!

中華鍋を振り続けて半世紀超!達人が作る極上のタンメン「中華料理 宝楽」

老舗甘味処の船橋名物“ばか麺らーめん”とは!?「ラーメン・甘味処 美松」

創業1年目の老舗??下総中山と共に歩む系譜「4代目 松屋食堂」

串を丼に持ち替えた職人が作る「熱い」1杯!「龍江」

伝統と進化!船橋が誇る老舗製麺所「山田食品」~前編:製麺工場見学~

伝統と進化!船橋が誇る老舗製麺所「山田食品」~後編:試食と歴史~

背脂系のサラブレッドが挑んだ”山” 「ラーメン すけがわ」

伝説の「骨」のDNAを受け継ぎ、日々の1杯を積み重ね続ける「盛壱」

引き継がれる飛魚の魂!師弟の絆が作りだす1杯「あみや」

秋刀魚を越えた秋刀魚が味わえる「魚骨らーめん 鈴木さん」

 

関連記事